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地球上の亜鉛の90%は地球以外の小惑星に由来 ケンブリッジ大らの研究

財経新聞 / 2024年10月13日 17時20分

溶融した微惑星の中心核から採取された鉄隕石(左)と、「原始的」な溶融していない微惑星から採取されたコンドライト隕石(右)。(c) Rayssa Martins/Ross Findlay

 地球外生命探索では、ターゲットとなる星で、水の有無をまず調べる。水の存在は生命にとって必要条件だが、それだけでは不十分だ。

 モリブデン、亜鉛、鉄、銅、マンガン、コバルトのような遷移金属元素は、生命進化の過程で触媒として重要な役割をしてきた。つまり、これらの遷移金属元素がなければ、生命の元となるアミノ酸のような高分子有機化合物は生成困難だ。従って、地球外生命探索では、遷移元素の有無も確かめる必要がある。

 ケンブリッジ大学は11日、遷移元素である地球上の亜鉛について、数多くの隕石の分析を通じ、その由来を調査した研究結果を発表した。

 研究結果によれば、現在の地球を構成している全質量の70%は、微惑星同士が衝突してできたものに由来するという。衝突時の運動エネルギーが熱に変化したことや、微惑星に含まれていた放射性元素による発熱でどろどろに溶解したことで発生した。残りの30%の質量は、溶融状態を経験していない小惑星が地球に衝突したものだ。

 溶融状態の地球に由来する亜鉛量は、現存亜鉛の10%程度しかなく、残りの90%は溶融状態を経験していない小惑星由来だという。

 亜鉛は融点が約420度、沸点が907度の揮発性元素で、溶融状態の地球ではその多くが蒸発したのだろう。その結果、地球構成質量の70%の中に含まれていた亜鉛は、わずかだったのだ。もし原始地球に溶融を経験しなかった小惑星衝突がなければ、現在の地球亜鉛量は10分の1しか存在しなかったことになり、生命誕生には不十分だったかもしれないのだ。

 フランス国立科学研究センターらの研究によれば、1年間に地球に飛来する地球外物質量は5200トンで、内訳は1600トンが未融解微小隕石、残りの3600トンは宇宙球粒(いわゆる空気中に浮遊している塵)という。

 同じ太陽系にある他の星でも、同様に生命誕生に寄与する物質が飛来してきたと考えるのはごく自然なことだ。地球外生命が太陽系の他の星で見出される日も、そう遠くないのかもしれない。

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