オーストラリア経済の見通し-4-6月期は政府部門と外需が牽引。先行きは政策効果に期待も、外需減速で緩やかな成長が継続

ZUU online / 2019年9月10日 20時40分

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オーストラリア経済の見通し-4-6月期は政府部門と外需が牽引。先行きは政策効果に期待も、外需減速で緩やかな成長が継続(画像=PIXTA)

■要旨

  • オーストラリアの2019年4-6月期の実質GDP成長率は前期比0.5%増(季節調整値)と、1991年から続いている景気拡大の世界最長記録 をさらに更新したが、前年比では1.4%増と、約10年ぶりの低成長となった。需要項目別では、外需と政府消費が牽引した一方で、民間総固定資本形成、特に住宅投資は不振が続いている。
  • 先行きのオーストラリア経済は、内需は拡張的な財政政策と金融緩和の効果が徐々に波及し、拡大していくが、住宅投資の回復の鈍さが重石となって緩やかな成長に留まるだろう。また、足元で牽引役となっている外需は、中国経済減速の影響が顕在化し、縮小していくため、全体としては引き続き緩慢な成長が続くだろう。

■経済概況

●(経済概況)  4-6月期の実質GDPは、政府消費と外需が牽引。一方で、住宅投資の落ち込みは継続

9月4日、ABS (オーストラリア統計局)は、2019年4-6月期のGDP統計を公表した。4-6月期の実質GDP成長率は前期比0.5%増(季節調整済系列)と、1991年から続いている景気拡大の世界最長記録(1)をさらに更新したが、前年比(季節調整済系列)では1.4%増と、2009年7-9月期以来約10年ぶりの低成長となった。

需要項目別に見ると、外需は2004年4-6月期以来の高水準に達し、外需寄与度が全体の成長率を上回るなど牽引役となった。一方内需は、政府消費を中心に消費が堅調であったが、投資が不振であった。特に、民間部門(主に住宅投資)は、落ち込みが続いており、持ち直しの兆しが見られない。

GDPの6割近くを占める民間消費は前期比0.4%増と前期(同0.3%増)から伸びがやや加速したが、ここ1年は伸びが鈍くなっている。これは、住宅価格下落による逆資産効果(2)が消費者マインドに悪影響を与えた結果と考えられる。

雇用環境は、4-6月期の失業率(季節調整済系列)は5.2%と1-3月期の5.0%から上昇したが、労働参加率が上昇したことが一因であり、過去と比べても低水準で推移している。また、相対的に賃金水準の高いフルタイム労働者を中心に就業者が増加したことで、名目賃金は緩やかながらも上昇しており、雇用環境は比較的良好であると言える。さらに、インフレ率(前年同期比、以下同様)も4-6月期は1.6%と1-3月期の1.3%から上昇したが、依然としてインフレ目標の下限(2%)を下回っており、賃金上昇率はインフレ率を上回った。

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