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相場展望9月19日号 米国株: 利下げ「観測」で最高値も、利下げ「決定」で売られる展開へ 日本株: 円安と米国株と比べ割安感で、日経平均は堅調に推移か

財経新聞 / 2024年9月19日 10時47分

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)9/16、NYダウ+228ドル高、41,622ドル  2)9/17、NYダウ▲15ドル、41,606ドル  3)9/18、NYダウ▲103ドル安、41,503ドル

●2.米国株:利下げ「観測」で最高値も、利下げ「決定」で売られる展開か

 1)NYダウ、大幅利下げ期待で最高値を更新と高値水準にある   ・9/16、前週末より+0.55%高の41,622ドルで、値上がりは4営業日連続。FRBが9/18に▲0.50%と大幅利下げすれば、景気が大きく落ち込まずインフレが落ち着き、米国経済は「軟着陸」できるという期待が高まった。

 2)FRBは、9月に▲0.50%低下の大幅利下げを決定   ・年内で合計▲1.00%の利下げの方向も示された。

 3)FRBの利下げ決定を受け、米国株は下落に転じた   ・前日の9/18まで、大幅利下げ観測から買われてNYダウは上昇して史上最高値を更新してきた。9/19は▲0.50%利下げ発表を受けて主力株に利益確定売りが出て下落に転じた。   ・格言「うわさで株は上昇し、事実で下落する」通りの展開となった。

●3.FRB議長、▲0.5%の利下げ、「後手に回らず」年内にさらに▲0.5%下げ想定(ロイターより抜粋

 1)FRBはFF金利の誘導目標を▲0.50%引下げた。引下げは4年半ぶり。年内にさらに▲0.50%の追加利下げを実施する見通しも示した。

 2)声明は「インフレ率が持続的に+2%増に向かっているとの確信を強めており、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断する」とした。インフレは「依然としてやや高止まり」しているものの、「インフレの進展とリスクのバランスを考慮」した決定と説明した。物価安定と最大雇用という「2大債務の双方」に注意を払いつつ、「目標達成を妨げるリスクが生じれば、金融政策スタンスを適切に調整する用意がある」と言明した。

 3)米国経済情勢については、「経済成長は堅調で、インフレは低下し、労働市場は引き続き非常に堅調な水準」とし、米国景気低迷に向かう兆候はみられないと述べた。

 4)アネックス・ウェルス・マネジメントのアナリストであるジェイコブソン氏は「FRBは大々的に利下げ休止を終わらせた。▲0.50%利下げと、年内の▲0.50%の追加利下げ予想は強いシグナルだ。物議を醸す決定だ」と述べた。

 5)同時に公表したFRB当局者の金利・経済見通しでは、   ・年内にさらに▲0.50%引下げ    2025年に▲1.00%引下げ    2026年には計▲0.50%の追加利下げを見込んだ。

  ・2024年の成長見通しは+2.0%増と、前6月時点の+2.1%増からは下方修正された。

  ・インフレ指標であるコア個人消費支出(PCE)価格指数の見通しは、    2024年が+2.3%増    2025年が+2.1%増    ・失業率は、2024年・2025年ともに4.4%となった。

 ・今回のFOMCは11月の米国大統領選挙前の最後の会合となる。

●4.FRB、▲0.50%の利下げを決定、4年半ぶり(Quick Money)

 1)短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は4.75~5.00%になった。

●5.米国小売売上高、8月は前月比+0.1%増と予想▲0.2%減から増加(ブルームバーグ)

 1)エコノミストらは、雇用の伸び鈍化に加え、借入コストの高止まりや新型コロナ禍で積み上がった貯蓄の枯渇、生活費の高騰で、最終的に消費者は支出を減らすと予想している。

●6.アップル株は9/16に▲3%安、iPhone16の需要弱さ指摘(ロイター)

 1)予約販売が始まった初目の週末で、iPhone16Proで▲27%減、iPhone16ProMaxで▲16%減となったもよう。

●7.米国鉱工業生産、8月製造業は+0.9%と予想+0.3%を上回る、自動車急増(ロイター)

 1)リセッション(景気後退)時に通常みられる製造業の弱さは、全くみられない。

 2)8月の部門別では、自動車・部品は+9.8%上昇。7月は▲8.9%低下だった。耐久財製造業生産は+2.1%上昇。7月は▲1.5%低下だった。ハリケーン「ベリル」の影響による前月の落ち込みから回復した。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)9/16、祝日・中秋節で休場  2)9/17、祝日・中秋節で休場  3)9/18、上海総合+13高、2,717

●2.中国新築住宅価格、8月は前年比▲5.3%減、9年余ぶり大幅下落(ロイター)

 1)新築住宅価格は前年比▲5.3%下落、下落幅は7月の▲4.9%から拡大し、2015年5月以来の大きさを記録した。14カ月連続のマイナスとなった。

 2)調査対象の70都市で価格は前月比、前年比ともに上昇したのはわずか2都市だった。

 3)1~8月の不動産投資は前年比▲10.2%減、不動産販売は▲18.0%落ち込んだ。

 4)野村は9/13付けのリサーチノートで「下半期に新たな逆風が吹いて、景気がさらに減速する見通しから、当局は最後の手段として、既に売却済みの未完成プロジェクトに直接資金を提供せざるを得なくなる」と予想した。

●3.中国の公立病院から輸入薬が消え、患者の選択権も失われた(Record China)

 1)中国政府が2018年に「国による薬品集中施行プラン」を発表したことで、輸入先発医薬品が自由に調達できる状況が一変した。価格高な医薬品は検査に通らなくなった。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)9/16、祝日・敬老の日で休場  2)9/17、日経平均▲378円安、36,203円   3)9/18、日経平均+176円高、36,480円 

●2.日本株:円安と米国株と比べ割安感で、日経平均は堅調に推移か

 1)円相場は、米国利下げ▲0.50%決定の後、142円台の円安方向と進行   ・円相場の推移    ・9/16、アジア外国為替市場で139円台まで円高が進む。    ・9/18、日本時間で141円台に円安進行。    ・9/18、米国で142円前半まで円安が進む。   ・円相場は円安方向にあるが、急激な円高の揺り戻しのためとみている。

 2)本日9/19の日経平均は、円安を背景に輸出関連企業を中心に買われ、堅調に推移すると予想。   ・なお、米国半導体関連株は米国金利が上昇に転じたこともあり、相対的に割高感が意識され、弱含んだ。そのため、日本の半導体関連銘柄が日経平均を押し上げるとは思えない。   ・よって、日経平均は上昇しても、頭を打つ展開を予想する。

 3)海外短期筋の動向に注目したい   ・海外短期筋は7月後半から売りに転じ、状況に応じて買い転換してきた。だが、基調は「売り」傾向にある。   ・ただ、売り期間が長いことや、日経平均が米国株に比べて割安感が出ていることに着目して「買い基調に転換」することもあり得る。   ・その転換点は「円安」が強く意識される時であろう。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4443 Sansan      業績好調。  ・6902 デンソー     業績好調。  ・7012 川崎重工     業績好調。

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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