8期連続完成在庫ゼロ、そんなエスリードが着々と進める総合不動産業の歩み
財経新聞 / 2024年10月19日 10時45分
エスリード(8877、東証プライム市場)。マンションの企画・開発・販売が主軸。近畿圏での供給戸数はトップクラス。
覗いて見ようと思わされたキッカケは不動産関連週刊紙の編集長氏の、「この業界で在庫ゼロを続けている企業を、興味深いとは思いませんか」という一言だった。
まず前2024年3月期決算の資料を読んだ。「創業以来最高の売上高・営業利益・純益を達成した」記されていた。そして「(日刊不動産経済通信4月2日号にも取り上げられたように)2017年3月期から8期連続して、完成在庫ゼロとなった」と、いう文言が誇らし気に踊っていた。
改めてエスリードのコロナ禍以降の収益動向をフォローしてみた。
「2022年3月期:8.1%増収、25.4%営業増益/23年3月期:7.1%増収、9.5%営業増益、50円増配90円配/24年3月期:0.5%増収、22.7%営業増益、60円増配150円配」。そして今3月期は「22.7%増収(985億円)、22.1%営業増益(142億円)、20円増配170円配」計画で立ち上がった。
更に覗き込みを続けた。気配りを感じたのは、株主優待策。名産(食)品。「提供月」が指定でき、例えば8月なら北海道産メロンetc/9月なら手延べそうめんetc/10月なら焼き肉用宮崎牛etcといった具合。
「エスリード」の社名の由来は、REALESTATE(不動産)+LEAD(リードする)。実はエスリードは「不動産業界をリードする」を標榜している。「マンション分野に捉われず、不動産事業を拡充していく」というのだ。
「言」にとどまらず商業施設・ホテル・オフィスビルで実績を積み重ね始めている。10月には「冷凍冷蔵倉庫」(神戸市)を着工した。延べ床面積1万2930平方メートル、地上4階建て。1階には15台の大型トラックが同時に接車可能なバースを構えた、配送拠点が設けられる予定。吹田市・西宮市には「ホスピス(終末期患者が入居)するための施設」用の土地が手当て済み。また大阪・兵庫には「老人ホー」3棟の開発計画が進められている。
今後の「不動産業界をリードする」というエスリードの展開を、とくと見定めたい。
本稿作成中の時価は4800円台前半。予想税引き後配当利回り2.8%強。年初来安値(4月19日)3220円から同高値(10月3日)5080円まで買い直されたあとの微調整場面。2015年の初値1227円で買い保有していると、修正済み株価パフォーマンスは4倍弱。さて・・・
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