3年で売上5倍、ブランド化で得た“主導権”

ZUU online / 2019年10月19日 6時45分

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3年で売上5倍、ブランド化で得た“主導権”(画像=Julia Lototskaya/Shutterstock.com)

(本記事は、甲斐かおりの著書『ほどよい量をつくる(しごとのわ)』インプレス2019年9月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

■価格以外の情報がない買い物

「安かろう悪かろう」という言葉がある。値段が安ければそれだけ質が落ちる。安いものは安いなりですよという意味である。

そうわかっていてもつい安いほうに手が伸びるのは、店頭で価格以外の情報がないからのように思う。

八百屋や魚屋など小さな商店が元気だった頃は、こぞって店主たちが教えてくれた。「今日入ったこの魚、新鮮だよ、目を見てよ。この値でも安いほうだよ」「そのオレンジを買うくらいなら、絶対こっちの和歌山のみかんがおすすめ!値段の価値あるよ」

そうしたやり取りのなかで、買う側もモノを見る目を養うのだ。

ものづくりや生産の現場を取材していると、価格競争でやむなく安い値段にしている、慣習的に値段が上げられない、質を落としてでも安くしているといった状況を目にする。 値段以外の価値をきちんと知ってもらえれば、価格を下げなくても欲しい人に届けられる のではと思うことも少なくない。

■ブランド化して価格を2倍に

一方で、「今の日本の食につけられている値段は安すぎる」と言うのは「みやじ豚」(※1)の宮治勇輔さんだ。宮治さんは自社の豚肉のブランド化に成功し、従来の価格の2倍近い値段で直販している。

宮治さんは自著にこういった主旨のことを書いている。

「食について、『安さ=価値』とされているのは、どういうことだろう。農家の生活が成り立たないほどに、安い。

価格はマーケットが決めるというが、それが妥当かというとそうは思わない。ブランド物の衣服を身に着けている消費者が、どこで出費を抑えているかといったら、食なのだ。

(略)良いものだから、それなりの値段で売る。そのためのブランド化だ」

宮治さんは家業の養豚農家に入る際、一次産業を「かっこよくて、感動があって、稼げる3K産業にする」ことをめざそうと考えた。若い頃は農業や畜産業をかっこいいと思ったことはなかったが、お父さんの育てる豚がおいしいことには確信があったそうだ。

だから生産面には一切口を出さず、モノはそのままに。自分は「どう売るか」を考え、販売、流通、営業の面に手をつけた。

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