特集2016年12月9日更新

人と動物の共存を…殺処分ゼロへの取り組み特集

平成27年度、82,902頭もの犬や猫が自治体で殺処分されています。この数を少しでも減らしていき、最終的にゼロにすることはできないか?という取り組みが、自治体や有志による団体などで始まっています。それらの活動とともに、飼い主レベルでできることも紹介していきます。

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ネコノミクス2兆円が“不幸な猫”を救う

日刊SPA! / 2017年12月12日 8時51分

 ここ数年、猫関連の産業が絶好調で、空前の“猫ブーム”と言われている。「動物を商売に利用している」との批判も多いが、実はこのブームが不幸な猫を減らすために一役買っていた!! 「この『ネコノミクス』と呼ばれる経済効果は、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、年間約2.3兆円(’15年)とのことです」と語るのは、「ねこ経済新聞」編集長代理の廣田清さん。 [全文を読む]

殺処分ゼロとは

8万頭もの犬・猫が殺されている現状

82,902という数字。これが何を示していると思いますか?
これは、平成27年度、自治体に収容されやむなく殺処分された動物の数です。
この年、自治体に引き取られた動物(イヌ、ネコ)の総数は、136,724頭で、その約60%が残念ながら殺処分となっています。

犬・猫の殺処分数の推移

殺されていく動物たち

愛媛県動物愛護センター。県内の野犬や飼えなくなった犬・ネコ、保護された子犬、子猫などがここへ集められる。譲渡会により飼い主が見つからなかった命は、全てここで殺処分されることになる。獣医師の資格を持ちながら、殺すことを仕事にしなければならない職員。動物たちの最期がせめて安らかであるよう、黙々と収容室の床を磨き上げる職員。週に2回、殺処分のために処分機へ誘導された犬たちへ向けてガス注入ボタンを押し、その命が消える瞬間をモニターで見つめる。どんな作業も、ボタンひとつで終わる。

手放す飼い主の事情は

なぜこれだけ多くの動物が引き取られたのでしょうか?
その理由として、「引っ越すから」「仕事が忙しくなったから」「増えすぎてしまったから」「思っていたより大きくなったから」「子供ができて動物の面倒まで見れなくなったから」等々です。

なぜ殺処分する?

まず、犬に関しては「狂犬病予防法」に基づき、その処分方法が規定されています。飼い犬には狂犬病の予防接種が義務付けられていますが、飼い主のいない犬(野良犬)は狂犬病の蔓延を防ぐため、自治体職員によって捕獲・処分されることになります。野良以外には、飼い主の飼育放棄により施設へ持ち込まれる犬や、路上でケガをし、保護される犬などもいます。こちらは「動物愛護法」の規定に基づき、対処されます。
猫に関しては動物愛護法と各自治体で制定する条例が根拠法となり、処分されています。「狂犬病予防法」には猫に対する規定はなく、自治体職員による野良猫の捕獲・処分は基本ないのですが、そのほとんどは飼い主や飼い主以外の第三者による持ち込みと、飼い主以外からの要請による保護(捕獲と同義)・処分です。

犬・猫を大量生産する悪質なペット業者の存在

その答えが、工場で商品を大量生産するように子犬を大量にうませている「パピーミル業者」です。「パピー」というのは子犬のことで、「ミル」が工場、つまり「子犬生産工場」となります。パピーミルでは人気がある犬種の繁殖犬を何十頭も飼っていて、特別な知識も愛着もないままに、繁殖犬たちに子犬をどんどんうませています。実は子犬を繁殖するためには特別な試験も資格も必要なく、役所で書類を提出するだけで繁殖をはじめられるのです。そのためただお金儲けのためだけに犬を繁殖する人が増えてしまったのです。パピーミル以外にも「大量生産」はしないものの趣味やお小づかい稼ぎが目的のブリーダーなどがいます。

自治体の取り組み

減る殺処分、増える譲渡数

もちろん、保健所にペットを持ち込む飼い主は後を絶たないのだが、それでも全国的に殺処分数が減り、譲渡数が増えている傾向だ。<終生飼養>を掲げる自治体の取り組みは、成功しつつあるのだろう。

「殺処分ゼロ」を公約にした小池東京都知事

小池知事は都知事として初めて公約として、「東京での殺処分ゼロ」を掲げた。彼女自身、環境大臣の経験や、自民党動物愛護議員連盟の会長を務めていたこともあり、かねてより関心が高い問題だという。
滝川クリステル氏は2020年までに殺処分ゼロを目指すが、小池知事は「私はそれより前倒しにしたいと思っています。」と明言した。平成27年の東京都の実質の殺処分対象の動物は203頭。これは、「ゼロを目指せない数字ではない。」と小池知事は考える。「これからの日本の社会の在り方を考えるうえで、ペットと共生する日本社会をつくること。東京都でいい例を示せるようにしたい。」と意気込む。

その他「殺処分ゼロ」に取り組む自治体

「殺処分ゼロ」を達成した自治体もある

熊本市は2014年に「犬の殺処分ゼロ」を達成し全国から注目を集めた。熊本市動物愛護センターでは「職員が憎まれ役になってもいい」と安易な引き取りをやめ、不要になったペットを持ち込む飼い主を説得することから始めた。「この犬と暮らした日々を思い出してください」「引き取り手を真剣に捜しましたか?」。それでもひかない飼い主には、殺処分に立ち会わせることもした。さらには里親探しにも取り組み、やがてゼロを達成できたという。
その後、札幌市でも「犬の殺処分ゼロ」、神奈川県は「犬猫ともゼロ」を達成した。できないことはないのだ!

札幌が条例化「8週齢規制」とは?

動物は生まれてから8週間は親から引き離さない、という規制のことだ。動物は、離乳前の幼い内に親から引き離されると社会性が欠如し、吠えたり噛んだりする問題行動を取る傾向が強まることがわかっている。そればかりでなく、まだ抵抗力が十分でないため、伝染病などにかかりやすいなど、問題は多い。
そのため、多くの国で8週齢規制が行われているが、日本ではまだ法制化されていない。そうした中、札幌市では全国に先駆け、すべての犬猫の飼い主に「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するように努めること」と努力義務にする条項を盛り込んだ動物愛護条例の制定が3月上旬に予定されている。

全国初の「増やさない」条例を出した神戸市

神戸市では、飼い主のいない野良猫が増えて、ふん尿による悪臭や餌やりによる住民トラブルの原因になっているという。また、猫の殺処分の多くが子猫となっている。今回の条例案では、問題が生じている地域で、猫の不妊・去勢手術をおこなって、殺処分ゼロを目指している。
これまでも、京都市や和歌山県で、野良猫への餌やりを禁止する条例がつくられているが、野良猫の繁殖抑制に特化した条例は全国初となるようだ。

ふるさと納税も殺処分ゼロへ活用

かわいいねこグッズを続々発売しているフェリシモ猫部と神戸市の動物愛護支援事業がタッグを組んだ「ふるさと納税」がスタート。納税されたお金は、ミルクボランティアや不妊手術、健康管理などの動物管理センターの支援に使われ、 ねこも人間も幸せに暮らせる街 を目指していくそうだ。
ガバメントクラウドファンディングは、当社が企画・運営する、ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』( https://www.furusato-tax.jp/ )上で、自治体が「このプロジェクトのために寄附を募ります」と公表し、その使い道に限定して寄附を募る仕組みです。ガバメントクラウドファンディングでは、すべての寄附がふるさと納税の対象となるため、確定申告等の手続きを行うことで税金が控除されます。プロジェクトオーナーはすべて自治体のため寄附者は安心して参加できます。自治体の課題解決に、あなたの意思を反映することができます。

殺処分ゼロに取り組む有名人

メジャーリーガー・前田健太が支援を表明

愛犬家でもある前田は、早穂夫人とチャリティーイベントに参加。日本の殺処分数の多さは世界的にも非難され、社会問題にもなっている。今後は1勝ごとに金額を決めて寄付する基金設立など、継続的に支援していく考えを明かした。

杉本彩が語る「ペットを飼う時の心得」

―もう、国レベルの話なんですね。では、ペットと向き合う上での心得を教えてください!
杉本 動物が亡くなるまで面倒を見る“終生飼育”は絶対です。人間と一緒で、動物たちも老いていって介護が必要になるかもしれない。命を迎え入れる以上、本当に何が起こるかわからないってことを丸ごと受け止める覚悟と責任がないといけないわけです。

動物愛護活動の取り組みを表明したダレノガレ

笑顔で猫愛を語っていたが、一転して「保健所に猫ちゃんたちがいっぱいいる」と真剣なトーンで切り出すと「募集をかけたら引き取ってもらえる子もいるのに、そこで命を落としてしまう。せっかく生まれた命なので、ちょっとでも助けられたらいいなと。そういう活動をしていきたい」と動物愛護の活動へ意欲的に話していた。

殺処分される現状を訴えるつるの剛士

司会者に「不妊手術は苦渋の決断だったか」と聞かれ、「この子(メグ)の猫人生を考えた時に、飼い主として去勢させて責任を果たすのが大事だと思った」と言う。「毎日、猫だけで200匹が殺処分されているが、どう思うか」と問われると、「無責任な飼育放棄や、『ネコブーム』の裏にある乱繁殖を少しでも減らさないとこの現状は終わらないので、一人ひとりの飼い主が考えていかないといけない」と主張した。

SEKAI NO OWARI、動物殺処分ゼロ支援シングルをリリース

今作「Hey Ho」は、動物殺処分ゼロプロジェクト支援シングル。SEKAI NO OWARIは、殺処分ゼロの活動に実績がある認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」とともに、動物殺処分ゼロプロジェクト「ブレーメン」を立ち上げ、今作で生じる収益を支援に充てていく予定。「ブレーメン」では、譲渡シェルターや譲渡スペースの建設を目標に支援をスタートする。

企業の取り組み

従来の子犬・子猫の販売に加え、動物愛護センターやNPO法人の保護団体などと提携。現在は店舗のみならず、規定の譲渡条件を設けた上での譲渡活動も行っています。
2013年3月からスタートした譲渡活動で幸せを掴んだ保護犬は、これまでにおよそ700頭にものぼるのだとか(2016年10月現在)。

「保護犬」と出会えるペットショップ

環境省の統計によると、2015年度には犬1万5811頭、猫6万7091頭が殺処分されたといいます。その理由は引っ越しや多投飼育崩壊、予定外の出産など。人間の自分勝手な飼育から、運び込まれるペットは後を絶ちません。
そんなペットの命を繋ぎ、新たな生活を得る機会を――保護犬の譲渡に取り組み始めたのが、”Pets Always Come First(ペットを最優先に考える)”を唱えるペッツファースト株式会社でした。

犬猫と里親の「マッチングサービス」

飼いたいと思った子が見つかれば団体に申請を出し、団体は申請者のプロフィールを確認して里親候補を決定します。その後は団体ごとに異なりますが、譲渡会での面談や実際に里親候補の自宅で仮飼養してもらうトライアル期間を経て、正式に譲渡が決まります。譲渡には、団体が任意で設定した譲渡金(寄付)の支払いが必要です。なお、OMUSUBIを通じて譲渡された犬猫は一生涯、一般社団法人「つむぎ」(2016年12月設立予定)が提携する動物病院やペットサロンなどのサービスを通常よりも安く受けることができます。

楽しみながら保護猫の里親探しを

「楽しみながら、猫助け」がモットーで、「自走型保護猫カフェ」を運営するネコリパブリックが開催する「ネコ市ネコ座」は、猫好きな人が猫のために集まり、楽しみながら保護猫の里親探しの活動を支援できる場として、人気のイベントです。ネスレ ピュリナは「ネスカフェ 原宿」を「ネコ市ネコ座」の開催場所として提供し、また来場者へ飼い猫の健康・栄養に関する指導を行なうなどの全面的な支援を行い、11 月 5 日(土)~6 日(日)に「ネコ市ネコ座」初の東京開催を実現しました。

異彩を放つ活動の保護団体

殺処分ゼロを目標とする動物保護団体は多くありますが、そのなかでもこの東京キャットガーディアンの存在は異彩を放っています。
カジュアルに猫とふれあえるイベントやセミナーを開催するかと思えば、「猫つきマンション」「猫つきシェアハウス」などのユニークな不動産業にも進出。
そして、猫に関する相談を受け付ける「ねこねこ110番」、地域猫に対する不妊去勢手術を行っている「そとねこ病院」、ペット用品を購入することで保護活動に参加できる「Shippo TV」、ペット保険代理店の引き受けなど、他にも着手している企画は数え切れないほどです。

殺処分ゼロに向けてできること

ペットショップではなく保護施設からの引き取りも

犬を飼おうと思ったら、ほとんどの方はペットショップへ行くか、欲しい犬種が決まっている人であれば、直接ブリーダーのところへ向かうのではないでしょうか?しかし、それ以外にも保護施設(シェルター)から受け入れるという選択肢もあります。
保護施設とは、保健所などに連れてこられ殺処分になりそうな犬や猫を引き取り、新しい飼い主を探すなどの活動をしている団体が運営する施設です。

殺処分を減らすにはまず「捨てないこと」

「殺処分を減らすためには、『安易に犬や猫を捨てないこと』が重要になってきます。よくいわれるのが、『犬や猫を飼う以上、飼い主は最後まで面倒をみるべき』という意見です。これは正しい意見ではありますが、では、具体的な方法論としては、どうすれば多くの飼い主さんが最後まで面倒をみるようになるのでしょうか。

「安易に買わない」のも大事

つまり、私達犬を迎える側が、この現実を知り、真面目に取り組んでいる優良なブリーダーを選んだり、保護犬を迎えることに目を向けたりして、安易にペットショップで買うという選択がどういうことかを考えることです。
ペットショップで子犬が売れ続ける限り、乱繁殖はなくならず、結果「殺処分ゼロ」も絵に描いた餅になります。
政治家の方達も本当に「殺処分ゼロ」を実現させようと思うのなら、ぜひ根源の乱繁殖にメスを入れていただきたいものです。

避妊・去勢手術はなぜ必要?

まず過剰繁殖を制限することで、殺処分される猫の数を減らすことができます。平成26年度の猫殺処分数はかなり減ったとはいえ、8万頭をこえています。野良猫が外で産んでしまった数ばかりでなく、予期していなかった妊娠・出産で、飼いきれなくなって捨ててしまうというケースも少なくないでしょう。
猫は多いときは一度に5匹以上、出産することもあります。生まれてくる子猫全てに飼い主を見つけることができないのであれば、予め不妊手術を受けさせるのが不幸な猫の数を減らすことへとつながるのです。

愛子さまの飼い猫も動物病院からの譲渡

9月に動物病院から雄の子猫「セブン」を譲り受け、以前から飼っている犬の「由莉(ゆり)」、猫の「みー」と一緒にかわいがっているという。

ものすごく安易な言い方ですが、ペットも人間と同じ命ある生き物。飼うからには、最後まで愛情と責任を持って飼ってほしいものです。

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