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トヨタがROE20%目標か その意義と日本株に与える影響は?

財経新聞 / 2025年1月11日 9時43分

(c) 123rf

●トヨタがROEの目標を2倍の20%へ

 トヨタ自動車が、自己資本比利益率(ROE)の目標を、現在の約2倍となる20%にする目標を掲げると、日経新聞が報じた。

 報道を受け、トヨタ側は具体的な目標や達成期限はないとしているが、トヨタ幹部はかつて、世界で勝つためにはROE20%程度を安定して出さないといけないと発言していた。2030年頃を想定していると見られている。

 報道があった2024年12月25日から、トヨタの株価は2日間で約11%上昇し、事業モデルの革新や株主還元の積極化などへの期待は大きい。

 トヨタがROE20%実現へ本気で取り組むのであれば、日本企業そして日本株全体へも世界からの大きな期待が高まる。

●ROEとは?

 ROEは、自己資本利益率とも言い、株主が出資したお金で企業がどれだけの収益をあげたかを数値化したものだ。企業がどれだけ効率的に稼いでいるか、自己資本に対してどれだけの利益を上げているかを示す。

 当期純利益÷自己資本×100で計算される。ROE=PBR÷PERで求めることもできる。

 ROEが高ければ、効率的に稼いでいる会社で、10%を超えれば優良企業と言われている。

 日本株のROEは8%台で伸び悩んできた。トヨタのROEは2024年3月期の連結決算では15.81%であり、2025年3月期は約11%と予想されている。

 米国S&P500は平均で20%台を超えており、日本企業の倍近くのROEである。

●日本株にとって明るい材料

 日本企業の時価総額トップであるトヨタが、ROE20%を目標に掲げる意味は大きい。

 ROEはPBR(株価純資産倍率)と比例する。PBR1倍割れ企業がまだまだ多い日本にとって、売上高利益率の低さや内部留保の多さは、失われた30年の長年の課題でもあった。

 株価の割安さが是正され、過去最高の日経平均4万円を記録し、賃金が上昇するなど、日本経済が一時の泥沼を脱出したようには見えるが、まだまだ米国には大きく後れを取っており、GDPも伸び悩んでいる。

 トヨタのROE20%目標が達成出来れば、他の企業にも波及することが期待され、日経平均のさらなる上昇も期待されるだろう。

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