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今春のIPOで「公開価格2倍強」でうまれた:光フードサービスの足元

財経新聞 / 2024年12月9日 10時29分

 2024年も、数多くの新規上場企業が登場した。札証から福証までに11月末時点で88社がIPOを果たした。

 光フードサービス(138A、東証グロース、名証ネクスト)もその中の1社。小規模な立ち飲み居酒屋・焼きとん店を「大黒」「魚椿」ブランドで展開している。24年11月期第3期末時点で計60店舗。

 公開人気には凄まじさがあった。11月末までに公開した企業のうち、初値売りをした場合のパフォーマンスはNO1。公開公募価格2660円に対し2月28日の初値は5850円(予想PER62.52倍)、2.2倍弱。IPOは「小さく生まれて大きく育つ」が良好とされるが、大きく生まれた光フードのその後はどうか。

 こと株価動向は、初値直後に6850円(2月29日)まで買われ10月28日の2069円までほぼ調整基調。時価は5800円台半ば。「異常なIPO人気だった」とする見方が、目下の段階では優勢。

 収益動向は2021年11月期「3億200万円営業損失」/22年11月期「4900万円営業黒字」/23年11月期「2億6000万円」という推移は、IPO時点では明らかになっていた。

 そして事実上の公開初決算となる今11月期は「14.3%増収(25億4200万円)、19.0%営業増益(3億1200万円)、11.1%最終増益(2億300万円)、無配当」計画で立ち上がったが、10月11日にそれぞれ「25億3300万円、2億200万円、9900万円、40円配」に修正。

 純益減は「3店舗が入居するビルが建て替え工事に伴い退店。減損損失として1300万円の特損計上」の為であり、致し方ない。「40円配」は好感できる。かつそのほかの下方修正の理由にも頷かされる点が認められる。

 (I)出店計画時期の遅れ⇒新規出店店舗の立ち上がりの遅れ。伴う売上高減少(3800万円)+既存店の人件費負担増で、1400万円の営業利益減。

 (II)自社の新規出店7店舗から10店舗に変更。好立地の物件が見つかった為。500万円の売り上げ増が見込めるが、初期費用増+採用教育費負担が3300万円増。結果営業利益2700万円減。

 (III)食べ放題方式の焼き肉店を(収益改善目的の)アラカルト形式の店舗にリニューアル。売上高1000万円増を見込むが、初期費用1600万円が発生。営業利益1200万円悪化。

 創業者代表:大谷光徳氏はこう語っている。「中学2年の時、近くに安い焼肉チェーンができた。親父が“ボーナスが入ったから”と連れて行ってくれた。生まれて初めの焼肉に感動した。高校時代は地元の焼き肉店でバイトした。その後就職したのが名古屋駅にある老舗の焼き肉店に就職。就職先では肉のことをはじめ、店舗経営、マネジメント、販促、求人、採用、教育を学んだ・・・」。そんな大谷氏、妙に惹かれるものも感じる。

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