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フォーライフの事業=「田園調布に家が建つ!?」

財経新聞 / 2024年11月13日 16時23分

 「沿線の賑わいを創造する」。鉄道各社にとって大きな課題である。すぐる9月24日に我が住処:西武線所沢駅西口に、大型商業施設「エミテラス所沢」が開業した。

 西武鉄道系企業と住友商事のジョイントで総事業費約295億円が投じられた、地上7階建て/延床面積12万9000m2の施設。ユニクロをはじめ誰しもが耳にしたことがある、140余りの店舗が軒を並べている。また計1872席/12のシアターを完備した、シネマコンプレックスも設けられている。

 地元の不動産業者は、「所沢はいまや都心部へのかっこうな通勤圏。が一時は増加傾向にあった所沢市の人口も、いまは高原状況。今回の大型施設の開業は通勤圏の価値を更に高め、再度人口増を演出しよう」「沿線住人にとっても都心部に足を運ばなくても買い物に不自由せず、映画鑑賞にも事欠かない。1日中楽しめる」と歓迎ぶり。

 そうした観点から注目してみたい企業が浮上してきた。フォーライフ(3477、東証グロース)。現レオパレス21/住友不動産を経て1996年に奥本健二代表により設立された。東急東横線沿線や都心城南地区で、1次(2次)取得者向けの低価格戸建て(注文)住宅を展開している。通常のハウスメーカーや工務店では、プランの提案依頼に対し2-3週間程度は要するとされる。が「1週間以内での対応も可能」が特徴の一つ。

 そしてなんと言っても東急東横線は、渋谷⇔横浜間24km余を走るが、田園調布・自由が丘・代官山といった高級住宅地が揃い踏み。かつ銀座線や半蔵門線などへの乗り換えが容易。つまり、売却時に相応価格での対応が容易になりうる。

 今2025年3月期は「7.2%増収(150億円)、56.8%営業増益(4億1000万円)、5円増配15.5円配」計画。前24年3月期の決算発表と同時に、「今後の展望」として「住宅業界では金利上昇懸念や資材価格高騰による住宅価格の上昇が続く中、立地や価格でバランスのとれた戸建て住宅の需要は底堅く推移すると見込んでいる」という姿勢を公に発信している。

 また顧客をフォローアップする観点から、こんな事業展開も見せている。

 「生保の代理店業務:オリックス生命/SOMPOひまわり生命と提携、営業」  「病院等の当直事務職の請負業務」  「古物商:主にチケット商」  「旅行業:地域限定旅行業、旅行サービス手配事業」

 フォーライフの本稿作成中の時価は600円台入り口、予想税引き後配当利回り2.3%余。予想PER5.90倍。今期の収益動向を未だ織り込んではいないとみるが・・・。

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