日本企業の問題点は技術力ではなく経営力だ――藤田勉

ZUU online / 2019年4月21日 7時35分

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藤田勉氏(撮影=森口新太郎)

かつて日本企業は世界でもトップクラスの競争力を持っていた。しかし今では、世界で通用するハイテク企業は大きく減っている世界の時価総額ランキングで100位以内に入るのはトヨタ自動車(37位、21.2兆円)のみである(2018年末時点)。

日本のIT企業の時価総額はもっと小さい。IT業界トップがキーエンスであるが、世界全体での時価総額順位は155位、2位のソニーが世界では156位である。時価総額上位10社の中で、純粋な戦後生まれはキーエンスとホンダのみである。これが日本株が不振である理由の一つである。

なぜ日本株は不振なのか?

もともと日本はベンチャー大国であった。昭和の時代には、ソニー、ホンダ、ファナックなど戦後生まれの世界的なベンチャー企業が大きく成長した。ところが、平成の時代には、ソフトバンクグル―プ(以下、SBG)を例外とし、世界的なベンチャー企業が育っていない。ちなみにアマゾン、アルファベット、フェイスブック、アリババ、テンセントはすべて平成生まれである。

バブルのピークである1989年末の株式時価総額上位10社のうち、日本電信電話(NTT)、東京電力、トヨタ自動車を除く7社が金融だった。金融を除くと、上位には重電、重工、鉄鋼など重厚長大産業がずらっと並ぶ。民営化企業はNTTのみであった。

その後、時価総額上位から、重厚長大産業が減り、民営化企業が増えた。2018年末には、民営化企業は、株式時価総額上位10社(金融除く)中5社(NTTドコモ、NTT、KDDI、ソフトバンク、日本郵政)ある。昨年12月に上場したソフトバンクは旧国鉄の通信部門をルーツに持つ。

1981年に、SBGは孫正義により設立された。国鉄の民営化時に、日本テレコムとして分離し、その移動体通信部門がJフォンとなった。それを、英国のボーダフォンが買収した。SBGがボーダフォン日本法人などを買収し、現在のソフトバンクに至る。SBGの2017年度の営業利益の国内通信事業の構成比は49%を占める。

ベンチャー企業が育ちにくい日本

日本の最大の問題点は、企業の新陳代謝が進んでいないことである。日本の時価総額上位企業は歴史の古い企業が多い。M&Aによる新規設立を除いて、日本の時価総額上位100社の約8割が1950年以前に創業された 。

時価総額が最大のトヨタ自動車は、豊田佐吉が1895年に設立した豊田商店をルーツに持つ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2005年設立だが、旧三菱銀行の源流は、郵便汽船三菱会社(1875年)の荷為替金融であり、旧東京銀行の前身の横浜正金銀行は、1880年に設立された。さらに、三和銀行の前身である鴻池両替店は1656年創業と歴史は古い。

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