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基盤の医療業務に磨きをかけながら、介護・保育園事業も拡大するソラストのいま

財経新聞 / 2024年11月2日 10時25分

7月1日に大分県でオープンした住宅型有料老人ホーム「彩晴(いろは)」(画像: ソラストの発表資料より)

 ソラスト(6197、東証プライム市場)から、10月18日付けのニュースリリースが届いた。『<特許出願中>「診療報酬請求業務」の精度を上げるアプリ!~スタッフの“専門知識”、そして“専門書籍”を集約した算定アプリです~』と題されたリリースを読んだ後、つくづく思った。「雀百まで踊り忘れず、だな」と。

 ソラストの祖業は、医療事務教育機関。これを土台に国立病院の医療義務受託・事務方の人材派遣を軸とし、企業の地盤を固めてきた。現状では民間病院向けも注力。総数1400以上の医療機関をカバーしている。

 リリースの要点は、診療報酬に関する多彩な情報を搭載したアプリ「ソラベル」を開発。10月16日から、全国約200の受託先医療機関で順次運用を開始。「今後さらに情報をアップデイトし、2025年の夏を目途に医療機関への販売を強化していく予定」というもの。今年10月8日に商標登録、17日に特許申請を済ませた。

 受託先医療機関の現場スタッフの知識・経験をベースに、10冊の膨大な量の専門書籍・関連資料を一つにまとめた「ソラベル」は、どんな活かし方可能か・・・

 「多彩な情報:診療報酬請求に関する最新情報、調べたい情報はAI検索の活用が行える。医学用語や疾病名など4万語以上掲載されている」

 「知識の共有:全国展開することで、業務に携わるスタッフのレベル向上・平均化でできる」

 「特有機能:いわゆる“しおり機能・メモ機能・通知機能”を活かすことで、病院ごとにオリジナルなツールとしてアプリを活用が可能になる」

 さてそんなソラストだが、「医療報酬受託」事業に次ぐ第2・第3の柱育成にも注力している。

 一つが1999年に進出した介護関連事業。M&Iを主たる梃に、現状では介護付き有料老人ホームにも進出。総計717カ所の拠点を構えている(年間5件ペースで拡充方針)。

 一つは2002年に始めた、保育園事業。67カ所が稼働している。

 得手の病院事務関連事業に加え、少子高齢化という時代の進捗のなか「統廃合」が指摘される分野で船頭役を果たそうとしている。

 収益動向は順調。今3月期も「2.9%増収(1390億円)、12.4%営業増益(62億円)」計画で立ち上がり、第1四半期は前年同期比「3.6%増収(341億100万円)、43.5%の営業増益(17億1400万円)」と上々のペースで通過している。

 株価もそうした流れを反映し1月の624円から利食い先行の動きとなったが、8月の全体相場の大幅下落時に418円まで突っ込み反転揉み合い基調の500円台入り口。上場初値(2016年6月)407円で買い保有していると、修正済み株価パフォーマンスは倍余り。IFIS目標平均株価630円。さて・・・ 

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