ペットフード・用品で高成長を続けてきたエコートレーディングは、曲がり角を迎えたのか!?
財経新聞 / 2024年12月30日 10時22分
エコートレーディング(7427、東証スタンダード市場)。ペット用のフード・用品の卸し大手。ペットビジネスの専門学校も持つ。
決算状況に、驚かされ迷わされている。今2025年2月予想を含む5期間の推移はこんな具合。21年2月期は「5.2%増収、238.8%営業増益」。「原材料高に伴う仕入れ価格上昇や業界内の競争激化、人件費上昇や物流コスト上昇で」としながらも、「新型コロナウィルスの感染拡大に伴う巣ごもり消費や新規飼育者増加」が勝った結果と説明された。
以降も「22年2月期:7.3%増収、47.7%営業増益/23年2月期:5.5%増収、83.9%営業増益/24年2月期:10.8%増収、100.4%営業増益」。そして今期は「2.4%増収(1100億円)、2.0%営業増益(17億5400万円)」と小幅ながらも「増収・増益」計画で立ち上がった。
が10月9日、迷いを覚えさせる「配当増配修正」を発表。5円減配28円配予想を3円減配予想30円配に上方修正。こうした動きを最新版四季報は業績欄の見出し、【一歩後退】で反映している。
エコートレーディングでは、こう発信した。「25年2月期第2四半期が期初予想を下回る(前年同期比0.4%減収、18.9%営業減益)ことになったため。内部留保確保と安定した利益配分を基本姿勢としていることから今回の措置に」。ちなみに、通期計画は据え置いた。今期のここからの、今後の動向をどう読むべきか。難しさを感じる。
ペット市場の現状に、何か変化の兆候は見られるのか。
総合マーケティングビジネスを展開する富士経済の、「ペットフード・用品の国内市場」と題する以下のようなレポートに出会った。
★「微増の推移が見込まれる。26年ドッグフード市場は23年比4.5%増の1038億円、キャットフード市場は6・7%増の1971億円」。
★「小型犬やシニア犬の飼育数は増加も、大型犬・中型犬の飼育数が減少になる」。
★「猫は総じて高齢化社会の進捗で、(散歩が必要ない)ことから飼育数の増加傾向は続こう。が、現状では円安傾向が輸入(ブランド)猫のネックとなっている」。
高齢化社会の本格化や円安基調が総じて「微増」状況の要因。頷かされる指摘といえる。
本稿作成中のエコートレーディングの株価は900円トビ台。年初来高値1516円(1月5日)に比べ4割方下値にある。予想税引き後配当利回り2.7%弱は魅力だが、予想PER4倍余は市場人気の低下を示している。
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