アリペイに日本が学ぶべきこと、信用スコアの可能性と課題――アリババ日本代表ら登壇のイベント

ZUU online / 2019年3月2日 12時5分

信用スコアは誰のものか

若林氏は、企業による個人データの利活用はクレカ会社などもやっているとして、「要は新しい問題ではない」と指摘。「学校の成績は個人のものか学校のものかという議論がある。『自分のデータ(成績)を自分のもの(適切に評価されたもの)と認めない』という人もいるはずだ。(企業も従業員を評価することから)企業在籍時のデータは企業のものか従業員のものかという点については、GDPRの原則では個人のものであり、データポータビリティの原則から活用できるはずだが、果たして信用スコアはどうなのか。複数のスコアリング事業者ができた時にどういう取り扱いになるのか」といった疑問を提示した。

山本教授は、スコアについては利用目的や範囲を限定すれば、従来と(運用や課題は)変わらない部分があると指摘。しかし、高いスコアを得た人はどんどん使いたくなるので、事実上スコアが広がっていく可能性があると話した。

佐藤弁護士は、個人データの利活用の延長におけるリスクとして、Facebookの情報漏えいの問題を例にとり、「あの事件によって、個人情報保護の重要性についての社会の認識が劇的に上がった気がする、つまり、最も怖いことはデータが政治利用されることと、初めて具体的に認識したと思う」と話すと、山本教授は、Tカード情報が裁判所の令状なしに捜査当局に提供されていると報じられたニュースを引き合いに、(これが事実だとすると)事実上の官民共有が行われる可能性もゼロではないと指摘した。

高い利便性などのメリットや、企業や行政による個人の監視といったデメリットに目が行きがちだが、その他にも議論すべきポイントが多く存在することを示唆したセッションとなった。

「お金のパーソナルトレーニング」のブーキー、「CFOコンシェルジュ」のビズバルも登壇

このほかのセッションでは、「インディアスタックと21世紀のビジネスインフラ」と題して、経済産業省の瀧島勇樹氏が「インディアスタック」と呼ばれるインドのデジタル・インフラについて解説。「公共インフラとしてのデジタルプラットフォーム」とのセッションでは、瀧島氏と岩田太地・NECフィンテック推進室長が議論を交わした。

各セッションの間には、WeWorkに入居しているスタートアップ企業がプレゼン。お金のパーソナルトレーニングを提供している株式会社bookee (ブーキー)の児玉隆洋社長と、CFOコンシェルジュサービスを始めた株式会社BIZVAL(ビズバル)の中田隆三社長が登壇し、各社のビジネス概要やWeWorkの良さを紹介していた。

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