SG会田アンダースロー(グローバル)ハードデータの動きで金融政策の方向性を見極める姿勢は続くだろう

ZUU online / 2019年8月13日 11時55分

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SG会田アンダースロー(グローバル)ハードデータの動きで金融政策の方向性を見極める姿勢は続くだろう(画像=PIXTA)

シンカー:7月の主要国中央銀行の政策会合では景気悪化が現実化する前に予防的に動くために追加金融緩和バイアスを維持していることが確認された。ただ、ハードデータは引き続き堅調であることから、早急に金融緩和策を実施する必要性は無いとの見方も示している。マーケットでは米中貿易摩擦が長期化する見通しが強まったことで、世界経済の減速懸念が再燃している。金融政策関係者は先行き不透明感がハードデータの悪化という形で実体経済に悪影響を与えないか、引き続き注視しているようだ。ハードデータに悪化の兆候が見えてくると、マーケットの緩和期待は強まるだろう。ただ、データが悪化せず、センチメントだけが振れる状態が続いた場合、マーケットは今後の金融政策の方向性に悩むことになるだろう。ハードデータの動きで金融政策の方向性を見極める姿勢は当面続くだろう。

■金融政策見通しの変要

Fedは7月のFOMCで10年ぶりにマーケットの期待通りに25bpの利下げに踏み切った。ただ、パウエル議長は今回の利下げは「景気サイクルの途中の調整」と位置づけ、長期的な利下げ局面の入り口ではないとし、また、「世界経済の減速や貿易摩擦の不確実性からくる下方リスクへの予防を狙ったものだ」とも述べた。マーケットでは年内にもう1回の利上げをほぼ確実視しているが、それ以降の利下げに関しては見方が割れ始めている。SGの予想は9月にFedのもう一回、予防的な利下げに踏み切った後、年内は政策金利を変更しないとみている。

ECBは7月の政策会合で金利ガイダンスに下方バイアスが復活させ、9月に追加緩和が実施されるというハト派的なメッセージが送られた。だが新しい政策パッケージの詳細は、まだ不明確だ。ECBは9月利下げ(預金金利引下げ)はより大幅(20bp)で階層化(テクニカルな詳細はまだ不明確だが)を伴い、MRO金利引下げや追加QEの可能性も高くなったとみられるが、9月に踏み切ることはメインシナリオではない。基本シナリオでは、今年は経済指標が底固くQEは回避されると見込んでいる。

7月の金融政策決定会合では4月の決定会合で新たに追加した2020年春ごろまで現状の緩和政策維持するとのフォワードガイダンスを維持した。また、日銀は、「海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいもとで、先行き、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる」という方針を新たに追加した。今後、、日銀は追加緩和へ踏み切る可能性は引き続き小さいだろうが、必要に応じてフォワードガイダンスを2020年夏の東京オリンピック後の一時的な景気下押し圧力の不確実性への備えを含めた表現(2020年度末)に長期化する可能性もあろう。2020年に日銀が長期金利の誘導目標を引き上げることはなく、オリンピック後の景気減速が大きくないことを確認し、安倍首相が自民党総裁任期満了を控えてデフレ完全脱却を宣言するとみられる2021年半ばに引き上げが行われることになるだろう。

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