SG会田アンダースロー(グローバル)ポピュリスト的な政治は中央銀行の金融政策運営を難しくしている

ZUU online / 2019年9月5日 13時0分

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SG会田アンダースロー(グローバル)ポピュリスト的な政治は中央銀行の金融政策運営を難しくしている(画像=PIXTA)

シンカー:夏の中央銀行の政策会合では景気悪化が現実化する前に予防的に動くためにも追加金融緩和バイアスを維持していることが確認された。ただ、グローバルにポピュリスト的な政治へ支持が続いているなか、中央銀行関係者は政治問題による景気後退を金融政策でサポートする形に対しての懸念を強めているようだ。金融政策で景気減速を避けられると考え、国民からの支持を高めるために政治家が景気拡大モメンタムを損ねる可能性がある強硬政策に突き進み、追加緩和策の必要性が増すという悪循環に陥るの避けたいようだ。ただ、同時に政治動向を理由に景気拡大のサポートを弱めたりすると、中央銀行の独立性を損なう可能性がある。各国中央銀行は自らの政策が景気に悪影響を与える政策を助長することを避けながら、同時に景気拡大モメンタムを維持するという、従来より難しい形の政策運営を強いられているようだ。

■金融政策見通しの変要

Fedは7月のFOMCで10年ぶりにマーケットの期待通りに25bpの利下げに踏み切った。8月末に開かれたジャクソンホール会合でパウエル議長は米国経済は著しいリスクに直面しており、必要であれば更なる政策対応を行うスタンスを示した。ただ同時に足許では米国経済は望ましい形が維持されているとの見方も示した。SGの予想は9月にFedのもう一回、予防的な利下げに踏み切った後、年内は政策金利を変更しないとみている。

市場の期待が強く、経済指標の内容も転換しておらず、大きなリスクが今後控える中、ECBは9月12日の政策理事会で、インフレ見通しの低下と戦うためとの理由で断固たる策を打ち出すことがほぼ確実だ。中銀預金金利の20bp引下げと金利階層化に加え、月額400億ユーロ・期間無制限の量的緩和(QE)プログラムが打ち出されるあろう。

7月の金融政策決定会合では4月の決定会合で新たに追加した2020年春ごろまで現状の緩和政策維持するとのフォワードガイダンスを維持した。また、日銀は、「海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいもとで、先行き、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる」という方針を新たに追加した。今後、、日銀は追加緩和へ踏み切る可能性は引き続き小さいだろうが、必要に応じてフォワードガイダンスを2020年夏の東京オリンピック後の一時的な景気下押し圧力の不確実性への備えを含めた表現(2020年度末)に長期化する可能性もあろう。2020年に日銀が長期金利の誘導目標を引き上げることはなく、オリンピック後の景気減速が大きくないことを確認し、安倍首相が自民党総裁任期満了を控えてデフレ完全脱却を宣言するとみられる2021年半ばに引き上げが行われることになるだろう。

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