中国、キャッシュレス先進国ゆえの落し穴

ZUU online / 2019年4月23日 20時10分

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中国、キャッシュレス先進国ゆえの落し穴(画像=PIXTA)

今年の初めごろ、中国のネット上ではこんな言葉が出回った。

「オフィスにいるのはこんな3世代。貯金好きの40代、投資好きの30代、借金ばかりの20代。20代の借金を親が替わりに返済している(1)」

これは、1990年代生まれの20代が、それまでの世代と消費のあり方が大きく違うことを意味している。つまり、欲しいものがあって、持っているお金が足りないという現実があっても、スマホで瞬時にかつ安易に入手できてしまうということだ。そのツケの多くは、おそらく貯金好きの40代の親が支払うことになるのであろう。

中国における急速なキャッシュレス化を表現する言葉としてよく使われるのが「リープフロッグ(カエル跳び)現象」である。社会インフラや社会サービスの整備が進んでいない新興国で、先進国の最新の技術やサービス等を導入したため、先進国のそれまでの段階的な歩みを飛び越えて一気に普及することを意味している。国が大きく成長する上で様々なコストをカットでき、サービスの利便性を一気に高めるという利点がある。しかし、あまりにも大きく変わってしまうため、それに伴うリテラシーの形成が置き去りにされてしまうという弱点もある。

消費のあり方も同様である。アリペイ、Wechatペイなど、キャッシュレス化の急速な浸透により、中国の消費のあり方は大きく変わった。アリババ、テンセントはそれぞれ経済圏を形成し、ユーザーはその中で生活に関するあらゆるサービスを享受している。つまり、冒頭の20代はそれまでの世代とは異なり、経済圏内での本人の信用偏差値を使ってお金を簡単に借りたり、クレジット払いにすることが可能になった。手元のスマートフォンで、数秒待てば即利用できる。高額商品のクレジット払いやレンディングは、親元を離れる大学生ごろから始まる。現在の大学生は2000年以降生まれた世代-「00後」だ。

00後は、次代の消費を握る世代として、その動向が注目されている。親世代は、中国の高度経済成長の恩恵を受け、その子どもである彼らは、その前の世代と比較して経済的にも物質的にも豊かな子ども時代を過ごしている。ほとんどが一人っ子のため、幼いころから様々なモノや愛情を独占的に受けており、消費意欲も旺盛である。加えて、彼らが誕生した2000年ごろは、テンセント(1998年)、アリババ(1999年)、Baidu(2000年)など現在中国を牽引するプラットフォーマーが誕生している。ITの発展とともに成長したデジタルネイティブでもあり、モノを買っても現金で支払ったことがほぼない「財布を持たない」世代でもある。

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