最近の人民元と今後の展開(2017年12月号)

ZUU online / 2017年12月4日 20時10分

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最近の人民元と今後の展開(2017年12月号)(画像=PIXTA) (ZUU online)

■要旨

11月の人民元レート(スポット・オファー、中国外貨取引センター)は米ドルに対して小幅な上昇となった。11月は初旬から日本円やユーロが米ドルに対して上昇したが、人民元の動意は薄く中旬までは1米ドル=6.6元台前半で推移した。その後、日本円やユーロが一段高になると、23日には人民元も連れ高、一時は同6.5元台に突入する場面もあった。しかし、翌日には同6.6元台に押し戻され、11月末は前月末比0.3%上昇の同6.6160元で取引を終えた。

18年3月末に向けての人民元レートは、米中の長期金利差は縮小しないと見て、引き続き米ドルに対してボックス圏でほぼ横ばいの動きと予想、想定レンジも1米ドル=6.55~6.9元(1元=16.3~17.4円)を維持することとした。なお、想定レンジの上下限を突破するリスク要因としては引き続きユーロドルの急伸に注意する必要がある。

■11月の人民元の動き

11月の人民元レート(スポット・オファー、中国外貨取引センター)は米ドルに対して小幅な上昇となった。11月は初旬から日本円やユーロが米ドルに対して上昇したが、人民元の動意は薄く中旬までは1米ドル=6.6元台前半で推移した。その後、日本円やユーロが一段高になると、23日には人民元も連れ高、一時は同6.5元台に突入する場面もあった。しかし、翌日には同6.6元台に押し戻され、11月末は前月末比0.3%上昇の同6.6160元で取引を終えた。

他方、世界の外為市場の動きを見ると、11月はそれまでの米ドル全面高に修正が入った。主要通貨ではユーロが前月末比2.4%上昇、日本円が同1.5%上昇した。また、新興国通貨でもマレーシア(リンギット)が同3.5%上昇、韓国(ウォン)が同2.9%上昇、タイ(バーツ)が同1.7%上昇するなど米ドルに対し上昇した通貨が多かった。なお、11月は人民元が米ドルに対して上昇したものの、日本円はそれ以上に上昇したため、日本円に対する人民元レートは100日本円=5.9104元(1元=16.92円)と前月末比1.0%の元安・円高となった。

■今後の展開

さて、18年3月末に向けての人民元レートは、引き続き米ドルに対してボックス圏でほぼ横ばいの動きと予想、想定レンジも1米ドル=6.55~6.9元(1元=16.3~17.4円)を維持することとした。

今回の予想期間内を考えると、米国では連邦法人税率、海外所得課税、個人所得税などに関する上下両院の調整が進みそうであり、中国では12月に中央経済工作会議、2月に第19期2中全会、3月に全国人民代表大会(国会に相当)が開催される見込みであり18年の経済運営方針が見えてくるだろう。また、ここもとの米中の経済金融の動きを見ると、中国政府(含む中国人民銀行)は16年秋以降、住宅価格上昇の抑制に乗り出したため、景気指標の一部には陰りが見え始めた。しかし、17年1-9月期の実質成長率が17年目標(6.5%前後)を大幅に上回るなど景気の勢いは想定以上に強く、住宅価格上昇が地方都市に波及し始めたことから、予想期間内に基準金利の引き上げがあると想定している。他方、米国では景気拡大が持続しており、12月にも追加利上げがあると想定している。米国では利上げが近付いたことで国債(10年)金利がじわじわ上昇している。しかし、中国でも金融引き締め観測(*1)を背景に国債(10年)金利が4%前後まで上昇、米中の長期金利差は縮まっていない。従って、その前提を覆すような大きな波乱が起きない限り、米ドルに対する人民元レートはボックス圏でほぼ横ばいの値動きが続くと予想している。

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