インド経済の見通し~景気対策により年後半に底入れも、雇用悪化や輸出停滞で緩慢な成長が続くと予想(2019年度+6.0%、2020年度+6.7%)

ZUU online / 2019年9月5日 19時20分

写真

インド経済の見通し~景気対策により年後半に底入れも、雇用悪化や輸出停滞で緩慢な成長が続くと予想(2019年度+6.0%、2020年度+6.7%)(画像=PIXTA)

■要旨

  • インド経済は4-6月期の成長率が+5.0%となり、約5年ぶりの低水準を記録した。
  • 4-6月期は前期に続いて選挙関連支出など公的部門による景気の下支えはあったものの、総選挙前の先行きの不透明感から投資が停滞、ノンバンク金融会社の流動性収縮により民間消費が失速するなど、昨年から続く景気減速に歯止めがかからなかった。
  • 経済の先行きは総選挙後の政治リスクの後退や政府と中銀の景気刺激策、昨年から続く貸し渋りの影響が一巡することにより、年後半から景気が底入れする見通しである。
  • もっとも雇用環境や企業の投資マインドの悪化、輸出停滞の長期化などから、その後の景気の回復ペースは遅く19年度の成長率は+6%程度の勢いを欠いた成長を予想する。

■経済概況:消費失速で5期連続の景気減速

2019年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比5.0%増(2019年1-3月期:同5.8%増)と低下し、5期連続の景気減速となった。インド経済は16年11月の高額紙幣廃止や17年7月の物品サービス税(GST)導入に伴う経済の混乱から回復して昨年前半には+8%成長を記録したが、その後は回復局面が一服、19年に入ると消費の変調が鮮明になり、景気の減速傾向が強まっている。

4-6月期の実質GDPを需要項目別に見ると、民間消費の急減速が成長率低下に繋がった。

まず民間消費は同3.1%増(前期:同7.2%増)と大きく低下し、この4年半で最低の伸びとなった。昨年8月下旬に起こったインフラ開発・金融大手IL&FS社のデフォルト以来、流動性が収縮していたノンバンク金融会社(NBFC)(1)の融資が低迷しており、乗用車やバイクなどの耐久消費財を中心に消費が減速した。製造業や建設業を中心とする雇用環境の悪化、農業生産の低迷による農業所得の鈍化も消費需要の減少に繋がったとみられる。実際、CMIEによると失業率は2019年8月に8.4%と都市部を中心に上昇しており、また4-6月期の農林水産業の成長率は同2.0%増と停滞している。

投資は同4.0%増(前期:同3.6%増)と伸び悩んだ。上述のノンバンク金融会社の流動性収縮により中小企業を中心に投資に悪影響が及んだこと、4-5月の総選挙の先行きの不透明感から選挙結果を見極めようと企業が投資を見合わせたものとみられる。

政府消費は同8.8%増と、総選挙期間中の支出加速によって堅調を維持したが、1-3月期の二桁成長(同13.1%増)から増勢が鈍化した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング