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相場展望11月25日号 米国株: 米国株は主役交代、半導体関連⇒景気敏感株・中小型株へ 日本株: 日経平均最高値更新のため、高度成長産業に取組み企業育成 中間配当金の株買いを狙い、海外短期筋も買い転換か

財経新聞 / 2024年11月25日 10時58分

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)11/21、NYダウ+461ドル高、43,870ドル  2)11/22、NYダウ+426ドル高、44,296ドル

●2.米国株:米国株は主役交代、半導体関連⇒景気敏感株・中小型株へ

 1)米国株は主役交代、半導体関連⇒景気敏感株・中小型株へ   ・トランプ次期政権の「減税、規制緩和」に注目し米国経済堅調予想を受けて、景気敏感株・中小型株に買いが広がった。景気の強さが中小型企業の好業績につながるとしてラッセッル2000株価指数の上昇が目立った。半面、今まで相場を牽引してきた半導体・生成AI関連株は冴えなかった。エヌビディア決算で株価上昇が不発となった。

  ・11/22の米国主要株価指数の動向     NYダウ     +0.97%高     ナスダック総合  +0.16%高     S&P500      +0.35%高     ラッセル2000   +1.62%高     PHL半導体(SOX)  ▲0.15%安

 2)米国金利上昇   ・長期金利・短期金利の推移   11/1   11/22     10年債利回り      4.386%   4.412  +0.026%高 +0.59%     2年債利回り       4.212     4.381  +0.169%高 +4.01%

  ・トランプ方針の進行で、インフレ圧力が増し、その抑制のため政策金利が上昇すると債券市場では金利上昇を先読みしている。

 3)留意点は、トランプ次期政権方針の裏の影響「インフレ再加速、金利引上げ」を米国株市場では織り込んでいないこと。   ・半導体・生成人工知能(AI)の成長で関連株価が急騰したが、買い疲れがみられるようになってきた。   ・債券市場では既に金利が上昇しているが、株式相場への織り込みは現在はない。ただ、金利上昇は、値がさのハイテク株にとってマイナス効果が発生すると予想。   ・エヌビディアの決算発表は予想の範囲であり、株高の起爆剤とならず期待外れ。

●3.米国は以前よりもインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)11/21、上海総合+2高、3,370  2)11/22、上海総合▲103安、3,267

●2.中国、太陽発電製造事業の投資指針を発表、過剰生産能力を抑制(ロイター)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)11/21、日経平均▲326円安、38,026円  2)11/22、日経平均+257円高、38,283円

●2.日本株:日経平均の最高値更新のため、高度成長産業に取り組む多くの日本企業を育成

      中間配当金が株高の起爆となるか注目、海外短期筋も買い上がるタイミング

 1)日本株の高株価実現のため、高度成長産業に取り組む多くの日本企業を育成   ・海外投資家の日本株離れが進む    ・世界で多くの機関投資家が運用指標とするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の全世界株指数の中で、日本企業を減らす動きが拡大している。    ・MSCI構成銘柄数は2,487銘柄であるが、日本株は2007年に398銘柄であったが今年11月末には半分以下の191銘柄数に減少している。    ・世界企業の中で、日本企の成長魅力度が低下してきているのが要因である。そのため、日経平均はNYダウの株価に連動しなくなってきている原因になっている。      ・株価指数の推移 2024年1/4    11/22   上昇幅  上昇率        NYダウ    37,440ドル   44,296  +6,856増 +18.3%増        日経平均    33,288円    38,283  +4,995増 +15.0%増

  ・生成AI関連銘柄として注目のフジクラの時価総額は2023年末から5倍を超えた。フジクラのような成長株が続々と現れれば、日本株価の復活が期待できる。      ・フジクラ株価  2024年1/4    11/22  上昇幅   上昇率        フジクラ    1,113円     5,749 +4,636高 +416.5%増

  ・日本株の株高が実現できるような多数の成長企業の育成がカギを握っている。

 2)日経平均は11/22現在、NYダウに比べて「割安」の位置にある   ・米国・日本株の推移  11/1     11/22   上昇幅    上昇率     NYダウ      42,052ドル  44,296  +2,244ドル高 +5.3%高     日経平均      38,053円   38,283  + 229円高  +0.6%高       3)中間配当額8.2兆円のうち12月第1週頃に支払われる4.4兆円が買い余力となるが、その動向に留意したい   ・海外短期筋の先物買いは日経平均が38,000円近辺で行われている。そして40,000円近くになると利益確定売りをするというパターンが見受けられた。今回も38,000円に近くなったため、海外投機筋の買いが入る可能性が高い環境にある。

  ・中間期配当金の株式再投資も期待できる。

  ・例年、年末高を狙った買いが優勢となりやすい。

  ・日経平均はNYダウに比べて「割安」となっている。

  ・このため、今週から日本株は買いが入りやすくなると予想。

●3.政府、防衛産業強化の戦略策定へ、基盤強化・装備輸出推進(共同通信)

●4.キオクシア、12月中旬に上場へ=時価総額7,500億円規模(時事通信)

●5.ラピダス、政府は2,000億円出資へ、2025年の民間投融資の呼び水に(共同通信)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・3182 オイシックス・ラ・大地  業績好調。  ・6561 HANATOUR       業績好調。  ・6965 浜松ホトニクス      業績回復期待。

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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