存続の危機も乗り越え連続増配を続ける、MIRARTHの足元
財経新聞 / 2024年9月28日 10時2分
タカラレーベンが2022年10月に持ち株会社体制に移行し、MIRARTHホールディングス(8897、東証プライム。以下、MIRARTH)となった。1次取得者向けを中心としたマンション分譲の開発・販売が主体。
今年5月15日に、2021年5月に公表した至25年3月期の中計を修正した。売上高は2037億円から2000億円に下方も「営業利益は157億円から170億円、純益は100億円から107億円」に、上方修正。
「好き嫌い」で企業を語るべきではないが、私はタカラレーベンが妙に気になり定期的に収益動向や株価動向をチェックしていた。それだけに今回の修正には、正直ホッとするものを覚えた。
実はMIRARTHは22年10月31日に『宅建建物取引業の自主廃業および再申請について』とする、リリースを発信している。キッカケは元役員がスピード違反で執行猶予付きの有罪判決だった。当初、申し出がなかったが時間をおいて発覚。監督官庁に報告すると同時に、公にした。
その際MIRARTHは「宅建建物取引業者の欠格事由に該当する。自主的に廃業するのが、妥当」と判断し、前記のリリースを公にした。22年12月2日付けで、都知事免許から再交付された。
後手、後手の対応では「命取りにもなりかねない」出来事だった。
その後のMIRARTHの収益動向はどうか。
2023年3月期は影響が感じられる。「5.7%の減収、40.8%の営業減益、26.2%の最終減益」。が前24年3月期は「20.7%増収、119.9%営業増益、78.4%最終増益」。かつこの間コロナ禍の影響を受けた21年3月期は5円減配14円配も、前期末では24円配となっている。
そして今3月期は期初早々に前記の通り「利益上方修正」計画。開示済みの第1四半期は「前年同期比38.1%増収(388億6500万円)、146.6%営業増益(15億3100万円)、純益5億9100万円(2億1800万円赤字)」と、順調な滑り出し。
太陽光発電の順調という好材料もある。FIT(固定価格買い取り制度)、PPA(電力購入契約)の両面から市場開拓が進められている。またカンボジアのナッツ工場を増設し殻を活用したバイオマス燃料化を実証実験中とも伝えられている。
さてそんな歴史も踏み越えてきたMIRARTHの株価とどう取り組むか。本稿作成中の時価は500円トビ台。予想税引き後配当利回り4.8%弱。8月5日に421円まで急落後の戻り過程。予想PBR0.90倍も材料視されようが、好配当利回り享受で年初来高値595円(5月)を腰を据えて待つのも一法か・・・
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