仮想通貨Bancor Protocol 超国家通貨を基盤とする「新たな価格決定アプローチ」

ZUU online / 2018年2月14日 12時10分

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仮想通貨Bancor Protocol 超国家通貨を基盤とする「新たな価格決定アプローチ」(画像=Pushish Images/Shutterstock.com) ((ZUU online))

「Bancor Protocol(バンコール・プロトコル)」が2017年6月、イーサリアム(Ethereum)のネイティブトークンETHを用いたICOにおいて、開始からわずか数時間で1.53億ドルという記録的な資金を調達した。

ICOで最も利用されている標準的なイーサリアム・トークン「ERC20」と交換可能な「スマートトークン」を用いて、様々なトークンを簡単に交換できるように作られているのが特徴で、自動で価格調整も行う。「超国家的通貨」の理論にインスパイアされたという「新たな価格決定アプローチ」の核心に迫ってみよう。

■マクロ経済学の生みの親が提案した超国家通貨「Bancor」

Bancor Protocolの基盤となった「Bancor」とは、1940年代初頭に次の二人の経済学者によって提案された超国家的通貨だ。一人はマクロ経済学の提唱者であり、「20世紀における最も重要な人物の一人」とされるイギリスの経済学者、ジョン・メイナード・ケインズ男爵。もう一人は、そのケインズ男爵に師事していたドイツ生まれでイギリス国籍の経済学者エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー氏だ。

「Bancor」は、第二次世界大戦後、混乱に陥っていた国際経済市場の安定化を図る目的で発案された。提案書の中では、「全世界共通の通貨で決済を行う、国際清算連合(ICU)」の設立が提案されている。この共通通貨の仮名が「Bancor」と名付けられた。

「Bancor」は、世界共通の資産価値を持つ「金(ゴールド)に匹敵する」もので、「イギリス連邦(British Commonwealth)、アメリカ合衆国及びICU加盟国間で取引される」ことを想定したものだ。そして、すべての取引は、各加盟国が所有するICUの専用口座を通して行われる。

Bancor取引では各国に借方残高の上限が設けられており、これは一部の例外を除いて、過去3年間における輸入量・輸出量に基づいて算出される。公平性を保つために、加重平均値を考慮に入れ、上限の見直しが毎年実施される。

各四半期ごとに残高が検証され、超過赤字・黒字分には年間1%の利子を支払う義務が生じる。ICUから融資を受けることも可能だが、輸入量が輸出量を超えた場合にのみ許可される。このように各国のBancor口座の残高を調節することで、国際経済の安定化を合理的に図ることが期待できる。

ただし、通貨とはいうものの、本来の目的が「国際経済の安定」であるため、個人・企業間による所有や取引、貯蓄は許可されていない。国家間決済システムを通した国際貿易収支調節の目的に用いるなど、あくまで「国際的な会計帳簿の単位」となる想定である。

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