特集2017年12月9日更新

フィギュアスケート・グランプリファイナル2017

ウィンタースポーツの華、フィギュアスケートの世界一を決めるグランプリシリーズのファイナルが、今年は日本の愛知・名古屋で12月7日より開催。男子は昨年、4連覇を達成した羽生結弦が不出場。新たな王者となるのは?宇野昌磨が羽生の穴を埋められるのか?女子は初出場の樋口新葉、復活を期す宮原知子の活躍に期待がかかります。結果と大会までの道のりと展望をまとめてみました。 ※男女シングルのみの情報となります。

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笠谷幸生さん(1971年)

「日の丸飛行隊」笠谷幸生さん死去 80歳 「マッサン」の贈り物から育ったジャンパー

東スポWEB / 2024年4月26日 10時35分

26日未明に訃報が流れたスキー・ジャンプの1972年札幌五輪金メダリストの笠谷幸生さんは、日本の冬季五輪史上初めて表彰台の頂点に立った選手だった。フィギュアスケートの妖精ジャネット・リン(米国)とともに大会の顔として歴史に名を刻んだ。 [全文を読む]

目次

グランプリファイナル 男子シングル結果

男子フリープログラム順位表

男子フリープログラム 競技結果
1位ネイサン・チェン(USA)286.51
2位宇野 昌磨(JPN)286.01
3位ミハイル・コリヤダ(RUS)282.00
4位セルゲイ・ボロノフ(RUS)266.59
5位アダム・リッポン(USA)254.33
6位ジェイソン・ブラウン(USA)253.81

【1位】 ネイサン・チェン(USA)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル男子はネイサン・チェン(18=米国)が初優勝した。フリーで4回転ジャンプを6本組み込んだ。バランスを崩すなどで成功は二つに終わったものの、SP2位宇野、同3位のコリャダもジャンプの失敗で得点を伸ばしきれず、SPからの首位を守った。
「優勝は光栄なこと。去年はファイナルにも出られないような状態だったけど、今年は出られた上に優勝もできた。本当に嬉しい」
昨年大会の2位から頂点に立った。平昌五冬季輪に向けては「重要なシーズン。まずは米国代表に入ること」と気を引き締めた。

【2位】 宇野 昌磨(JPN)

男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位から逆転優勝を狙った宇野昌磨(19)=トヨタ自動車=は184・50点の合計286・01点で2位だった。
宇野は冒頭の4回転ループで転倒したが、4回転サルコーやフリップは着氷。それでも後半にもジャンプミスが続き、わずか0・5点届かず、2位で大会を終えた。演技後は「体が動かなかったとかはないけど、氷との感触がうまくいかなかったところが後半にあった。でも、(4回転)サルコーとフリップが成功したのは良しとするかな」と振り返った。

【3位】 ミハイル・コリヤダ(RUS)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルに出場したミハイル・コリャダ(22=ロシア)はジャンプの失敗が響いて合計3位だった。
「焦ったところもあった。それがミスになった。疲れもあった」。フリー182・78点(3位)で、合計282・00点。GPファイナル初の表彰台に立ったロシアの新エースは「自分なりの目標は果たせた。それが何かは秘密です」と喜んだ。

グランプリファイナル 女子シングル結果

女子フリープログラム順位表

【1位】 アリーナ・ザギトワ(RUS)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子は昨季の世界ジュニア女王、アリーナ・ザギトワ(15=ロシア)が合計223・30点の自己ベストで初優勝を飾った。
8日のショートプログラム(SP)は2位だったが、演技後半に全てのジャンプを跳ぶ高難度の構成で逆転。ダブルアクセル―3回転トーループ、3回転ルッツは出来栄えで減点されたが、転倒などの大きなミスはなかった。「いい結果で終われてとても嬉しい」と静かに喜びをかみしめた。

【5位】 宮原 知子(JPN)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子で宮原知子(19=関大)は、合計213・49点で5位に終わった。
転倒なくジャンプをまとめたが、3つの回転不足でフリー4位の138・88点と得点が伸びず。「ジャンプは“あ~ダメだ”って思うのが何個かあって、その通りだった。それが事実」と判定を素直に受け入れた。
平昌五輪の代表が懸かる21日開幕の全日本選手権(東京)に向けて、コンディショニングがカギを握る。「ここ(ファイナル)で悔しい思いができて良かった」。前向きなエースが、全日本4連覇で五輪切符をつかみ取る。

【6位】 樋口 新葉(JPN)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子で樋口新葉(16=日本橋女学館高)は合計202・11点で最下位の6位に終わった。
フリーの128・85点、合計202・11点はともに今季自己ワースト。21日開幕の全日本選手権(東京)で初の五輪代表を狙う。「これ以上自信をなくさないように練習したい」と巻き返しを誓っていた。

グランプリファイナル愛知・名古屋2017出場選手

グランプリファイナルとは?

4年ぶりの日本開催となる決戦の舞台は、フィギュアスケートの人気が高い「愛知・名古屋」。
来年2月の平昌五輪を前にした最後の世界大会として、
「平昌五輪のメダルを占う」特別な戦いとなる。

試合・放送日程

男女ともに昨年王者不在。波乱のファイナル

男子シングルは4連覇の羽生結弦が欠場

第4戦(NHK杯)の前日に行われた公式練習で故障

今シーズンから大会に組み入れ、10月に成功したばかりの大技、4回転ルッツに挑んだのですが着氷に失敗。ひざが内側に折れ曲がるような不自然な姿勢で着氷してしまい、“右足関節外側靱帯損傷”と診断されました

ブライアン・オーサーコーチは「ケガをしてくれてよかった」

「もちろん驚いて心配していましたが“でも、ケガをしてくれてよかったのかも……”と語ったそうです。この言葉だけ聞くと“ケガをしているのに喜ぶなんて!”と思ってしまいますが、オーサーコーチは胸を撫で下ろすかのようにホッとしていたそうですよ」(同・スケート連盟関係者)
今回、羽生選手がケガをしたことで、少しでも身体を休ませることができると安堵したのです。練習量をいつもより落としたり、ケガのリスクの高いジャンプを削った構成に落ち着かせることができるのでは、と思ったのでしょう

女子シングルは2連覇のメドベデワが欠場

女子フィギュアスケートの平昌五輪の金メダル最有力候補のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が、右中足骨骨折で3連覇がかかるGPファイナル(7~10日、名古屋)を欠場することが1日、決まった。国際スケート連盟(ISU)が発表した。

11月21日にはロシアスケート連盟が「右足甲の骨のひびによる負傷」を発表していた

10月中旬に足の故障があり、それをケアしながら試合に臨んできていたのですが、先のNHK杯では優勝をしたもののフリースタイルで珍しくジャンプで転倒するなど精彩を欠き、ケガをしていることが広まっていた矢先でした。試合後に精密検査をして骨のひびが確認され、今はギプスをはめて固定している状態だそうです。

7位の宮原知子が繰り上がりで出場を決める

出場選手プロフィール:男子シングル

ネイサン・チェン(USA)

世界で唯一、5種類の4回転ジャンパー

「5種類の4回転ジャンプを駆使する選手です。それが全部成功するとなると、技術点はかなり高くなると思うので、日本選手にとってかなり強力なライバルになるんじゃないかと思います」(織田)

ジャンルだけでなく、昨年からアイスダンスのコーチが就任したことで表現力などのレベルアップに繋がっているようです。

チェンは、ジャンプはこれまで通りアルトゥニアンコーチに見てもらっていますが、昨年の夏からはアイスダンスのコーチであるマリナ・ズエワの元で練習をしているんです。その目的は、基礎のスケーティングや表現を強化するためです。男子フィギュアは華やかな4回転に目を奪われてしまいがちですが、ジャンプだけでは勝てないんです。スケーティング技術を磨き、ジャンプ以外のレベルをいかに上げ“トータルパッケージ”を仕上げるかが勝負なのです。

宇野 昌磨(JPN)

羽生と並ぶ、新・日本のエース

フランス杯は大会前にインフルエンザにかかったことも影響して、ジャンプに精彩を欠いた。進出を決めた地元名古屋市開催のGPファイナル(12月7日)に向けて「何かが悪かったと言うより、練習を積み重ねて、自分が満足いくパフォーマンスができるように、短期間だけどいい練習をしたいと思います」と復調を誓った。

ミハイル・コリヤダ(RUS)

王国ロシアの若きエース候補

セルゲイ・ボロノフ(RUS)

技術と表現力で4回転時代に立ち向かう30歳

アダム・リッポン(USA)

4回転は1回だけ。演技で勝負

金 博洋(CHN)

4回転時代の申し子と言われる天才ジャンパー

出場選手プロフィール:女子シングル

アリーナ・ザギトワ(RUS)

シニア転向1年目でいきなりGP優勝 15歳の天才少女

ケイトリン・オズモンド(CAN)

怪我と不調乗り越え充実のシーズン送るカナダの女王

カロリーナ・コストナー(ITA)

浅田真央と二度の五輪を戦った“盟友”

マリア・ソツコワ(RUS)

170cmの長身活かしたダイナミックな演技が魅力の17歳

樋口 新葉(JPN)

日本の新星、大舞台で“覚醒”するか

宮原 知子(JPN)

アメリカ大会で完全復活遂げた日本のエース

グランプリシリーズ ここまでの道のり

第6戦 アメリカ大会(11月25日 ~ 27日)

男子シングル 結果
1位ネイサン・チェン(USA)
2位アダム・リッポン(USA)
3位セルゲイ・ボロノフ(RUS)
女子シングル 結果
1位宮原 知子(JPN)
2位坂本 花織(JPN)
3位ブラディー・テネル(USA)

第5戦 フランス大会(11月18日 ~ 19日)

男子シングル 結果
1位ハビエル・フェルナンデス(ESP)
2位宇野 昌磨(JPN)
3位ミーシャ・ジー(UZB)
女子シングル 結果
1位アリーナ・ザギトワ(RUS)
2位マリア・ソツコワ(RUS)
3位ケイトリン・オズモンド(CAN)

第4戦 日本大会(11月10日 ~ 12日)

男子シングル 結果
1位セルゲイ・ボロノフ(RUS)
2位アダム・リッポン(USA)
3位アレクセイ・ビシェンコ(ISR)
女子シングル 結果
1位エフゲニア・メドベデワ(RUS)
2位カロリーナ・コストナー(ITA)
3位ポリーナ・ツルスカヤ(RUS)

第3戦 中国大会(11月3日 ~ 4日)

男子シングル 結果
1位ミハイル・コリヤダ(RUS)
2位金 博洋(CHN)
3位マックス・アーロン(USA)
女子シングル 結果
1位アリーナ・ザギトワ(RUS)
2位樋口 新葉(JPN)
3位エレーナ・ラジオノワ(RUS)

第2戦 カナダ大会(10月28日 ~ 29日)

男子シングル 結果
1位宇野 昌磨(JPN)
2位ジェイソン・ブラウン(USA)
3位アレクサンドル・サマリン(RUS)
女子シングル 結果
1位ケイトリン・オズモンド(CAN)
2位マリア・ソツコワ(RUS)
3位アシュリー・ワグナー(USA)

第1戦 ロシア大会(10月20日 ~ 21日)

男子シングル 結果
1位ネイサン・チェン(USA)
2位羽生 結弦(JPN)
3位ミハイル・コリヤダ(RUS)
女子シングル 結果
1位エフゲニア・メドベデワ(RUS)
2位カロリーナ・コストナー(ITA)
3位樋口 新葉(JPN)