相続税対策としての貸家建設に一服感か 不動産業向けの新規融資額がマイナスに

ZUU online / 2017年8月19日 14時50分

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相続税対策としての貸家建設に一服感か 不動産業向けの新規融資額がマイナスに(写真=PIXTA) ((ZUU online))

相続税対策のために続いていた、所有している土地への賃貸アパートの建築ラッシュに一服感が出てきた。日銀が2017年8月10日に発表した同年4~6月期の業種別貸し出し動向によると、不動産業向けの新規融資額が2015年10~12月期以来1年半ぶりに減少した。このうち、アパートローンの新規融資額は特に減少幅が急拡大している。国内の人口減少傾向に反して、賃貸アパートが増加するという動きには、社会問題化している空き家増加を加速させたり、既存の不動産の価値を崩壊させたりしかねないという指摘もあるため、今後も注視し続ける必要がありそうだ。

■融資額も着工数も減少

日銀の発表によると、今年4~6月期の不動産業向けの新規融資額は銀行・信用金庫の合計で前年同期比5.3%減の2兆9781億円だった。減少は2015年10~12月期以来、1年半ぶりとなった。このうち、アパートローンの新規融資額は13.3%減の8619億円。2017年1~3月期にすでに前年同期比で小幅のマイナスに転じていたが、今回は減少幅が2ケタ台に突入した。

これを裏付けるように、国土交通省が発表した今年6月の住宅着工統計では、貸家は前年同月比で2.6%減となった。2016年の新設住宅の戸数は96万7237戸で、前年比で6.4%アップしていた。このうち貸家は同10.5%も増えていただけに、大きな変化といえる。

■アパ-ト建築が節税対策になる理由

なぜ土地持ちにとってアパート建築が相続税対策となるのか。それは、更地で相続するより、建物付きの方が評価額を下げることができるからだ。

貸家建付地の相続税評価は、更地の評価額から借地権割合と借家権割合を乗じたものを控除できる。たとえば1億円の土地で、借地権割合50%、借家権割合40%だと、1億円×(100%-50%×40%)=8000万円が評価額となる。

これに加え、建物については借地権割合分の減額が認められるため、6000万円でアパートを建て、固定資産税評価額を3000万円とすると、アパートの相続税評価額は3000万円×(100%-40%)=1800万円となる。

こうなると、本来は土地と建物で計1億6000万円だったのが、8000万円+1800万円=9800万円に減ることになる。おまけに、アパートの建築資金を全額ローンでまかなった場合、その借入金も控除できてしまうので、最終的な評価額は9800万円-6000万円=3800万円となるのだ。

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