働き方改革の一環としてスタートする「同一労働同一賃金」~企業は何を求められるのか~

ZUU online / 2019年11月15日 14時15分

その不合理な待遇差をなくすために定められるのが、「均等待遇規定」と「均衡待遇規定」です。均等待遇規定とは、差別的取扱いを禁止するという意味合いのものであり、職務内容(業務の内容+責任の程度)と職務内容・配置の変更の範囲が同じ場合、待遇について同じ取扱いをする必要があるという規定になります。

これは「イコール」の考え方で、同じ仕事をしているのならば正社員であれ非正規雇用者であれ、同じ待遇にするということです。待遇には基本給以外の賞与、各種手当、昇給、福利厚生、各種休暇制度も含まれます。

もう一つの均衡待遇規定は、不合理な待遇差を禁止するという意味合いのものであり、職務内容、職務内容・配置の変更の範囲、その他の事情(労使協定など)の違いに応じた範囲内で待遇を決定しなければなりません。

これは「バランス」の考え方で、正社員と非正規雇用者との間で待遇に差異がある場合、それが合理的なものでなければならないということです。たとえば、正社員とアルバイト社員の待遇に差異があっても、正社員には決裁権がある、トラブル発生時に緊急対応が求められる、ノルマがあるのに対し、アルバイト社員にはそれらがないのであれば、待遇の差異が合理的であると判断されます。

■企業には説明責任が発生

また、非正規雇用者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など自身の待遇について説明を求めることができるようになります。企業側は、非正規雇用者から説明の求めがあった場合は説明をしなければなりません。

説明すべき内容は、待遇内容(給与・福利厚生など)、待遇決定に際しての考慮事項、待遇差の内容・理由です。

■働き方改革で企業価値向上を

それでは、同一労働同一賃金施行に際し、企業としてはどのような準備をしておけばよいのでしょうか。厚生労働省が示している「同一労働同一賃金ガイドライン」自体はあくまでも方針であり、法的拘束力はありません。しかし、働き方改革の柱をなすものとして企業の取り組みが期待されています。

まずは、自社内のすべての従業員の雇用形態を再点検する必要があるでしょう。非正規雇用者がいる場合、正社員との間に待遇の差異があるかどうか、どのような待遇の差異なのか、その待遇の差異に合理性はあるのかをチェックしましょう。

賃金制度、人事制度、就業規則の総ざらいが必要なので、企業にとってはかなりのコスト負担となってしまいます。場合によっては、人件費の高騰を招き経営を圧迫することもあるかもしれません。

それでも、非正規雇用者のモチベーション・アップは大きく期待できますので、スキルアップとそれに伴う生産性の向上も期待できます。また、柔軟な働き方が選択されている昨今、非正規雇用者から優秀な人材を発掘できる可能性も十分にあるでしょう。

働き方改革を通じて、企業価値を向上させる取り組みが求められているのではないでしょうか。

(提供=自社ビルのススメ/ZUU online)

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