SG会田アンダースロー(ワインドアップ)消費税率引き上げ後の財政政策が過去最大に緊縮になっていた

ZUU online / 2019年8月19日 12時10分

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SG会田アンダースロー(ワインドアップ)消費税率引き上げ後の財政政策が過去最大に緊縮になっていた(画像=PIXTA)

シンカー:小泉政権による強烈な財政緊縮の動きは、国内の資金需要・総需要を生み出す力、資金が循環し貨幣経済とマネーが拡大する力の喪失につながった。一方、東日本大震災からの復興とアベノミクスの初期の財政拡大で、財政政策の緩和の力が、ネットの資金需要を一時的に復活させ、デフレ完全脱却への初動を助けた。しかし、2000年度の基礎的財政収支の黒字化目標が大きな足かせとなり、2014年の消費税率引き上げや社会保険料引き上げなどが実施され、財政政策は急激に緊縮に転じていった。過去最大とも言える強烈な財政緊縮がデフレ完全脱却への動きを妨げてしまったとみられる。ようやく、デフレ完全脱却に向けて、財政政策を推進する環境として、これまでよりも政府の制約は緩和された。昨年夏に、政府の基礎的財政収支黒字化の目標が、2020年度から2025年度へ、安倍首相の自民党総裁任期の外に先送りされたからだ。安倍首相の自民党総裁任期末である2021年度までは、財政政策を拡大してでもデフレ完全脱却を目指し、自民党の参議院選挙の公約のキーワードである「強い経済」を実現することに集中できることになる。参議院選挙で、連立与党が勝利した結果、基礎的財政収支黒字化目標の先送りを含め、財政イデオロギーが緊縮から緩和へ転換することが国民から信任されたことになる。今後は、財政政策の緩和がデフレ完全脱却を促進していくとみられる。

日本では、1990年代から企業貯蓄率は恒常的なプラスの異常な状態となっており、企業のデレバレッジや弱いリスクテイク力、そしてリストラが、企業と家計の資金の連鎖からドロップアウトしてしまう過剰貯蓄として、総需要を破壊する力となり、内需低迷とデフレの長期化の原因になっていると考えられる。

恒常的なプラスとなっている企業貯蓄率(デレバレッジ)が表す企業の支出の弱さに対して、マイナス(赤字)である財政収支が相殺している程度(財政赤字を過度に懸念する政策)で政府の支出は過小で、企業貯蓄率と財政収支の和(ネットの国内資金需要、マイナスが拡大)がほぼゼロと、国内の資金需要・総需要を生み出す力、資金が循環し貨幣経済とマネーが拡大する力が喪失してしまっている。

日銀資金循環統計がさかのぼれる1981年から企業貯蓄率と財政収支を同一のチャートで確認すると、ほぼ完全にカウンターシクリカル(逆相関)の動きになっていることがわかる。

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