英国はいつ、どのようにEUを離脱するのか、しないのか?

ZUU online / 2019年3月26日 20時20分

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英国はいつ、どのようにEUを離脱するのか、しないのか?(画像=PIXTA)

■要旨

3月21日のEU首脳会議では、4月12日までなら無条件、3月29日までに離脱協定案が可決した場合は5月22日までの離脱期限延期を決めた。

EUは、3月29日の合意なき離脱の引き金を引くことは望まないが、EUの立法プロセスの正当性が損なわれ、EUの制度を危険に晒すつもりはないとの意志を示した。

英国のEU離脱は、5月22日なら合意あり、4月12日なら合意なし、長期延長の場合には、撤回の可能性は高くなる。

英議会では、3月25日にも政府方針が示され、3度目の離脱協定の採決や修正動議で下院の過半数が支持する代替案を探る動きが出てくる見通しだ。

これまで最も確率が高いと考えてきた「合意あり離脱」は、離脱期限延期の責任を議員に負わせるメイ首相の声明の影響もあり、確率が低下している。それでも、議会に主導権が移ることを嫌う強硬離脱派が、メイ首相の進退と引き換えに支持に回り、過半数を確保する可能性は残る。協定案が否決、議会が主導権を握った場合には、「ノルウェー・プラス」などへの将来関係のソフト化に舵を切る可能性が出てくる。

「合意なき離脱」が偶発的に生じるリスクは期限延長要請前よりも高まっており、長期延期の場合にも起こり得る。

「合意あり離脱」でも不確実性は消えず、「合意なき離脱」は問題の解決策にも終着点にもなり得ない。有力なシナリオではないものの、EU離脱が困難なプロセスであるという真実を明らかにした上で改めて民意を問うべき局面を迎えているように思われる。

■EUの判断―合意なき離脱の引き金は引かないが、EUの制度を危険に晒さない―

3月21日のEU首脳会議で、英国時間3月29日午後23時に予定されていた英国の欧州連合(EU)離脱の期限延期を全会一致で承認した。

英国のEU離脱の手続きは、EUの基本条約第50条に基づいて進められており、期限延期は第50条3項に規定されている。

メイ首相は、首脳会議前日の20日にEU首脳会議のトゥスク常任議長(通称「EU大統領」)への書簡(1)で6月末までの期限延期を求めたが、EUが「無条件の期限延期」を認めたのは4月12日まで、協定が承認を条件とする関連法案整備のための「テクニカルな期限延期」の場合は5月22日までと、英国の要請よりも短いものだった。

EU側が設定した期限は5月23~26日に予定される5年に1度の欧州議会選挙の日程を踏まえたものだ。EUは、欧州議会選挙に向けて、3月29日に離脱する英国を除く新たな議席配分(2)を決めるなど準備を進めてきた。法的には、英国が加盟国として残留していながら、欧州議会選挙に参加しなければ、EUの立法プロセスの正当性を損なう、つまりEUの制度を危険にさらすおそれがあった。

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