潜在成長率が上昇するなかで実際の成長率がそれを上回っていくスイートスポット

ZUU online / 2017年11月15日 11時40分

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潜在成長率が上昇するなかで実際の成長率がそれを上回っていくスイートスポット(写真=PIXTA) (ZUU online)

シンカー:日本経済は、潜在成長率が上昇するなかで、実際の成長率がそれを上回っていく、スイートスポットに入った可能性がある。景気拡大の初期はインプット、後期には生産性で、潜在成長率は上昇していくことになる。完全雇用と需要超過の中で、生産性の改善を目指す投資活動が強くなった時に、労働者がラーニングカーブを登るとともに、生産性の向上により潜在成長率が更に上昇し、経済成長率が持続的に強くなる好循環が生まれるという経験則がある。その局面で、賃金も著しく上昇し、家計にも景気拡大の実感が生まれ、デフレ完全脱却を達成することになろう。ようやく完全雇用と需要超過になったところで、財政を緊縮にしてしまうと、好循環に入れぬまま、景気がピークアウトしてしまうリスクが大きくなる。生産性の強い向上がまだ確認できていない現在は経済成長率が持続的に強くなる好循環にはまだ入っていない景気拡大の初期であり、企業の投資活動が強くなり生産性の著しい改善が確認されるまで、経済政策を拙速に引き締めてはいけないことを示している。「完全雇用=財政緊縮がすぐに必要」ということにはならない。リフレ政策による総需要の拡大策が継続されれば、今後、生産性の改善を目指す投資活動による資本の蓄積とともに、生産性の改善による潜在成長率の上昇という本格的な日本経済の回復が確認されてくるだろう。その局面で、賃金も著しく上昇し、家計にも景気拡大の実感が生まれ、デフレ完全脱却を達成することになろう。

7-9月期の実質GDPは前期比+0.3%(年率+1.4%)となった。

4-6月期の同+0.6%(年率+2.6%)の後としては、強い成長であると言える。

7四半期連続のプラス成長となり、この間の平均成長スピードは年率1.7%となり、潜在成長率を明確に上回っている。

内閣府の潜在成長率の推計では、アベノミクス前の+0.8%程度から+1.0%程度へ、しっかり上昇していることが確認された。

足元の成長スピードは更に上を行っているため、トレンドが大きな影響を及ぼす潜在成長率の推計値は、2018年には1%を上回っていく可能性が高い。

潜在成長率上昇の背景には、労働投入量の寄与度が-0.1%から+0.3%へ改善し、少子高齢化と景気低迷などにより労働投入量の寄与はマイナスが続いてきたが、1990年4-6月期以来のプラスに転じ、アベノミクスの成長戦略の柱である女性・高齢者・若年層の雇用拡大の寄与がかなり大きいことがある。

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