SG会田アンダースロー(クイック)業況感は悪化したが景気の底割れは否定した日銀短観

ZUU online / 2019年4月1日 10時30分

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SG会田アンダースロー(クイック)業況感は悪化したが景気の底割れは否定した日銀短観(画像=PIXTA)

シンカー:貿易紛争を含めたグローバルな景気・マーケットの不透明感、そして半導体の在庫サイクルは、輸出と生産活動を下押し、業況感を悪化させた。一方、2019年度の輸出計画と設備投資計画は堅調さを示している。中小企業貸出貸出態度DIは高水準を維持し、信用サイクルはまだ強い。日銀短観では、輸出・生産の動向と合わせて、景気の底割れは否定されていると考える。

1-3月期の日銀短観製造業業況判断DIは+12と、10-12月期の+19から低下した。前回調査の先行きDIの+15からも下振れた。貿易紛争を含めたグローバルな景気・マーケットの不透明感は、輸出と生産活動を下押してきた。半導体の在庫サイクルの下押しの影響が大きい電機機械を中心に悪化した。日銀は3月の金融政策決定会合で輸出に対する判断を「増加基調にある」から「足もとでは弱めの動き」へ下方修正した。一方で、+12という業況判断DIの水準は、同じくグローバルに景気モメンタムが衰えた2016年前半の+6と比較するとまだ高い。在庫水準にも異常な高まりはまだ見られていない。各国の政策当局は景気下支えに動き始めている。日銀も総合的な景気判断は、「輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるものの」という警戒感は付け加えたものの、海外景気の持ち直しの見方は変えず、「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大している」と据え置いている。一方で、4-6月期の大企業製造業先行きDIは+8と更に低下し、景気・マーケットに対するな企業の警戒感が残っていること示した。新たに公表された2019年度の大企業製造業の輸出計画は前年度比+0.5%と3年連続のプラスのスタートとなった。2月の鉱工業生産指数は4ヶ月ぶりに上昇し、予測指数も上昇の継続を示している。輸出と生産が底割れる形は回避されたと考えられる。

1-3月期の大企業非製造業業況判断DIは+21と10-12月期の+24から低下した。その低下幅は製造業と比較しかなり小さかった。前回調査の先行きDIの+20からも上振れた。日銀の景気の「拡大」の判断が維持されたのは、消費と設備投資を含む内需が堅調で判断に変更がないことが理由であると考えられる。深刻な人手不足の企業はとうとう人材獲得のための賃金競争を始め、名目賃金上昇と物価の伸び悩みは、家計の実質所得の増加として消費を支えているとみられる。景気拡大にともなった能力増強、新たな需要を生み出そうとする研究開発、人手不足による省力化、都市再開発に関連した建設、遅れていた中小企業のIT・ソフトウェアなど、設備投資の拡大がみられる。一方、人件費などのコストの上昇が引き続き下押しに働いている。運輸業などで業況が悪化した。価格の引き上げが遅れているとみられることで、4-6月期の先行きDIは+20へ更なる低下を示した。裏を返せば、利益率の維持のために、物価上昇圧力が強くなっていく素地があることになる。

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