「夢の印税生活」の真実…不労所得の実態とは

ZUU online / 2019年10月17日 21時45分

以前と比べると、今の時代は書籍が売れなくなっており、10万部でも大ベストセラーなどと言われます。10万部になると印税は1500万円になりますが、それでも高収入のサラリーマンの年収程度ですし、あくまでもこの数字は印税の総額ですから、毎年ずっともらえるものではありません。

お金持ち本におけるバイブルと言われる、ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』は、全世界で3000万部を販売し、今でも売れ続けています。キヨサキさんのレベルになれば、毎年何もしなくてもお金が入ってくるという状況ですから、夢の印税生活といってよいかもしれません。

こうしたごく一握りのベストセラー作家を除くと、一般的な作家の場合には、多大な労力をかけて本を書き、仮に売れたとしても1500万円程度の収入ですから、残念ながら不労所得とはいえないでしょう。

しかしながら、作家という職業は、時間を拘束され、その分だけ賃金をもらうという一般的な仕事と比較すると自由度が高く、仕事をしているという感覚が薄いのは事実です。文章を書くことが嫌いな人が作家になることはありませんし、そもそも誰にも雇われていないわけですから、直接的な仕事の苦痛が少ないのは当然だと思います。

特許も同様で、特許のみで悠々自適(ゆうゆうじてき)の生活ができる人はごく一部しかいませんが、特許の取得は、好きなことをした結果という人が多いですから、労働で稼ぐという感覚とは少し異なっています。

印税や特許による稼ぎは、お金がお金を稼ぐことに比べると、労働による所得に近いものの、ある程度までなら不労所得に分類することが可能です。ここで重要となってくるのは「やらされた感」がないという部分でしょう。

加谷珪一(かや・けいいち)
経済評論家。宮城県仙台市生まれ。
1993年東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、「現代ビジネス」や「ニューズウィーク」など数多くの媒体で連載を持つほか、テレビやラジオなどでコメンテーターを務める。億単位の資産を持つ個人投資家でもある。
お金持ちの実像を解き明かした著書『お金持ちの教科書』(CCC メディアハウス)はベストセラーとなり、「教科書」と名の付く書籍ブームの火付け役となったほか、法科大学院の入試問題に採用されるなど反響を呼んだ。
主な著書に『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SB クリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCC メディアハウス)、『戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

ZUU online編集部

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