混迷深まるフランス大統領選挙-極右対極左の決選の可能性も浮上

ZUU online / 2017年4月19日 19時50分

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混迷深まるフランス大統領選挙-極右対極左の決選の可能性も浮上(写真=Thinkstock/GettyImages) (ZUU online)

■要旨

1.今月23日に第1回投票が迫るフランス大統領選挙の混迷の様相が深まっている。

2.5月7日の第2回投票(決選投票)は、中道のマクロン候補と極右の国民戦線のルペン候補の対決となりマクロン氏が勝利する見通しだ。しかし、左翼党のメランション候補の支持の急伸で、極右対極左の決選の可能性が浮上するなど、結果は予断を許さない。

3.主要な候補者の公約は結果を占う上でも、経済や金融市場に及ぼす影響を考える上でも重要だ。ルペン対マクロンの決選投票は「愛国主義対グローバリズム」という対立軸が強調されるおそれがある。都市対農村、エリート対非エリートの様相もあるが、世代間の対立という傾向は強くはない。年齢層による濃淡ないことはマクロン氏の強みだ。

4.市場は、愛国主義とEUやユーロの離脱を掲げるルペン大統領の誕生を警戒しているが、法と議会が壁となるため、公約を直ちに、そのままの形で実現することは難しい。

5.「EUの残留か離脱かを問う国民投票」のカードをちらつかせながら、EUにフランスに有利な条件を引き出すことを、当面の目標とするだろう。ドイツとともに統合の枠組み作りを担ってきたフランスが、次々とEUの政策に反旗を翻し、主権の奪還を求めるような事態となれば、EUは立ち行かなくなるおそれがある。

6.トランプ氏の勝利後の株高、ドル高、金利高というトランプ・ラリーのようなルペン・ラリーはあり得ない。世界や日本の経済への持続的な影響もないだろう。

■異例ずくめの展開続く。極右対極左の決選の可能性も浮上

フランス大統領選挙は、これまで異例ずくめの展開が続いてきたが、今月23日の第1回投票を前に、混迷の様相が益々深まっている。

第1回投票で過半数を超える候補者が現れなかった場合、上位2名で争われる5月7日の第2回投票が、極右対極左の決選となる可能性まで浮上してきた。昨年12月の右派の予備選直後は最有力候補と見られながら、妻や子への議員秘書としての給与の不正支給疑惑で伸び悩んでいた右派の統一候補・フィヨン候補が失速。その後は、極右・国民戦線の党首・マリーヌ・ルペン候補と前経済産業デジタル相で中道のエマニュエル・マクロン候補の決選になると想定されていた。今も、トップがルペン氏、第2位がマクロン氏と上位2名の顔ぶれは変わっていないが、4月4日の第2回テレビ討論以降、微妙に風向きが変わり、ともに勢いは鈍っている。

台風の目となっているのは、2008年に社会党を離党した左翼党・党首で共産党の支持を受けるメランション候補だ。3月半ばまでは支持率で5番目の候補だったが、以後、急伸し、IfopとFIDUCIAL(以下、特記しない限り調査データは同社のもの)の第1回投票に関する最新の世論調査では支持率19%でフィヨン氏と並んだ。

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