設備や建物の不具合で賃料減額? 民法改正の内容を把握しておこう

ZUU online / 2019年7月18日 11時15分

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(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)

2020年4月に120年ぶりに改正となる民法では、「敷金の返還に関するルール」「賃貸人・賃借人の修繕に関するルール」など不動産賃貸にかかわるさまざまなルールも変更になりました。その中で今回は「設備の一部滅失による賃料減額のルール」について解説いたしますのでその内容を把握しておきましょう。

■どんなときに賃料が減額になるのか

入居者が生活をしているなかで、エアコンや給湯器などの設備、屋根などの建物の一部が故障・破損してしまうことがあります。故障が発生した場合には、急いで修理対応するのがオーナーとしての当然の義務です。しかし、場合によっては対応が遅く借主が不便を強いられることもあります。そのようなときに、現行の民法611条では借主は「賃料の減額を請求することができる」というルールを設けています。

このルールが2020年4月からの改正民法では、より厳しくなりました。「設備などが故障により一部使用不能になったときに、それが借主の過失によるものでなければ、使用できなくなった部分の割合に応じて、当然に賃料は減額される」と規定されたのです。

■民法改正で、賃料減額はよりシビアになる

現行民法では、「減額請求できる」とされていたものが、改正民法では「当然に減額される」という、よりシビアな表現に変わりました。オーナーにとっては、少し緊張感を覚える改正といえるのではないでしょうか。しかし、改正民法において「どのくらい壊れたらどのくらいまで減額するか」について明確に規定しているわけではありません。

国土交通省の主催する「賃貸借トラブルに係る相談対応研究会」が発表した「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」によれば、一部使用不能の状態について下記のように解釈しています。

・物件の物理的な破損だけではなく、設備の機能的な不具合なども含めて、物件の一部が使用できない
・その一部使用不能の程度が、社会通念上の受忍限度(社会生活を営む上で、我慢するべき限度)を超えて通常の居住ができなくなった

「社会通念上の受忍限度」とはどんなものか、判断はなかなか難しいものがあります。なかには悪質な借主がいて、「設備の一部が壊れたことを理由に何度も賃料減額を求めてられてきて困ってしまう」といったことも想定されるでしょう。さらに一部使用不能となった物件の修繕について、オーナーが誠実に対応したとしても、修理業者の状況によっては速やかに修理ができないといった問題も考えられます。改正民法の施行を機に、賃料減額に関するさまざまなトラブルが起こるかもしれません。

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