【テンプレ有】不動産売買契約書の書き方を実例とともに紹介

ZUU online / 2019年9月21日 16時30分

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(画像=PIXTA)

不動産の売買では契約書を取り交わすことが一般的だが、未経験の方も多いのではないだろうか。この記事では、不動産売買契約書に記載すべき内容を説明するとともにテンプレートも紹介するので、契約書初心者の方は是非活用いただきたい。

■不動産売買契約書はなぜ交わす?

不動産売買契約書とは、不動産売買の成立を証明する書面のことであるが、そもそも売買契約は諾成契約であり、不要式契約だ。

諾成契約 当事者間の意思表示の合致のみで成立する契約のこと
不要式契約 書面の取り交わしは必須ではなく口頭の合意でも成立する契約のこと

そして民法555条によると、売買とは「当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」ことである。

要するに、不動産売買において、契約書の取り交わしは必要ない。しかし不動産は高額な取引であり、煩雑な手続きや取り決めがあるので、口頭での合意のみでは心もとないのが実情だ。そこで「不動産売買契約書」は、金額・取引内容・契約条件を記載し、売主と買主双方に不利益が生じないよう、契約をスムーズに完結させることを目的として作成される。「義務ではないけれど、あとあと忘れるといけないから、決め事は契約書に書いておこう」ということだ。

●不動産売買契約書に記載する要項

一般的な不動産売買契約書に記載する項目を紹介しよう。

項目 説明
売買の目的物および売買代金 買主が契約書記載の売買代金で、売主の所有している不動産を買い受けることを規定する項目。
土地・建物情報 取引対象となる不動産の明確化を目的に、次の内容を記載
・土地・建物の所在や地番、面積など
・(マンションの場合)区分所有建物の詳細情報や敷地権の目的たる土地の詳細情報
手付金 買主が売主に契約を締結するタイミングで支払う手付金の額を規定する項目。一般的には、残りの代金を支払う時に、手付金がその一部に無利息で充当されることが示されている。
売買代金の支払いの時期、方法等 売買代金の支払日や支払い方法を規定する項目。内金および残代金の金額の記載もあり。
売買対象面積、測量、代金精算 売買対象の土地・建物などの面積に関して規定する項目。取引対象になる土地は、登記事項証明書に記載されている土地面積または、実際に測量を行った実測面積の、どちらかを用いる。
境界の明示 マンションにはないが戸建てや土地取引の場合、現地にて隣地との土地の境界を、境界線の明示を行うことを規定する項目。
所有権の移転の時期 「売買代金の支払いの時期、方法等」で定めたとおりに代金全額を支払った時点で、売主から買主に所有権が移転することを規定する項目。
引渡しの時期 不動産の引渡し日を規定する項目。一般的には所有権移転日と不動産引渡し日は同日になるが、必要に応じて引渡し日を別に規定することもある。
抵当権等の抹消 抵当権がついたままだと、買主に所有権が移転したとしても、債権者である銀行によって競売にかけられてしまう可能性がある。そのため所有権移転日までに、抵当権・賃借権など、買主の負担になるものを取り除くことを規定する項目。
所有権移転登記等 売主が売買代金を受領したと同時に、買主への不動産の所有権移転について、登記申請をしなければならないことを規定する項目。所有権移転登記申請に付随する費用は、買主負担が一般的だ。
引渡し完了前の滅失・毀損 新築戸建てでもマンションでも、売買契約を取り交わしてから引渡しまで期間があくケースがある。不動産引渡し完了前に、天災など売主・買主両方に責任がない事由にて毀損や滅失が発生し、修復が困難な場合には、契約の解除が可能なことを規定する項目。
物件状況等報告書 売主が買主に対し、「物件状況等報告書」にて契約締結時点の不動産の状況を説明することを規定する項目。今後のトラブル回避のためにも、この部分の情報の記載は正確さが求められる。
公租公課等の分担 売買対象の不動産から生ずる利益や、付加されている固定資産税、都市計画税などの公租公課等の諸負担について、引渡し完了日前日まで売主、完了日以降を買主が負担することを規定する項目。
瑕疵の責任
(現行民法) 
不動産引渡し後に瑕疵が見つかった場合の瑕疵担保責任について規定する項目。
※民法改正によりこの項目はなくなり、代わりに契約不適合責任に関する事項についての文言が加わると考えられる。
設備の引渡し・修復 売主は「設備表」に、不動産に付帯する主要設備の引渡し有無を記載し、その内容にある各設備を引渡すことを規定する項目。
手付解除 手付解除期日までであれば、不動産売買契約を解除できることを規定する項目。手付解除期日も設定する。手付金についての詳細は後述する。
契約違反による解除・違約金 売主・買主双方が契約違反を行った場合の契約の解除・違約金を規定する項目。違反があった場合、相手方に対して、書面により債務の履行を催告したうえで、不動産売買契約の解除、違約金の支払いを請求することができる。
融資利用の特約 不動産は高額なケースが多いので、ほとんどの買主は銀行からの融資を利用して住宅ローンを組む。しかしこの融資を受けられない場合、融資承認取得期日までであれば、不動産売買契約を解除できるとした特約を規定する項目。
敷地権が賃借権の場合の特約 マンションの敷地が賃借の場合、売主はその賃借権を買主に譲渡することについて、土地所有者より「借地権譲渡承諾書」を得ることを規定する項目。

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