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百貨店の10月売上、約3年ぶりに前年割れ SCはプラス続く

財経新聞 / 2024年11月26日 9時51分

(c) 123rf

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が10月度の売上高を発表。記録的な高温により衣料品などで秋冬ものが不振となり、百貨店売上は32カ月ぶりに前年同月を下回った。一方でショッピングセンターでは、雑貨や飲食が好調だったことで前年同月比プラスが続いている。

■百貨店は22年3月以来前年同月下回る

 25日、日本百貨店協会が10月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)0.7%減の4,477億4,569万4,000円となり、2022年2月度(0.7%減)以来、32カ月ぶりに前年同月を下回った。

 インバウンド需要やラグジュアリーブランドなどは引き続き好調だったものの、記録的な高温により秋冬もの商材が苦戦して約3年ぶりの前年割れとなった。ただし足元のお節料理やクリスマスケーキの予約は堅調という。

■都市以外の地区は全て前年同月下回る

 大都市では10都市中6都市で前年同月を上回った。その中では大阪(前年同月比:4.2%増、以下同じ)、福岡(4.4%増)でプラス幅が大きめ。反対に前年同月を下回った都市の中では、仙台(5.3%減)、広島(6.2%減)でマイナス幅が大きめだった。

 都市以外の地区別では全て前年同月を下回り、特に近畿(5.1%減)、四国(6.0%減)、九州(5.9%減)と西日本でマイナス幅が大きめだった。

 商品別では前年同月比マイナスな分野が目立ち、紳士服・洋品(8.1%減)、子供服・洋品(6.0%減)、その他衣料品(14.2%減)、その他雑貨(9.2%減)、家具(9.5%減)などでマイナス幅が大きめ。反対に好調だった商品は化粧品(7.9%増)、家電(22.8%増)など一部に留まった。

■ショッピングセンターは前年同月比プラス続く

 同日、日本ショッピングセンター協会が10月度SC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比1.1%増の6,019億3,846万1,000円となり、百貨店とは異なり32カ月連続で前年同月を上回った。

 記録的な高温が続いたことで秋冬ものが不振だったものの、インバウンド需要が好調だったことや、イベント開催による来館客の増加が奏功し、わずかながらも前年同月比プラスを維持した。

 業種別で「雑貨」はキャラクター商品やハロウィン関連が、「飲食」は観光客やイベント参加客により売上が好調。「ファッション」は記録的な高温により売上が鈍かったものの、月後半に気温が下がったことで一部が動き出したという。

■キーテナントが32カ月ぶりに前年同月下回る

 売上のうち、テナントは前年同月比1.5%増の4,714億787万2,000円と、全体同様に32カ月連続で前年同月を上回った。一方、キーテナントは同0.3%減増の1,305億3,058万9,000円となり、百貨店と同じく22年2月度(2.4%減)以来、32カ月ぶりに前年同月を下回った。

 大都市では14都市中11都市で前年同月を上回った。その中では札幌市(前年同月比:4.9%増、以下同じ)、東京区部(3.5%増)、京都市(7.6%増)、大阪市(9.9%増)、神戸市(4.4%増)、福岡市(8.1%増)でプラス幅が大きめ。反対にさいたま市(4.1%減)、千葉市(0.4%減)、川崎市(0.8%減)で前年同月を下回った。

 その他の地域では9地域中4地域で前年同月を上回っている。ただしいずれも1%未満の低い伸び率に留まった。反対に前年同月を下回った地域の中では、北海道(3.0%減)、近畿(2.5%減)、四国(1.7%減)でマイナス幅が大きめだった。

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