再来のトランプ相場、その行方は!?
財経新聞 / 2024年11月8日 15時26分
●米大統領選挙でトランプ氏が当選確実
11月5日(現地時間)に米国大統領選挙の投開票が行われ、共和党のドナルド・トランプ前大統領が、民主党のカマラ・ハリス副大統領を破り、4年ぶりに大統領に復帰することとなった。当初は接戦と見られており、結果が出るのに数日以上かかるとも言われていたが、ペンシルバニア州などの激戦州で次々勝利し、結果は圧勝となった。
トランプ氏は6日未明、「第47代大統領という特別な栄誉を与えられたことを誇りに思う」と、フロリダ州で勝利宣言をした。
トランプ氏の勝利を受けて、6日のS&P500など米主要3指数は最高値を更新し、5日の日経平均も、トランプ氏優勢が伝わると1005円高となり、ドル円も154円まで円安が進んだ。
2016年11月に行われた米国大統領選挙でも、トランプ氏勝利直後は円高・株安が進んだが、その後は円安・株高となった。あの時のようなトランプ相場が再び期待される。
●トランプノミクス2.0にかかる期待
前回の政権時と同様、米国第一の政策が並ぶ。不法移民の取り締まり強化や減税の延長、輸入関税など、自国を守るための政策だ。
市場では法人税減税への期待が高く、企業収益への押し上げにつながると見られている。
7日の株式市場では、エヌビディアが過去最高値を記録し、時価総額が世界で初めて3兆6500憶ドルを超えた。
減税や規制緩和は、金融業界にも追い風になると見られ、銀行株も買われている。
●不安も?他国にはマイナス面も
関税は、米国以外の国にはマイナス材料である。日本や欧州だけでなく、さらに関税を強化され、最恵国待遇も除外される可能性がある中国は、厳しい状況となりかねない。トランプ氏の当選で米国長期金利は上昇したが、トランプ氏の政策はインフレを再加速させかねない。
日経平均は4万円台を手前に失速したが、国内の政局の不安定さから、どこまでトランプ相場の恩恵が続くのか微妙な所である。
だが米国にとっては、上院も共和党が制し、下院も制しそうな勢いで、このままトリプルレッドとなれば政権運営がスムーズに進むとの期待もある。
米国の好調さが日本にも円安・株高への恩恵へと当面は続くことが期待される。
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