赤プリ再開発の「東京ガーデンテラス紀尾井町」、西武HDが米投資ファンドに売却へ
財経新聞 / 2024年12月13日 10時17分
西武ホールディングス(HD)は12日、取締役会を開き、東京都のグランドプリンスホテル赤坂跡地に整備した複合商業施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」(千代田区紀尾井町)を、米投資ファンドのブラックストーンに売却することを決めた。売買価格は約4,000億円。資産効率の低い物件を売って他の不動産に再投資する新方針の一環で、外資系投資会社の国内不動産投資では過去最大の案件になる。
東京ガーデンテラス紀尾井町は、西武グループの西武リアルティソリューションズが保有し、帳簿価格が約1,396億円。西武グループに約2,604億円の譲渡益が出た格好になる。基本協定書などを12日に締結しており、2025年2月末に資産譲渡される。西武グループはアセットマネジメントやホテル運営などの業務をブラックストーンから受託する予定。
東京ガーデンテラス紀尾井町は、「赤プリ」の愛称で親しまれたグランドプリンスホテル赤坂(旧称赤坂プリンスホテル)跡地に、2016年にオープンした。オフィスやホテル、商業施設が入る「紀尾井タワー」と賃貸マンションの「紀尾井レジデンス」の2棟で構成され、延べ床面積が約23万平方メートルになる。
250室のラグジュアリーホテル、結婚式場、カンファレンス会場、30以上の飲食店、135戸の高級住宅などが入り、オフィスフロアにデジタル庁、メットライフ生命やLINEヤフーの本社、中國信託商業銀行東京支店などが入居している。
西武グループはかつて、スキー場開発やホテル運営で「西武王国」と呼ばれる一時代を築いたが、バブル経済の崩壊などで多額の有利子負債を抱え、苦しい経営を余儀なくされていた。
このため、2024年5月に公表した長期戦略で不動産事業に活路を見い出す方針を示し、含み益を重視して長期保有を前提とする事業モデルから、資産効率の低い物件を販売して別の物件に再投資する事業モデルへの転換を打ち出していた。
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