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TOPPAN、パウチに偽造防止機能 「セキュリティ軟包装パッケージ」開発

財経新聞 / 2024年10月9日 16時8分

セキュリティ軟包装パッケージのイメージ(画像:TOPPANホールディングスの発表資料より)

 TOPPANホールディングスは4日、トイレタリーやサプリメントの包装などに用いられるパウチに偽造防止機能を付けた、「セキュリティ軟包装パッケージ」を開発したと発表した。グループ会社のTOPPANとTOPPANデジタルが開発を推進し、証券印刷で培った技術を応用して構築した。10月からサンプル提供を開始する。

 セキュリティ軟包装パッケージには、「万線潜像」を用いている。偽造・模倣防止技術の1つで、平行線を並べて作成した特殊な絵柄(万線)に専用フィルターを重ねると、隠れていた絵柄や文字(潜像)が浮かぶというもの。印刷の製版工程で生じる、縞状の波紋「モアレ現象」を活用した技術で、TOPPANはこれまで証券印刷の偽造防止技術として展開してきた。

 今回その技術を応用し、パウチの表裏を重ね合わせることで真偽を見分けるパッケージを開発した。パウチ表面の一部分に透明な専用フィルターを設け、裏面の内側に特殊な模様を印刷。両者を重ねると潜像が出てくる仕組みだ。

 開発の背景には、グローバル化やEC・ネットオークションなどの増加に伴って拡大した、偽造・模倣被害がある。

 特許庁の調査(令和3年度)によると、靴や衣類などの服飾品に続き香水・化粧品の模倣品が多く、またコロナ禍のEC利用増に伴い、特に医薬品の模倣が増えたという。模倣被害の多いブランドの国籍は、アメリカを筆頭に、フランス、ドイツと欧米が中心だが、日本も世界7位に位置している。

 パウチ製品の偽造・模倣品対策ではこれまで、高セキュリティなホログラムを用いたラベルの貼付などが行われてきた。一方で、パウチとは別にセキュリティラベルの製造が必要だったり、ラベルを貼る作業が発生したりで、追加工数・コストがかかる点が課題だった。

 「万線潜像」技術を用いたパッケージは、特殊な版を用いる必要はあるが、従来の製造工程で印刷でき、追加の作業が不要。コストを抑えて導入できるという。また一般消費者が簡単に正規品かどうかを確認できる点も強みだ。

 TOPPANホールディングスは今後、追加コストをかけづらい「高価格帯の日用品・健康食品」をターゲットに、事業を展開していく方針。関連商材を含め、2025年度に3億円の売上を目指すという。

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