調剤薬局の合理化と利用者に優しい、くすりの窓口の足元
財経新聞 / 2025年1月24日 15時41分
くすりの窓口(5592、東証グロース市場)。調剤薬局の検索・予約メディアが発祥。現在の主たる事業は次の2本柱。
『メディア事業』: 調剤薬局・(調剤薬局付随の)ドラッグストアの検索サイト/アプリの運営。
患者が医療機関から受け取った処方箋をサイト/アプリ経由で指定した薬局に送ることで、処方箋薬の受け取り予約ができる。患者側は待ち時間の短縮につなげる。
電子お薬手帳アプリ(EPARKお薬手帳)、患者自らが処方箋を読み取り処方医薬品の情報を登録できる。飲み忘れ防止のアラーム発信機能や、血圧・体温の登録などPHR(個人情報)管理機能もある。くすりの窓口と契約のある薬局なら、薬局側で処方した医薬品の情報を自動で患者のお薬手帳に登録できる。
昼間の時間帯に勤務先近くの医療機関を受診し発行された処方箋を、帰宅中の調剤薬局にあらかじめ送付しておき処方箋薬受け取れる。「診療 - 処方箋 - 近場の薬局 - 待ち時間を経て - 処方薬の受け取り」といった通常?のスタイルを崩し、便利さを享受することが可能になる。
『みんなのお薬箱事業』: 大雑把に言うと、「余った医薬品を売りたい契約薬局」と「医薬品を安く買いたい契約薬局」のマッチング。噛み砕くと・・・AIを活用した在庫管理システム(契約薬局の需要予測/在庫管理・棚卸状況の把握システム)を活かした、売り買いマッチング。価格交渉の任も担う。薬局にとってはコスト削減の最大化につながる。
くすりの窓口は2023年1月4日に上場。公開価格1700円に対し初値は1580円。小さく生まれた。アナリスト達の味方は「業態の動向・展開が読み切れなかった」で、ほぼ一致している。
しかし需要を伴うビジネスであったことは、収益動向に見て取れる。
上場直後の2023年3月期は「14.4%増収、46.9%営業増益」。次いで24年3月期は上方修正を経て「17.5%増収、20.5%営業増益」、今3月期も昨年12月8日時点で上方修正。「20.4%増収(105億円)、21.24%営業増益(16億6100万円)、15.4円配」計画。
くすりの窓口では事業環境を「メディア事業の処方箋ネットワーク受付の認知度向上による予約件数の増加、みんなのお薬箱事業の開拓推進による医薬品流通金額の増加・・・」と、前向き捉えている。そして新規顧客地盤の拡充に備え、チェーン店の新規合弁といった施策も積極的に打っている。
本稿作成中の時価は1000円台半ば。昨年来高値1763円(昨年1月)から安値1002円(8月)まで調整し、戻り基調。じっくりと構えてみたい、状況と見るが・・・
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