地球に2番目に近い恒星系で惑星発見か ヨーロッパ南天天文台
財経新聞 / 2024年10月9日 9時44分
ヨーロッパ南天天文台(ESO)は10月1日、バーナード星を周回する新たな系外惑星発見したと発表した。バーナード星は9.5等と暗く肉眼では見えないが、なぜか有名な恒星だ。
その理由は、プロキシマケンタウリ(約4.2光年)に次いで地球に近く(6光年)、高速で移動する星だからだ。この星は、直径が太陽の5分の1程度の赤色矮星で、太陽系に高速で接近しており、およそ1万年後には3.75光年程度まで接近。プロキシマケンタウリよりも地球に近い星となる。
実はこの星で惑星発見が報じられるのは1960年、2018年に次いで3度目だが、過去2度の発見は正式には認められていなかった。そもそも系外惑星はその姿を直接的に光学望遠鏡で捉えることが困難で、慎重に検証が行われるが、その段階で疑念が生ずれば、新惑星発見は否定される。
今回の発見は、研究者らによる5年間の観測のたまものだ。また、ESPRESSOと呼ばれる、周回惑星の引力で引き起こされる星のぐらつきを測定する超高精度機器によって、もたらされたものだ。
新惑星は、金星の質量の半分程度となる地球型惑星で、バーナード星を公転周期15日で周回しているという。また水星の公転軌道半径の20分の1と極端に主星に近接しており、バーナード星の表面温度が太陽のそれよりも極端に低いにもかかわらず、新惑星の表面温度は約125度にも及ぶという。既に他の機器による観測でデータ検証も実施され、新惑星の存在は確実だ。
現在バーナード星のような赤色矮星は系外惑星ハンターの注目の的となっている。なぜならば、赤色矮星は公転周期の短い惑星(つまり、主星のごく近傍を周回する惑星)を従えている可能性が高いからだ。
未知の惑星の公転周期が短い利点は、その存在を確かめるために検証に要する時間が短くて済むためだ。例えば、地球の存在を太陽系外の知的生命が確認する場合、最低でも公転周期の1年以上はデータを採取しなければならないが、今回の新惑星の場合なら、公転周期は15日のため、最低15日間の観測によりその存在が確実かどうかを検証できるからだ。
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