学生用マンション最大手:毎日コムネットは、学生数減が懸念されるなかどうなるのか
財経新聞 / 2024年10月26日 9時2分
毎日コムネット(8908、東証スタンダード)を久方ぶりにチェックしてみたいと思ったキッカケは、少子化の動向を調べている際に出会った文科省の発信だった。
昨年9月25日に『急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について』と題する中央教育審議会の諮問答申は、こんな「今と先々」の見方を示していた。
「少子化進行の中で我が国の高等教育機関への進学者数の推移を見ると、主たる進学者である18歳人口が、ピーク時である1966年の約249万人から2022年には約112万人へと半分を大きく割り込む中で、大学進学者数は約29万人から約64万人へとその規模を拡大し続けてきた・・・・・しかし仮に急速な少子化に伴う18歳人口が推計通りに進行すれば、今後の大学進学率の伸びを加味しても、2040年の大学入学者数は約51万人に、さらには2050年までの10年間は50万人前後で推移すると推計される」
毎日コムネットは地主向けに「学生用マンション」を地主に提案。一括借り上げのサブリース方式で運営するのが主業。文科省の発信が的を射ているとすると、先々に「?」が点滅しかねない。
足元の収益動向は2022年5月期以降、こんな具合。「11.0%増収、18.9%営業増益、16.1%最終増益/12.5%増収、16.7%営業増益、24.9%最終増益/2.2%減収、10.1%営業増益、7.4%最終増益と過去最高純益を連続更新」。
24年5月期の決算資料でも「16年連続4月の入居率100%達成」と好調な推移が謳われている。
そして今5月期も「6.1%の増収(220億3000万円)、5.1%の営業増益(24億1000万円)、2.4%の最終増益(15億2000万円)」計画で立ち上がり、第1四半期は中間期予想(売上高88億1000万円、営業利益1億6000万円、最終利益6800万円)に対し、「44億3400万円、1億2700万円、7500万円」で通過している。
創業50周年に当たる至29年5月期の中計でも、23年5月期に比べ「41%の増収、49%の営業増益」が掲げられている。
この限りでは毎日コムネットの足元は、依然しっかり。株価もそれを反映し本稿作成中の時価は700円台前半。年初来高値825円(5月)から8月5日の620円を経た後、着実な戻り基調。予想税引き後配当利回り3.4%強。
斯界に明るいアナリストからは「毎日コムネットを語る場合、学生生活ソリューション事業を見落とせない。合宿・研修の企画手配/スポーツイベントの企画運営/運転免許の取得サポートなどなど広い範囲で、学生を囲い込む施策の展開は絞り込まれる学生数の中でも大きな差別化戦略になりうる」といった、指摘が聞かれる。
さて・・・
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