SG会田アンダースロー(グローバル)米中対立はイデオロギーか、新たな経済構造の覇権争いか

ZUU online / 2019年8月28日 13時10分

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SG会田アンダースロー(グローバル)米中対立はイデオロギーか、新たな経済構造の覇権争いか(画像=PIXTA)

シンカー: 米中の貿易紛争がグローバルに景気・マーケットの下押しとなる状況が続いている。米中の対立が、自由資本主義と国家資本主義のイデオロギー対立とみるのか、5G含めた新たな経済構造の覇権争いとみるのかによって、帰結はまったく違うものとなろう。イデオロギーの対立なのであれば、新冷戦として長期間の下押しとして残ってしまうリスクとなる。一方、新たな経済構造の覇権争いであれば、違った見方もできる。理由は、1年間でも中国の新たな経済構造への投資が米国からの圧力などで抑制されれば、新たな技術の黎明期ではその遅れは致命的で、決定的な差が生まれ、覇権争いは予想より早く決着がつく可能性があるからだ。更に、貿易紛争で企業心理をあまりに冷やせば、米国の投資まで抑制されてしまうため、適度なところで米国は圧力を緩めなければいけなくなる。そして、トランプ大統領がFEDの利上げに反対し、利下げを求めてきたのも、米国の投資を促進し、その決着を早めたいという意図があるのかもしれない。その日やその時がいつなのかわからないが、債券のリスクが高まっているのかもしれない。債券は多大な不確実性プレミアムや金融緩和を織り込んでおり、マーケットの心理が改善した場合、金利上昇圧力を受けやすい。まだ懸念は残り、アウトライトでデュレーション中立の投資スタンスが必要だとみられるが、オプションやスワップションを活用したコンディショナル・ポジションで金利上昇やイールドカーブのスティープ化に備えることが望ましいと考える。米中の貿易紛争の見方が、イデオロギーの対立から新たな覇権争いへ変化し、その決着が予想より早いと認識されることもその一因になるかもしれない。

■グローバル・フォーカスの解説

●関税引き上げの応酬

23日、中国商務省は米国から輸入する$75BN相当の製品に対して5-10%の追加関税を課すと発表した。中国当局は“米国の一国主義や保護主義により今回の決定を余儀なくされた”としている。今回の措置はトランプ大統領が9月1日から発動を予定している対中制裁関税第4弾に対する報復とみられる。一部製品に対する追加関税は9月1日、残りは12月15日に発動され、中国が輸入している農産物や小型航空機など計5078品目が対象となる。これに対し、トランプ大統領は10月1日からこれまでに課している$250BNにあたる中国からの輸入品に対する関税を30%(VS 現在: 25%)に引き上げると発表。9月1日(一部は12月15日)から発動予定の追加関税第4段($300BN)も10%から15%に引き上げるとした。トランプ氏はツイッターで“残念なことに、これまでの政権は中国が公正かつバランスの取れた貿易を出し抜くことを許し、これが米国の納税者の負担となってきた”とし、“大統領としてもはや許すことはできない!”と述べた。また、“偉大な米企業に対し、中国の代替先を即時に模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる”、“われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう”としている。だが、8月26日にはトランプ大統領が中国から協議再開に向けた電話を受け取ったと発表するなど、両国からの声明に振り回される展開はこれからも続くだろう。

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