特集2017年4月24日更新

どんな未来、どんな新製品が!? iPhone10周年

2007年にiPhoneが初めて発売されてから今年で10年。そこで歴代のiPhoneを振り返るとともに、“10周年記念モデル”として期待が高まっている次期iPhoneの情報をまとめてみました。

iPhoneファミリーの10年

初代iPhone

2007年1月9日発表 6月29日発売(日本は未発売)

初代のiPhoneは2007年1月に発表され、6月にアメリカで発売されました。ちなみに、当時の日本では初代iPhoneは未発売で、日本での発売は08年の「3G」まで待つことになります。
当時AppleのCEOだったスティーブ・ジョブズ氏が発表の基調講演で発した“Today Apple is going to reinvent the phone.(今日、Appleは電話を再発明する)”の言葉どおり、初代iPhoneの誕生を境に携帯電話の歴史は大きく変わりました。

なお、この初代iPhoneは10年目を迎えた今年1月、使用していた2G回線の終了により通話が不可能に。改めてその役割を終えました。

iPhone 3G

2008年6月9日発表 7月11日発売

2008年に日本でも発売され、大ブームを巻き起こしたiPhone 3G。当時の日本での対応キャリアはソフトバンクのみでした。
「3G」という名前で勘違いしそうですが、「3代目」ではなく「2代目」です。「3G」は3G回線に由来しているそうです。

iPhone 3GS

2009年6月8日発表 6月19日発売(日本は26日発売)

3GSの「S」は「Speed」の意味で、3Gとの最大の違いはアプリの起動など多くの処理速度が高速化された点。そのほか、オートフォーカスなどカメラ機能が強化され、音声認識機能も搭載された機種です。
基本機能のバージョンアップとなる「S」シリーズが1年後に発売というのは、今でも継承されていますね。

iPhone 4

2010年6月7日発表 6月24日発売

3GSの12.3mmから9.3mmと大幅に薄型化し、直線的でよりスタイリッシュなデザインとなって世間を賑わせたiPhone 4。大きく変化した外観だけでなく、のちにMacなどにも搭載される高精細液晶「Retinaディスプレイ」の鮮明さや文字の滑らかに衝撃を受けたユーザーも多かったのでは?

iPhone 4S

2011年10月4日発表 10月14日発売

4Sが発表された2011年10月4日は、同年8月までCEOを務めていたジョブズ氏が亡くなった前日。それゆえ「4Sは“for Steve”を意味している?」との噂も流れましたが、のちに「Siri」のSであることが明らかにされています。
その由来どおり、現在ではおなじみの音声アシスタント機能「Siri」のほか、クラウドサービス「iCloud」も初搭載。また、日本では対応キャリアにauが参入した点も大きな話題となりました。

iPhone 5

2012年9月12日発表 9月21日発売

iPhone 5の一番大きな変更点は、ディスプレイが従来の3.5インチから4インチになったこと。縦長になって大型化しつつも、大幅な薄型化と軽量化も実現しました。また、新たなコネクタ「Lightning」が導入されたのもこのモデルからです。

iPhone 5s / 5c

2013年9月10日発表 9月20日発売

ハイエンドモデルの5sと、5色のカラーバリエーションを用意した廉価版の5cが同時発売。このモデルから国内キャリアにNTTドコモが加わりました。

上位機種の「iPhone 5s」は、ゴールド、シルバーおよびスペースグレーの3色展開。世界で初めて64bitのA7チップを搭載し、処理速度が「iPhone 5」の2倍まで向上した。
廉価版となる「iPhone 5c」は、従来の金属でなくプラスチック製の本体を採用。機能は「iPhone 5」とほぼ同等で、ブルー・グリーン・ピンク・イエロー・ホワイトの5色展開が最大の特徴となる。

iPhone 6 / 6 Plus

2014年9月9日発表 9月19日発売

さらなるディスプレイの大型化、全体の薄型化が図られたiPhone 6および6 Plus。古くからのiPhoneユーザーからは「ディスプレイが大きすぎる!」といった不満の声も聞かれました。ほかにも、タッチスクリーンが反応しなくなる「タッチ病」の問題や、6 Plusは力を入れると折れ曲がるという噂が発生するなど、いろいろと物議を醸したモデルともいえます。

タッチ病(touch disease)と呼ばれるこの不具合は、スクリーン上部に灰色のバーが現れるところから発症し、しばらくするとスクリーンが全く反応しなくなるもの。

iPhone 6s / 6s Plus

2015年9月9日発表 9月25日発売

ディスプレイを押す力を感知することで基本操作を素早く実行できる新機能「3D Touch」が搭載され、販売開始からわずか3日間で1300万台以上販売されましたが…

しかし、大型化による成長にも頭打ち感が漂っている。現行のiPhone「6S」と「6S Plus」の売上は前年からほぼ横ばいに止まり、出荷台数の伸び率は2007年のiPhoneリリース以来最低の0.4%だった。販売台数は7480万台を記録したが、これは決して誇れる数字では無い。アップルは決算発表でこの数字に触れなかった。

iPhone SE

2016年3月21日発表 3月31日発売

6と6sでAppleが打ち出した「大型化」は評価された面もありつつ、上記のように否定的な声もありました。そこで、小型なモデルを求めるユーザーの声を受けて発売されたのが、このiPhone SEです。したがって5sの後継機的な位置づけで、ナンバリングからは外れています。

画面の大きさや解像度はiPhone 5sと同じ。背面カメラは800万画素から1,200万画素に変更になり、4K動画も簡単に撮影できる。シャッターを切った瞬間の前後合計3秒間の動画と音声を保存する「Live Photo(ライブフォト)」機能も使える。

iPhone 7 / 7 Plus

2016年9月7日発表 9月16日発売

現時点での最新モデル。イヤホン端子が廃止されることが発表前から噂され、大きな話題となっていました。実際にイヤホン端子が廃止されたほか、おサイフケータイ対応や防水・防塵機能などが大きなポイントとなっています。

今回の最大の目玉となるのがFeliCa対応だ。おサイフケータイ非対応のためiPhone購入をあきらめていた人たちにとって新規導入の追い風になるのは間違いない。これまでiPhoneシリーズを一度も購入したことのない筆者でも、FeliCa対応なら買ってもいいかなと思ったくらい。

歴代iPhone比較

歴代iPhoneの比較表です。特に高さや厚さ、重量などの変化を見ると、「進化の歴史」といいますか、Appleの狙いみたいなものが見えてくるかも?

モデル名 高さ 厚さ 重量 画面サイズ 初期OS  発売日 
(mm) (g) (インチ)
iPhone 115.0 61.0 11.6 135 3.5 iOS 1.0 2007年6月29日
iPhone 3G 115.5 62.1 12.3 133 3.5 iOS 2.0 2008年7月11日
iPhone 3GS 115.5 62.1 12.3 135 3.5 iOS 3.0 2009年6月19日
iPhone 4 115.2 58.6 9.3 137 3.5 iOS 4 2010年6月24日
iPhone 4S 115.2 58.6 9.3 140 3.5 iOS 5 2011年10月14日
iPhone 5 123.8 58.6 7.6 112 4 iOS 6 2012年9月21日
iPhone 5s 123.8 58.6 7.6 112 4 iOS 7 2013年9月20日
iPhone 5c 124.4 59.2 9.0 132 4 iOS 7
iPhone 6 138.1 67.0 6.9 129 4.7 iOS 8 2014年9月19日
iPhone 6 Plus 158.1 77.8 7.1 172 5.5 iOS 8
iPhone 6s 138.3 67.1 7.1 143 4.7 iOS 9 2015年9月25日
iPhone 6s Plus 158.2 77.9 7.3 192 5.5 iOS 9
iPhone SE 123.8 58.6 7.6 113 4 iOS 9.3 2016年3月31日
iPhone 7 138.3 67.1 7.1 138 4.7 iOS 10 2016年9月16日
iPhone 7 Plus 158.2 77.9 7.3 188 5.5 iOS 10

10周年の新機種は?

年内に発売が噂される次期iPhoneは10周年を記念したモデルとして期待が高まっていて、多くの噂やリーク情報、予測などが届いています。その中から気になるものをまとめてみました。

「iPhone 8」?「iPhone Edition」?「iPhone X」?

名前の候補には「iPhone 7S」や「iPhone 8」「iPhone Edition」「iPhone X」等が囁かれており、なかには単に「iPhone」になるとの説まである。

3つのモデルを発売?

様々な情報を総合すると、恒例のバージョンアップ版「iPhone 7s(仮)」と「iPhone 7s plus(仮)」に加えてハイエンドモデルの「iPhone 8(仮)」、計3モデルが発売される見込み…という噂が有力のようです。

次世代iPhoneについてはこれ以前から、現行機種の強化版となる7s/7s Plusに加えて、上位機種のiPhone 8がラインアップされるとうわさされていました。

コードネームは「フェラーリ」

アップルは来年D20、 D21、D22と内部で呼ばれる3端末をリリースする(iPhone 7と 7 Plusの場合はそれぞれD10、D20との名前で開発が進められた)。資料によるとアップルは3機種のうちのハイエンドモデルをフェラーリと名付けたという。

ホームボタン廃止?

ホームボタンは非搭載となり、FaceTimeカメラが液晶面に統合され、全面液晶ディスプレイ化されるようだ。

ホームボタンが廃止となる点については、ほぼすべての記事が言及しているような状況です。

Touch IDの搭載位置は?

Gurmanによるとアップルの当初の計画の、タッチID指紋センサーのメインディスプレイへの統合は、技術的困難に直面しており「この機能が最終的な製品に投入されるかどうかは不明だ」というのだ。
これは筆者が以前にその可能性にふれた、アップルの冴えない代替案を裏付ける。それは「指紋センサーを端末の後ろ側に設置する」というプランだ。

この問題による「発売延期」の噂も…

なんでもTouch IDのディスプレイへの統合に手間取る場合には発売を延期、あるいはTouch IDの廃止の可能性もゼロではないんだとか…。

コネクタがLightningからUSB-Cに?

The Wall Street Journalの報道によれば、
(中略)
AppleはiPhone 8のコネクターとしてLightningコネクターの代わりにUSB-Cコネクターを採用します。

ステンレス&ガラスを採用?

現段階ではステンレスのフレームをガラスで挟んだデザインを採用しています。また、ステンレスはApple Watchのステンレスモデルのように磨かれた、つややかな質感になるとのこと。

曲面ディスプレイの採用は見送り?

「アップルは曲面ディスプレイの採用を今回は見送る。3Dガラスの製造工程に問題が発生しており、落下テストの結果も思わしくない。これにより次期iPhoneには現行モデルと同じ2.5Dガラスが採用される」
ディスプレイには有機ELを採用するようだが、Galaxyのような曲面ディスプレイではなく、従来型のフラットディスプレイのようだ。

「無線充電」搭載される?されない?

KGI証券のミンチー・クオ氏の発言によると、今年登場する3モデルのiPhone 8は全モデルに無線充電機能が搭載されます。
噂された遠隔ワイヤレス充電(数メートルの距離から充電が可能)機能は搭載されないという。

上の記事は2月14日、下の記事は3月4日に配信されてきたものです。果たして「無線充電」は搭載されるのでしょうか?

価格は12万円超え?

製造コスト上昇のほか、円安ドル高傾向にある最近の為替レートを考慮した場合、現在最高値であるiPhone7Plusの256GBモデルの107,800円(税抜)を凌ぎ、12万円を超える可能性が懸念されている。

9月に予約スタート?

予約は9月中に開始すると新たに見込まれました。しかしそのiPhone 8は3Dセンシング技術の実装の難しさから、出荷は数週間遅れるとか。

「11月ごろ発売」の情報も

「Appleが新型iPhoneの発売を10月から11月に延期する可能性がある」とする台湾の経済日報(Economic Daily News)の記事をもとに、複数の海外メディア(DIGITIMESやubergizmoなど)が「iPhone 8」に言及しています。

未来のiPhoneはどうなる?

最後に、Appleが取得、もしくは出願した特許の情報をもとにして「未来のiPhone」に思いを巡らしたいと思います。

iPhone名物“画面バキバキ”が減る?「スマホ版エアバッグ」

Appleはどうやら落下する際に自動的にバンパーが飛び出す特許を取得したようです。これにより、落下してもバンパーが端末を保護、画面割れを防ぐわけです。そもそも落下するという情報をどのように取得するのかというと、本体のジャイロ・加速センサーなどで落下を検知し、その瞬間バンパーが出てくる。それがクッションになり、デバイスを保護する仕組みのようです。

ネットでは早期実用化を望む声

アップル社の特許取得を受け、ツイッターやネット掲示板には、
「これで割れなくなるなら嬉しい!」
「うわー、これは嬉しい機能。実現して欲しい」
「これが実装されたらiPhone名物画面バキバキが減ってしまうんだろうか」
などと早期の実用化を望む声が数多く出ている。

iPhoneが“パカパカケータイ”に?

USPTOで公開されたのは、Appleが取得したフレキシブルディスプレイ端末の特許だ。タイトルもずばり、「FLEXIBLE DISPLAY DEVICES」と記されている。
掲載されたイラストを見ると、ガラケーのように二つ折りにできることがわかる。

iPhoneに限らず最近のスマートフォンは大型化が進み、高性能化が嬉しい反面、「ガラケーのように折りたためないかな?」と感じているユーザーは多いはず。iPhoneに「パカパカケータイ」並みの携帯性。そんな望みもAppleは叶えてくれるかもしれません。

iPhoneとMacBookが合体?

この特許はiPhoneやiPadがコンピューターの頭脳として働きます。つまりMacBook風の端末はディスプレイやキーボード、外部接続端子を搭載しただけの「ガワ」。iPhoneやiPadがそのマシンパワーの中心となるのです。

次々と思いもよらない機能を搭載したモデルを発表して人々を驚かせてきたiPhoneですが、近年ではライバルメーカーの台頭や技術的な進化の頭打ち、さらにはリーク情報の蔓延もあり、新モデルの発表に対して期待する熱が冷めてきている感はあります。
しかし、ジョブズ氏の“reinvent the phone”の言葉どおり、iPhoneの登場で携帯電話の概念が大きく様変わりしたのは間違いなく、いまだに「Appleは何かやってくれるはず」という期待を抱いているユーザーは多いはずです。今後のiPhone、そしてAppleの新製品にも注目していきたいですね。