「情報銀行」は日本の挽回策となるのか

ZUU online / 2019年8月6日 20時35分

■要旨

  • 世界的なデジタル化の潮流の中、米中の巨大IT企業が圧倒的な存在感を放っている。日本はデジタル化の大きな波に乗り遅れてしまったのではないか、という懸念の声は強い。
  • そのような中、我が国のデータ利活用を推進するための方策として、「情報銀行」等の仕組みが検討されてきた。足もと、情報銀行事業に参入を検討する日本企業も見られており、注目・期待の高さがうかがえる。
  • 一方、情報銀行については、どのようにして多くの消費者から質・量ともに十分なデータを集めることが出来るのか、どのようにしてビジネスモデル(収益モデル)を確立するか、といった課題も多い。企業の創意工夫や試行錯誤によってビジネスモデルを洗練させ、データビジネスにおける日本の挽回策となることに期待したい。

■デジタル化に出遅れた日本

世界的なデジタル化の潮流の中、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)といった米中の巨大IT企業が圧倒的な存在感を放っている。日本はデジタル化の大きな波に乗り遅れてしまったのではないか、という懸念の声は強い。

一方、こうした巨大IT企業、巨大デジタル・プラットフォーマーに対する風当たりが強まりつつある。例えば、優越的な地位をもとに参加者に対して不当な要求をしているのではないか、個人情報の取扱いや管理に問題はないのか、デジタル経済に追いついていない税制を逆手にとって支払うべき税金を払っていないのではないか、といった具合だ。各国の政府当局が、「競争政策上の対応強化(独占禁止法等)」、「個人情報保護のルール・規制の強化」、「デジタル課税の枠組み作り」といった「包囲網」作りを進めている。

日本も包囲網を急いで作っている。6月に閣議決定された政府の成長戦略で「デジタル市場のルール整備」を掲げ、取引慣行等の透明性や公平性確保のための法案等の検討が進められている。また、デジタル課税に関しては、G20大阪サミットにおいて議長国として取りまとめ役を担い、各国が2020年の最終合意に向けた作業計画を承認するに至った。

顧客とデータを囲い込むエコシステム作りに邁進する巨大IT企業を牽制しながら、我が国のデータ利活用を推進するための方策も検討されてきた。その1つが、「情報銀行」であり、「データ取引市場」といった仕組みである。

■日本が繰り出す「挽回策」

●「情報銀行」、「データ取引市場」

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