特集2017年9月2日更新

各地で混乱も Jアラート鳴ったらどうすれば?

8月29日早朝、全国瞬時警報システム「Jアラート」の警報が鳴り響き、ミサイル発射のニュースが日本全国を駆け巡りました。このシステム、以前からたびたび話題にはなっていたものの、警報音を聞いたことがない、どういうシステムなのかいまいちわからない、という方もまだまだいらっしゃるのではないでしょうか?今知っておきたい、Jアラートについての情報をまとめました。

目次

最新ニュース

主な地域震度

青森、岩手で震度5弱 M6.0、津波なし

共同通信 / 2024年4月2日 9時41分

2日午前4時24分ごろ、青森県と岩手県で震度5弱の地震があった。気象庁によると、震源地は岩手県沿岸北部で、震源の深さは約71キロ。 [全文を読む]

Jアラートの警報音に困惑、混乱する人々

北朝鮮がミサイルを発射

8月29日、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過

日本政府の発表によれば、北朝鮮が29日午前5時58分頃に発射した弾道ミサイルは、6時7分ごろ北海道の上空を通過し、襟裳岬沖の東 1180キロの太平洋上に落下した。

8月30日、「火星12」の発射を指揮したと北朝鮮メディアが報じる

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は30日、金正恩朝鮮労働党委員長が米韓合同軍事演習への対抗措置として29日に中距離弾道ミサイル「火星12」の発射を指揮したと報じた。

早朝に鳴り響く警報音

8月29日6時14分に警報発令

日本政府は、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)を29日6時14分に発表した。
内容は「ミサイル通過。ミサイル通過。先程、この地域の上空をミサイルが通過した模様です。不審な物を発見した場合には、決して近寄らず、直ちに警察や消防などに連絡して下さい」というもの。

アナウンサーが 「避難してください!」

午前6時2分のことだった。それまでニュースを流していたテレビ画面が一瞬にして暗転、“真っ黒”な背景のJアラートに変わり、「国民保護に関する情報」というタイトルがデカデカと映し出された。その下には赤い太い線が引かれ、さらにその下に文字で「北朝鮮からミサイルが発射された模様」と警告。その間、アナウンサーが北海道、東北、栃木、茨城など次々と自治体を呼び上げ、「対象地域の方は頑丈な建物や地下に避難してください!」と強い口調で繰り返した。

八戸ではJアラートに気を取られたことによる交通事故が発生

八戸市内では午前6時半ごろ、交差点でトラック同士が衝突。運転手のひとりは「携帯電話に入ったJアラートに気をとられていた」と語った。

JR東日本も列車を停止

対象地域となった東北地方や北関東などを運行エリアとするJR東日本は、ミサイル発射の情報を受けて本社の運行指令から各支社などの運行指令に列車の停止を指示。Jアラートによる情報が発信された6時02分以降、東北・上越・秋田・山形・北陸の各新幹線のほか、在来線66線区のうち48線区で一時運転を見合わせた。

Jアラートへの反応

著名人、芸能人の反応

堀江貴文

北朝鮮の弾道ミサイル発射により、Jアラートが29日早朝に発令されたことを受け、元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏は公式ツイッターで「マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」と批判。ネット上では反論が殺到し、物議をかもした。

上西小百合

桂 春蝶

志尊淳

スポーツ界への影響・反応

プロ野球

29日午前6時2分、旭川市内のソフトバンク宿舎で携帯電話がけたたましく鳴った。北朝鮮のミサイル発射を伝えるJアラート(全国瞬時警報システム)だ。工藤監督は「びっくりしたよ」と振り返る。飛び起きた松田は「起きてカーテン開けて空を見ました」と興奮冷めやらぬ様子だった。なかなか寝付けなかった選手もあり、少なからず影響はあった。一方で柳田は「起きましたけど、すぐ寝られました」とマイペースぶりを発揮。
北海道の襟裳岬の上空を通過した北朝鮮の弾道ミサイル。旭川に滞在している日本ハムの選手らチーム関係者の多くは午前6時すぎに携帯電話で鳴り響いた全国瞬時警報システム(Jアラート)の音で目覚めるなど、不安の朝を迎えた。
一方、仙台市に本拠を置くプロ野球の楽天は、多くの選手が午前6時台に目を覚ました。同市泉区の犬鷲寮で寝ていたがスマートフォンからの警報音で跳び起きたと言うオコエは「マジビックリしましたよ。すぐまた寝られたのでよかったですけど」と驚きを隠せなかった。ナイターの楽天戦に備えて同市内のホテルに滞在していた西武ナインも慌ただしい朝を迎え、秋山は「ズボンをはいて外に出る準備をしました」と苦笑いだった。

Jリーグ

またサッカーJ1のベガルタ仙台は29日、Jアラート配信を受け、全選手に一時自宅待機を命じるなど対応に追われた。「驚いた。練習できるのかという心配があった。マネジャーを通じて全選手に自宅待機を伝えた」と渡辺晋監督(43)。その後、仙台市内での全体練習は午前中に予定通り行われた。クラブは30日のルヴァン杯ホーム・鹿島戦に向け、Jアラート配信時の対処方法などを公式HPに掲載した。

競馬

Jアラートが鳴ってから12分後の午前6時14分、調教中断の指示が出された。居合わせた数人のJRA職員が関係者に口頭で伝えたが、コース内には約80頭ほどの競走馬が調教を行っていた。促されるようにゆっくりと引き揚げてきたが、そのまま調教を続ける競走馬もいた。全体的に「調教中断」を周知できないまま、「ミサイル通過」を知らせる2度目のコール音が鳴った。
最終的に約10分間の中断で調教を再開。調教時間は通常よりも30分延長となった。

一般人の反応

起きて気づいた人

寝ていて気づかなかった人

宿泊先での対応をツイートした人

今回の反応をまとめたツイート

Jアラートのタイミングを分析するツイートも

今回のミサイルは日本上空を通過しただけに終わったため「飛び越すだけなのにアラートが必要だったのか?」という意見も多く出ました。それを受けて投稿されたのがこちらのツイートです。ミサイルの軌道のパターンと、なぜアラートが必要だったのかをわかりやすく説明してくださっています。

そもそもJアラートとは

どんなシステム?

北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性があると判断した場合、政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を使用し、緊急情報を伝達する。Jアラートを使用すると、市町村の防災行政無線が自動的に起動し、屋外スピーカーから警報が流れるほか、携帯電話にエリアメール・緊急速報メールが配信される。
このため、緊急速報メールに対応しているスマートフォンは、Jアラートによる情報を受信できる。受信するには設定をオンにしておく必要がある。

「鳴らなかった」トラブル

システムの不具合

Jアラートをめぐっては、今回対象となった12道県の一部市町村で防災行政無線の放送が流れないなどの不具合が起こり、一時混乱する場面もあった。同課によると、千葉県では今月17日、北朝鮮のグアムへのミサイル発射を警戒して国から各都道府県にJアラートの点検の要請があった際、防災行政無線といった機器などの確認を進め、問題はなかったという。点検は随時行われているといい、同課は「引き続き関係機関と緊密な連携をとり的確な対応をとれるよう努めたい」としている。

24市町村で機器作動せず

しかし、24市町村では防災行政無線が自動で起動しないなどのトラブルがあった。このうち20市町村では機器の設定ミスが原因と確認された。機器が故障していたケースも2町村であった。ミサイルが上空を通過した北海道えりも町など2市町では現在も、原因を突き止められていないという。

そもそも非対応のスマホである可能性

総務省によれば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク(ワイモバイル含む)など大手通信事業者が提供するスマホのほとんどが、緊急速報メールに対応しているという。大手通信事業者の販売した端末を、同系列の仮想移動体通信事業者(MVNO)で使用する場合も受信可能だ。対応機種は各社サイトから確認できる。
事業者ごとにサイト上で対応端末の一覧を公開しているので、自分の携帯が緊急メールに対応しているか、念のため確認してみると良いでしょう。端末が対応していても設定でOFFになっていたら意味がないので、設定の確認も忘れずに(初期設定は原則ON)。
また、特に確認が必要なのは格安スマホ(MVNO)に契約している場合。iPhone端末であれば基本的に受信可能ですが、Android端末は機種によって対応していないこともあり、事業者によっては「Yahoo!防災速報」アプリのインストールを推奨している場合もあります。
なお、Jアラートは全国で一斉に流れるものではなく、危険と判断された地域に限り発令れるのも一つの特徴です。

奥野副大臣「利用者が勉強を」発言を撤回

北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた全国瞬時警報システム「Jアラート」でのスマートフォンの受信トラブルを巡り、所管する総務省の奥野信亮副大臣が30日の参院外交防衛委員会で「使っている方がもう少し勉強していただければ」と発言した後、自ら撤回する場面があった。

警報音が鳴ってから行動できる時間は?

今回の弾道ミサイル発射では2回アラートが流れました。防衛省サイトによると、ミサイルは午前5時58分ごろ発射され、午前6時5分から7分頃にかけて北海道上空を通過。午前6時12分頃に、北海道襟裳岬の東約1180キロの太平洋(日本のEEZ外)に落下したと推定されています。このうち、発射から約4分後に「発射された模様」と最初のアラートがあり、日本上空通過後の7~9分後に「ミサイルが通過した模様」と発表されました。

つまり、警報音が鳴ってから私たちが行動できる時間は3、4分程度ということですね。これを長いと見るか短いと見るかは意見が分かれるようです。

『4分』は長いか短いか

短いとする意見

発表からわずか4分。いや、実際に国民が情報を入手してからは、最大でも2~3分しかないかもしれない。「どこに避難すれば? まず情報収集だな。テレビをつけて…」などとやっている間に、ミサイルはとっくに頭の上を通過していたのである。北朝鮮が日本国土を狙っていれば、Jアラートに気付いてテレビをつけたと思ったら、もう火の海になっていてもおかしくない。

じゅうぶんだとする意見

警報が鳴ったら何をすべき?

数分の間でもできることがある

内閣官房「国民保護ポータルサイト」では、弾道ミサイル落下時の行動について掲載。弾道ミサイルは発射からわずか10分もしないうちに到達する可能性があるという。メッセージが流れたら、屋外にいる場合は「できる限り頑丈な建物や地下に避難する」、建物がない場合は「物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る」、屋内にいる場合は「窓から離れるか、窓のない部屋に移動する」とある。

避難先に適切な建物は?

お隣、韓国の対応は?

韓国政府が北朝鮮によるミサイル発射を通報したのは午前6時6分。北朝鮮のミサイルが韓国に到達するまでの予想時間3〜7分を超える9分後に発表されたことになる。記事は「万一の事態が起きていたら、韓国国民は日本国民と異なり避難する時間がなかった」と指摘した。
この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「反省すべきだ」「国の体をなしていない」「韓国にはレーダーもないのか」「韓国政府はなぜ沈黙している。沈黙は金か?」など対応が遅れた韓国政府への批判の声が寄せられた。

危機管理への意識や対策

年代別、スマホでのJアラートへの対策

■Jアラート対応アプリを入れているのは1割未満
しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,342名に「Jアラート」について調査したところ、「対応アプリをインストールした」と回答したのは8.3%と1割未満。

学校の対策

文部科学省では、学校の危機管理マニュアルを作成しており、これをもとに各学校の状況に合わせて作成するように指導しているという。また、学校安全のために文部科学省や都道府県などで実施している取組みやこれまでに作成した資料などをWebサイト「文部科学省×学校安全」に掲載している。
北海道滝川市と岩見沢市は共同で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を9月1日に実施する。滝川市では東滝川地区転作研修センターとその周辺、岩見沢市では市立メープル小学校とその周辺で児童や教職員、住民が避難を実施する。また、秋田県由利本荘市や兵庫県西宮市、石川県輪島市などでも弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施する。

企業の対策

NTTレゾナントは8月28日、「企業の防災意識と取り組みに関する調査」の結果を発表した。これによると、大規模テロ情報や弾道ミサイル情報などを発信するJアラート通知後の対策がまったく決まっていない小規模企業は51%に達するという。
大規模テロ情報や弾道ミサイル情報などを発信するJアラートへの姿勢を尋ねたところ、「対応すべきと思う」という回答が企業規模を問わず80%を超えている。しかし、実際にJアラートの通知が来た時に対策をすでに決めているという企業は、大規模企業で24%、中規模企業で17%、小規模企業で14%にとどまった。また、対策が全く決まっていないという回答は、小規模企業で51%、中規模企業で45%、大規模企業で38%に上る。

Jリーグクラブの対策

J1ベガルタ仙台は29日、北朝鮮からのミサイル発射後のJアラート配信を受け、30日のルヴァン杯準々決勝のホーム・鹿島戦(午後7時、ユアスタ)における注意喚起、対処方法、行動について公式HP(http://www.vegalta.co.jp/)に掲載した。

鉄道会社の対策

東洋経済オンラインでは、今回のミサイル発射に伴うJアラートに対する、鉄道各社の対応をまとめています。

JR東日本

同社では基本的なスタンスとして、Jアラートやエムネット(緊急情報ネットワークシステム)でミサイル発射の情報を得た場合は「対象地域内の列車と対象地域へ向かう列車について、走行中なら停車させ、停車中なら抑止する」と定めているという。
このため、今回の対象地域外だった東京都心部でも、茨城や栃木、群馬方面に向かう宇都宮線や高崎線、常磐線などが影響を受けた一方、山手線など都心部のみを走る路線は通常通りの運行を続けた。

東京メトロ

東京メトロによると、4月の時点ではJアラートのほか、ミサイル発射の報道があった場合でも運転を見合わせることにしていたが、その後「Jアラートが鳴った場合」に基準を見直した。「今回はJアラートの対象地域ではなかったため、運転見合わせはしなかった」という。

相模鉄道(相鉄)

神奈川県内を走る相模鉄道(相鉄)は、6時02分から全線で一時運転をストップした。同社はミサイルが関東地方に飛来した場合は運行を見合わせることにしているといい、今回は「北関東(茨城、栃木、群馬)がJアラートの対象地域に入っていたため、そのルールにのっとって停めた」。相鉄線は一部で米海軍厚木基地の敷地横を通っているが「それは運転見合わせには関係ない」という。

多摩都市モノレール

都内の多摩地区を南北に走る多摩都市モノレールも、6時08分から約9分の間、全線で運転を見合わせた。同社の場合は「基本的にJアラートやエムネットでミサイル発射の情報が入れば、運転は直ちに見合わせることにしている」。都内は今回、Jアラートの対象地域ではなかったが「担当者が万全を期してストップさせた」という。

名古屋鉄道(名鉄)

Jアラートの対象地域が北海道や東北地方など東日本エリアだったため、インターネット上では「なんで北海道にミサイルが飛んで名鉄が停まるのか?」「台風でも停まらない名鉄がなぜ」といった声も見られたが、同社によるとその理由は「運行エリアに隣接する長野県がJアラートの対象地域に入っていたため」だ。
ミサイルが発射された場合、名鉄では「運行エリアがJアラートの対象地域に入っている場合に運転を見合わせる」のが基準だが、今回は万全を期して全線を停止させたという。同社によると、6時02分にエムネットの情報を受けて運転指令から停止を指示し、6時06分までに運行中の全列車をストップ。ミサイル通過の情報が出た6時17分に運転を再開した。

JR東海

逆に、対象地域内でも列車を停めなかった鉄道会社もある。JR東海は、中央西線と飯田線が対象地域となった長野県内を通っているが、今回のミサイル発射では運転見合わせはしなかった。
同社は「エムネットやJアラートで『ミサイル発射情報・避難の呼びかけ』があり、当社エリア内に飛来するおそれがあると判断した場合、列車を停止させる」という方針だが、今回に関しては「情報を複合的に勘案し、当社エリア内に飛来するおそれはないと判断したため」だ。

各自治体の対策

ちょうどいいタイミングというべきかなのかわかりませんが、3日後の9月1日は「防災の日」ということで、全国各地で防災訓練が行われました。ミサイル飛来を想定した訓練を行った自治体も少なくなったようです。

北海道滝川市

東滝川地区で午前9時、住民に「訓練 ミサイルが発射された模様です」との緊急速報メールが送られた。公園にいた高齢者ら計約150人が隣接する研修センター体育館に避難し、体を伏せて手で頭を覆うなどの行動をとった。東町連合町内会の米田裕紀会長(78)は「訓練の前に(ミサイル発射という)本番があり、緊張感があった」と振り返った。

青森県つがる市車力町

米軍車力通信所にはミサイル防衛用早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」が配備されており、市民から不安の声が上がっていた。 訓練は、弾道ミサイルが国内の領域や海域に落下することを想定。町内にJアラートを模したサイレンが鳴り響くと、車力中では授業を受けていた生徒がグラウンドから屋内に退避したり、音楽室からトイレに逃げこんだりして、近くに窓がない場所で頭を抱えて身を守る姿勢をとった。

今後も増える「ミサイル想定」の防災訓練

下の画像は、8月30日時点での政府と地方自治体が実施した弾道ミサイルの避難訓練の表になります。毎日新聞の記事によると当初は訓練に意味があるのかという苦情が寄せられる事もあったものの、3月に北朝鮮が「有事に日本駐屯米軍基地を攻撃する」と発表、専門家も「米軍基地や原発を狙う可能性は否定できない」と語っており、こういった訓練を行う自治体は増えていきそうです。一方で攻撃の対象となりそうな施設のある自治体でも、様々な事情から訓練の予定のないところも多いようです。

ただ、こうした施設がある自治体で国の訓練は未実施だ。基地が集中する沖縄県では昨年2月、ミサイルが上空を通過したが、県の担当者は「国の要請は市町村に伝えたが、具体的な計画はない」と語る。アジア有数の米空軍基地がある嘉手納町の担当者も「基地があるから危険という説明は政府に聞いていない」。
廃炉が決まったものも含め原発15基を抱える福井県も実施していない。担当者は「訓練は住民に動いてもらう必要がある」と慎重だ。一方、高橋さんは「着弾する可能性は決して大きくないが、避難訓練を行うならば標的になり得る基地や原発、避難先となる地下街の多い都市部を優先すべきだ」と指摘する。

内閣官房『国民保護ポータルサイト』に紹介されている対策

国民保護ポータルサイトによると、ミサイルが日本に落下する可能性がある場合は防災行政無線でサイレン音とともにメッセージを流すほか、緊急速報メールなどでも緊急情報を知らせるとのこと。
そして、これらのサイレンやメッセージが流れたら、「直ちに以下の行動をとってください」としています。

【屋外にいる場合】
近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する
【近くに適当な建物がない場合】
物陰に身を隠すか地面に伏せて頭部を守る
【屋内にいる場合】
できるだけ窓から離れ、できれば窓のない部屋へ移動する

近くにミサイルが落下したら…

実際にミサイルが着弾してしまった際の行動についても知っておきたいところです。
近くにミサイルが落下した場合は…

【屋外にいる場合】
口と鼻をハンカチで覆い、現場から直ちに離れ、密閉性の高い屋内または風上へ避難する
【屋内にいる場合】
換気扇を止め、窓を閉め、目張りをして室内を密閉する

上で紹介した2つのPDF「弾道ミサイル落下時の行動について」が公開された4月21日には、同時に「Q&A」も公開されていて、もう少し詳しい状況に応じた「どうしたらいいか」が紹介されています。


正直、まだまだミサイルに対する防災意識は低いとしか言えないのが日本の現状ですが、危機はそれを考慮したり待ったりはしてくれません。最悪の事態を最大限回避するためにも、Jアラートだけではなく、危機管理に対する意識を高める必要があるでしょう。まずは、スマホの設定を見直し、避難する場所をチェックするところから始めてみてはいかがでしょうか。

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