ロシア経済の見通し-停滞が続く経済。20年は内需の回復で加速も、緩慢な成長に留まるか。

ZUU online / 2019年10月17日 19時15分

総固定資本形成(2)は同1.0%増と前期のマイナスからプラスに転じたが、消費と同様に17年から伸びが鈍化している。18年にはヤマルLNGプロジェクト関連の建設工事が一時的に投資を押上げたが、その効果は既に剥落している。

19年から24年にかけて計画されている13分野における国家事業には、基幹インフラの更新・拡大、安全で高品質な自動車道路などが盛り込まれているため、公的部門を中心に投資が拡大すると見られたが、目立った動きは見られなかった。会計監査院によると、19年上半期時点で事業の進捗が全体的に遅れており、とりわけ連邦予算の歳出規模が大きい上記2分野の進捗が遅れていることが影響していると見られる。

民間部門においては、企業の設備投資を表す固定資本投資が18年後半から大きく鈍化し、4-6月期は前年同期比0.6%増まで落ち込んでいる。鉱工業生産は前年比プラスを継続するなど底堅いが、世界経済の不透明感の高まりから製造業PMIが悪化し、19年5月以降判断の目安である50を下回っているため、企業は設備投資に慎重になっていると見られる。

純輸出は輸出が同4.9%減、輸入が同0.1%増となった結果、成長率寄与度がマイナス1.4%ポイントと大幅に成長率を押し下げた。世界経済の減速が輸出に水を差した。

貿易動向を通関ベースで見ると、4-6 月の貿易収支は輸出が前年同期比7.8%減、輸入が同2.5%減となった結果、貿易黒字は同14.4%減となった輸出総額を財グループ別に見ると、燃料・エネルギー等の鉱物製品の輸出減が大きく影響している。特に、輸出総額の4割超を占める原油及び石油製品の同期間の輸出額は、原油価格(ブレント原油先物、以下同様)が高水準であった前年から下落したことで、1割以上も減少した。

供給項目別に見ると、第一次産業、第二次産業、第三次産業すべてで前年同期比プラスとなった。

第一次産業は前年同期比0.1%増と2四半期ぶりのプラス成長となった。第二次産業は、鉱工業が堅調に推移し、同1.4%増と6四半期連続のプラス成長となった。GDPの約6割を占める第三次産業は、金融・保険業が好調を維持しており、同0.9%増と2四半期ぶりのプラス成長となった。

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(2)保有する資産価値の上昇によって、消費や投資を拡大する資産効果に対して、逆に保有する資産価値の低下によって、消費や投資を控えること。

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