ついに命運尽きたか?大人気の節税スキーム経営者保険の今後

ZUU online / 2019年5月11日 15時50分

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(写真= designer491/Shutterstock.com)

中小企業オーナーの人気を集めていた節税商品、いわゆる「経営者保険」が、2019年2月に国税当局が課税上の取り扱い変更を生保各社に通知、事実上の「強制終了」が下されたようです。

この記事では、経営者保険(正式名称「一定期間災害保障重視型定期保険」)になぜ企業オーナーたちの加入が殺到したのか、なぜ国税当局はダメ出ししたのかについて、一連の経緯を辿っています。あわせて、節税保険商品は今後、どうようになるのかについても検証します。

■火付け役は日本生命

今回の火付け役は、日本生命が2017年4月に発売したプラチナフェニックスです。日生はこの商品を税理士を通じて顧問先企業に拡販します。

「支払い保険料が全額損金で落とせる保険商品で、税金対策で頭の痛い経営者の皆様にも大変好評です」

そんなうたい文句に、多くの中小企業オーナーがこぞって飛びつきました。もう1つの武器は返戻率です。解約返戻金は契約後5~10年で9割に達し、節税効果分も含めれば返戻率は100%を超えます。この返戻率を日生は「参考返戻率」と呼び勧誘を拡げます。

業界トップの日生が節税商品に走ったことで、競合他社も一斉に追随し、2017年には市場規模が8,000億円にまで膨らみました。

販売競争に打ち勝とうと、生保各社は高めの手数料を設定、代理店はこぞって飛び乗りました。保険会社の中には保険料の8割を手数料に割いたところもあるそうです。

■国税当局が下した見解とは

過熱気味の販売競争に冷水を浴びせかけたのは課税当局です。

2月13日には生保41社を国税庁が招集し、保険料に関する税務上の取り扱いについて新指針を公表しました。具体的には逓増定期保険等に適用していた損金算入ルールを廃止、返戻率50%を超える保険商品への新ルール適用、返戻率に応じた損金算入割合の設定の3つです。

ここまでの大幅な変更は、さすがに生保各社も予想外だったようです。

保険商品に関する課税上の取り扱いを巡り、国税庁局と生命保険業界はかねてより対立してきました。過去にも逓増定期保険が2008年に、ガン保険はその4年後に損金算入の範囲が制限されました。経営者保険もかねてより問題視してきました。

国税庁の新指針は、長年の対立に終止符を打つ、つまり「節税の抜け穴を塞ぎ、今後一切節税商品の販売を許さない」メッセージでもあるようです。

この新指針を受けて真っ先に販売自粛を打ち出したのは、他ならぬ日生です。ただし日生が手を引いたのは、なにも「お上」を慮ったばかりでもなさそうです。

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