SG会田アンダースロー(ワインドアップ) 日本経済見通し四半期アップデート:ポリシーミックスでリフレの力が強くなるだろう (政策・マーケット見通し)

ZUU online / 2019年9月11日 13時50分

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SG会田アンダースロー(ワインドアップ) 日本経済見通し四半期アップデート:ポリシーミックスでリフレの力が強くなるだろう (政策・マーケット見通し)(画像=PIXTA)

■要約

  • 2020年の消費税率引き上げの影響による景気下押し圧力を底にして、2021年に向けて実質GDP成長率は+1%程度の潜在成長率を上回っていくだろう。更なる拡張的な財政政策と、国内のファンダメンタルが堅調なことで、引き上げの負の影響は前回と比較して限定されるだろう。安倍首相は、消費税率引き上げを過去のものとし、2021年の自民党総裁の任期末までの限られた時間において、デフレ完全脱却を含めた重視する政策の推進に集中していくことになるだろう。
  • 外需から内需主導の自立的な成長の形に進化しつつある。労働需給の逼迫が賃金上昇を加速させ、消費のしっかりとした回復が続くだろう。生産性向上の必要性、IT新技術の応用、都市再生関連、研究開発、利益率維持のための売上高拡大に向けて、設備投資が拡大するだろう。
  • 需要超過と賃金上昇を背景に物価は1%超へ緩やかに上昇幅を拡大するが、2%の日銀の物価目標達成はかなり先の2022年頃となろう。
  • 日銀は政府との合意で決定された2%の物価目標を堅持し、フォワードガイダンスで早期出口論を封印して、現行の金融緩和の枠組みを維持するだろう。メインシナリオではないが、必要になれば躊躇なく追加金融緩和に踏み切るだろう。長期金利誘導目標引き上げは、安倍首相が自民党総裁任の任期末を控えてデフレ完全脱却を宣言するとみられる2021年半ばとなろう。
  • アベノミクスは国民に信任されている。構造改革を推進させつつ、安倍首相の自民党総裁の任期末までは生産性の向上への投資拡大とデフレ完全脱却を目指し、財政政策は緩和的になるだろう。景気拡大の実感が生まれ、内閣支持率は高水準を維持し、政治は安定を続けるだろう。
  • 企業活動の回復で企業貯蓄率も再低下していく中で、財政政策も緩和し、マネーが循環・拡大する力であるネットの資金需要が復活し、それを間接的にマネタイズする金融政策の効果も強くなり、ポリシーミックスとして、リフレの力が強くなるだろう。
  • アベノミクスの最大の成果である長期金利を上回る名目GDPの拡大が、円安を含め、デフレ完全脱却に向けたリフレの力を引き続き促進するだろう。リフレによる財政再建は成功しつつあり、政府債務残高のGDP比率はトレンドとして低下していくだろう。

■金融政策-2%の物価目標は維持されるだろう

  • 日銀はマネタリーベースの増加を含む現行の金融緩和の枠組みを維持し、長期金利を辛抱強く抑制し、フォワードガイダンスで早期出口論は封印し続けるだろう。2%の物価目標は政府・日銀の共同のものであり、変更される可能性は極めて小さい。為替操作ではなく、国内要因での金融緩和であることを正当化するためにも必要だ。日銀は、緩和の副作用の目先の軽減より、物価目標達成と資金需要回復による金融機関の収益構造の本格的安定化を目指すだろう。メインシナリオではないが、必要になれば躊躇なく追加金融緩和に踏み切るだろう。ETFの買入れの増額、長期国債の最低限の買入れ額の設定と長期金利の下振れ容認などが候補となろう。
  • 日銀の長期金利の誘導目標引き上げは、安倍首相が自民党総裁の任期末を控えてデフレ完全脱却宣言するタイミングの2021年半ばまで先送りとなるだろう。必要条件は、展望レポートの経済・物価のリスクバランスの中立化だろう。まだ低い誘導目標とより強く上昇していくフェアバリューとの差は拡大を続け、金融政策は緩和的であり続ける。2%の物価目標達成が確認でき、短期金利の引き上げに踏み切るのは、かなり先の2022年頃となろう。

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