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「子犬の恋」とは?犬にまつわる英語イディオム (8)

財経新聞 / 2025年1月20日 16時4分

 犬に関連した表現は英語においてよく見られ、感情や状況を表現するために比喩的に使用されることが多い。今回はそんな表現の1つ、「puppy love」について、その成り立ちや変遷を詳しく見ていこう。

■Puppy Loveとは?

 「puppy love」とは、子犬の恋や愛といった意味ではなく、おもに子供や思春期の若者が抱く一時的な恋愛感情を指す表現だ。

 青春時代特有の強くも儚い恋心といった感じだろうか。アイドルや有名人への一方的な憧れを指す場合もある。一途で純粋な想いという一面もあるが、長続きしない儚さも含んでいる。

 こうした恋愛感情は、見た目などの表面的な魅力に惹かれた結果として生じることが多いため、周囲の大人からは軽いものとして扱われることもよくあることだ。実際、若さと未熟さを象徴する言葉として「puppy love」が使われることもある。

 ではなぜ、そうした恋愛感情に「puppy」という言葉が選ばれたのだろうか。それは、子犬が飼い主に示す「無条件の愛情」が投影されている。

■Puppy Loveの語源と使用例

 19世紀、ペットとしての犬の飼育が一般的になっていくなかで、子犬が飼い主に対して見せる従順で愛らしい忠誠心が注目された。そこから、子犬が無条件に飼い主を慕い、その存在に対して愛情を示す様子を「puppy love」と呼ぶようになったのだ。

 このように、「puppy love」は、最初は文字通り子犬の示す愛情や忠誠心を示す表現だった。その後その無垢で一途な性質が、人間の若者が抱く恋愛感情と重ね合わせられた結果、比喩的な意味で使われるようになったと考えられる。

 また「puppy」という言葉自体に、愛らしさや未熟さを象徴するニュアンスがあることから、若者の恋愛感情を表現するのに適していると考えられたのだろう。

 その後、「puppy love」という表現は文学や音楽の分野でも頻繁に用いられるようになった。特に有名な例の1つが、1960年にリリースされたポール・アンカの楽曲「Puppy Love」だ。

 この曲では、若い恋人たちの純粋な恋心が、周囲から軽視される様子と、それに抗おうとする主人公の心情が描かれている。この楽曲はアメリカやイギリスを中心に大ヒットし、「puppy love」というフレーズを広く浸透させるきっかけとなった。

 なお今では、このイディオムが子犬そのものの愛情を指して使われることは、ほとんどなくなった。もっぱら子供や若者の恋愛感情を表現する定型表現として定着している。

 使用例  ・Her feelings for him were just puppy love, but they felt so real to her at the time.  (彼女の彼への想いは一時的な淡い恋心に過ぎなかったが、その時の彼女にはとても真実味があるものに感じられた)

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