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相場展望1月9日号 米国株: インフレ再燃⇒長期金利上昇⇒株価警戒が根強くなっている 日本株: NYダウに比べ「割高感」、次世代自動運転車でトヨタに注目

財経新聞 / 2025年1月9日 13時18分

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)1/6、NYダウ▲25ドル安、42,706ドル  2)1/7、NYダウ▲178ドル安、42,528ドル  3)1/8、NYダウ+106ドル高、42,635ドル

●2.米国株 : インフレ再燃⇒長期金利上昇⇒株価警戒が根強くなっている

 1)米国株は方向感を欠く   ・1/6は、ハイテク株を中心に上昇。    1/7は、ハイテク中心に売り。    1/8は、ハイテクは小幅に続落した。   ・方向感のなさは、1/10発表の雇用統計の結果を見極めたいという雰囲気が強いため。   ・ただ、金利が上昇しており、株式の相対的な割高感が増しているため要注意。

 2)インフレ懸念で長期金利が上昇   ・トランプ次期政権の政策が、インフレを招くとの受け止め方が増えている。FRB理事のなかでも、利上げ賛成派の意見が次第に小さくなってきている。また、財政赤字が増えそうだとの見方も強くなって、米国財務省の債券入札が低調になってきている。   ・このことから、米国債券市場で金利が上昇。1/8に長期金利が10年物で4.73%まで高くなる局面があった。

 3)インフレ再燃⇒長期金利上昇⇒株価警戒が根強くなっている   ・米国経済は堅調であり、雇用はやや鈍化がみられるものの、株式相場に安定感が継続している。   ・ただ、市場金利の金利も高水準に付けており、今後の金利状況に注視したい。

●3.トランプ次期大統領、NATO加盟国に国防費を「GDP比で現在目標2%⇒5%に」(TBS)

●4.米国求人件数、11月は予想上回る増加、採用減は労働市場の減速示唆(ロイター)

 1)求人件数が+25.9万人増の809.8万件、予想は770万人だった。  2)採用件数は▲12.5万件減少し、526.9万件だった。専門・ビジネスサービスと製造業で大幅に減少、採用率は3.3%と前月3.4%から低下した。  3)FRBが利下げを急ぐ必要がないペースで労働市場が減速し続けていることを示唆。

●5.米国12月ISM非製造業総合指数は54.1に上昇、投入価格2年ぶり高水準(ロイター)

 1)予想は53.3、11月は52.1だった。  2)需要の増加に伴い、投入コストが上昇。投入価格指数は11月の58.2から12月は64.4に急上昇し、2023年2月以来約2年ぶりの高水準となった。これはインフレの上昇を示しており、米国連邦準備理事会(FRB)による今年の利下げ幅予想の縮小と一致している。

●6.トランプ次期大統領、グリーンランド買収拒否されデンマークに関税示す(共同通信)

●7.バーFRB金融監督担当副議長、辞任表明、理事は継続(Quick Money)

●8.トランプ氏、米国沖合の石油・ガス開発禁止の撤回へ、大統領就任初日にも(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)1/6、上海総合▲4安、3,206   2)1/7、上海総合+22高、3,229  3)1/8、上海総合+0.52高、3,230

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)1/6、日経平均▲587円安、39,307円  2)1/7、日経平均+776円高、40,083円  3)1/8、日経平均▲102円安、39,981円

●2.日本株 : NYダウに比べ「割高感」、次世代自動運転のトヨタに注目

 1)日経平均は、NYダウと比べて「割高感」   ・日経平均は1/7に+776円高と終値で40,083円を付けた。日経平均が40,000円台を付けたため、NYダウの方向感のなさもあり、割高感な位置にある。このため、海外短期筋の売り攻勢にさらされやすくなっている。   ・NYダウの高値志向が強まらない限り、日経平均の軟調が続くと思われる。

 2)トヨタ、エヌビディアと提携強化し次世代自動運転車の開発加速   ・トヨタが次世代自動運転車分野で優位性を確保できる可能性が増した。   ・エヌビディアが開発している画像処理半導体の生産は、台湾TSMCが行っている。   ・トヨタは、画像処理で最先端企業と2ナノで先頭を行くTSMCとの組み合わせは現在考えられる最強の企業集団といえる。ホンダ、日産自と比べ、抜きんでいると思われる。今後のトヨタに注目したい。

●3.11月実質賃金▲0.3%減、4ヵ月連続マイナス、物価の伸びが上回る=毎月勤労統計(ロイター)

 1)賃上げ効果や冬のボーナス支給が一部で始まり名目賃金を押し上げたが、電気・ガス・補助金の終了などで物価の上昇ペースのほうが上回った。  2)11月は消費者物価指数が10月の2.6%増から3.4%増に加速し、実質賃金を下押しした。

●4.ルネサス、数百人規模の人員削減へ、半導体市況低迷・定昇も見送り(時事通信)

●5.トヨタ、宇宙ベンチャーのインターステラと提携、70億円出資・取締役も派遣(ロイター)

●6.ラピダス、「2ナノ世代」の半導体を4月から試作品の製造開始へ(NHK)

 1)2ナノ半導体を巡っては、今年に台湾のTSMCと韓国のサムスン電子が量産開始を予定しているほか、米国のインテルも同クラスの半導体の量産を始めるとしていて競争に拍車がかかる見込みです。  2)ラピダスにとっても量産技術の確立が急がれるが、まずは試作ラインの稼働を軌道に乗せられるかが焦点になる。

●7.富士通、富士通ゼネラルをパロマ・リームに売却へ(NHK)

 1)富士通は、ITやAIの関連事業に経営資源を集中し、事業の拡大を目指す方針。  2)パロマ側は、今年7月上旬をめどに株式の公開買付などで、完全子会社化する。買収額は、約2,500億円になる見通し。

●8.三井住友銀行、初任給を30万円に引上げ、来年4月から(HNK)

●9.スーパーの再編加速か、米国ファンド・KKRが「西友」の売却を検討、イオンが関心示す(TBS)

 1)西友は国内におよそ240店舗を構えているが、昨年、北海道の店舗をイオンに、九州の店舗を地元のスーパーに売却している。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・ 6594 ニデック      業績向上。    ・ 6955 FDK        業績向上。   ・ 8113 ユニ・チャーム   株価底入れ期待。

執筆者プロフィール

中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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