オゾンホール、2066年までに破壊前の状況へ修復か NASAの研究
財経新聞 / 2024年11月17日 16時5分
20世紀には、冷蔵庫やエアコンの冷却媒体ガスとしてフロンガスが多用されていた。だがこれが大気中に放出されると、地球大気のオゾン層を破壊。その結果、紫外線が直接地表に降り注ぎ、皮膚がんや白内障を誘発することが指摘され、1987年にはモントリオール議定書による国際条約により、オゾン層破壊につながるフロンガスなどの有害物質の放出制限が始まった。
それ以降オゾンホールの拡大には歯止めがかかったと考えられている。NASAは、直近のオゾンホールの状態について観測結果を示すとともに、2066年までには、オゾンホールが元の良い状態に修復できる可能性があることを公表した。
10月31日にNASAは、アメリカ海洋大気庁(NOAA)と共同で各種気象衛星ならびに気象気球による南極上空のオゾン濃度観測を通じて、最新のオゾンホールの状態について調査結果をまとめ、公表した。
1年のうちでオゾンホールが最も拡大するのは9月から10月にかけてで、2024年に観測されたオゾンホールの大きさは、1992年に回復が始まって以来、7番目に小さい値であったという。今年オゾンホールが最大になったのは9月28日で、2240万平方キロメートルだった。
モントリオール議定書では、各国が2010年までに、フロンガスなどの放出をやめ、環境にやさしい代替ガスへの置き換えを進めることが定められている。以降、オゾンホールを拡大させるガスの大気中濃度は減少しつつあるが、NASAによるとそれまでに放出されたガスの悪影響はまだ残っており、過去の良い状態に戻るのは2066年ごろと予測している。
NASAでは、厚さ0.01mmのオゾン層生成に必要なオゾン分子数の指標として、ドブソンユニットを用いている。1979年に225ドブソンユニットだったものが、2024年10月5日には109ドブソンユニットと2倍以上に数値が改善されていることが判明している。
我々の文明が20世紀に地球環境を破壊してきたことに気づき、抜本的な対策を取り始めた結果、その効果が目に見える形で現れてきたことは大変喜ばしいことだ。だが元の状態に戻るのに、21世紀後半まで時間がかかってしまう現実も重く受け止めなければならないだろう。
この記事に関連するニュース
-
温暖化対策フリーザーを拡大します ソフトクリーム用卓上機とシェークサーバー
PR TIMES / 2024年12月10日 11時45分
-
全ての国内向け業務用冷蔵庫標準機※1の自然冷媒化を年内完了
PR TIMES / 2024年12月4日 13時15分
-
中国南極中山国家大気圏観測ステーションが正式稼働、世界の気候変動対応を支援
Record China / 2024年12月3日 14時50分
-
メタン等の温室効果ガス削減が温暖化遅らせた可能性 日本の研究で明らかに
ウェザーニュース / 2024年12月1日 11時30分
-
オゾンホール、依然広く 南極大陸の1.6倍、気象庁
共同通信 / 2024年11月27日 15時32分
ランキング
-
1iPhoneは「2年でダメになる」と聞きました。Appleは「3年」と言っているけど……どっちが正しい?
オールアバウト / 2024年12月21日 21時25分
-
2“あおり運転”してきた相手の正体にア然。警察に捕まって土下座レベルの謝罪をするまで
日刊SPA! / 2024年12月22日 8時52分
-
3初婚女性と結婚した男性「再婚年齢ランキング」 男性も早期結婚が有利!見落とされがちな理由
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 8時20分
-
47割超が正月の親戚付き合いが「面倒」 - 話したくない話題、1位は?
マイナビニュース / 2024年12月21日 12時10分
-
5「ナベツネと正力松太郎」野球に与えた影響の差 プロ野球全体の繁栄をどう考えていたのか
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 8時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください