特集2017年11月13日更新

テレビでネットで動物園で人気沸騰“カワウソ”

愛嬌のある表情と可愛らしい仕草で、動物園やSNSで大人気のカワウソ。ペットとしても飼う人がいたり、最近はなんとカワウソがMCをつとめるテレビ番組まででてきているんだとか。そんなカワウソにまつわる話題を紹介するとともに、カワウソを取り巻く問題点にも迫ります。

目次

史上初、カワウソがMCの番組

カワウソ「ちぃたん☆」がMCの番組

千葉テレビで毎週火曜日21時55分より放送されている、カワウソがMCを務める番組『カワウソちぃたん☆が行く ホントの日本』が話題になっています。千葉県いすみ市等の観光大使を務めるアイドル「仮面女子」が全国さまざまな土地の魅力を紹介する番組で、ちぃたん☆は毎回冒頭と最後に出演しています!

“はぁ? テレビでカワウソの冠番組? なにが文春砲だ嘘(フェイク)マガジンめ!”って? いえ本当です。チバテレ(千葉テレビ放送)で毎週火曜日21時55分より放送中の『カワウソちぃたん☆が行く ホントの日本』のことですよ。

どんな番組?

メインは仮面女子による地方の魅力取材のコンテンツですが、最初と最後にあるちぃたん☆のMCがとってもキュート。仮面女子とちぃたん☆とのふれあいの場面とかもあって、仮面女子・神谷えりなさんを「歯医者さん」する場面は話題になりました。これは下記公式ツイッターにもあがっています。

この動画がついた投稿にTwitter上では、
・ちぃたん☆そんなに撫でたらだめだよ〜(笑)
・女の子同士だから許される!
・えりにゃん(神谷えりなさん)されるがまま
・激しすぎるwww
と様々なコメントが寄せられています。

MCを務めるのはかわうそ界のカリスマ「ちぃたん☆」

下の記事ではフォロワー38万となっていますが、番組効果なのか?さらに増えて11月13日時点で67万を超える人にフォローされています。

かわいくて癒されると、ツイッターで更新される写真や動画が注目され、2014年に開設された「飼い主」のツイッターのフォロワー数は徐々に増え始め、2017年8月16日現在で、38万を超えている。
ところで、カワウソって水辺の生き物のはずなのにちぃたんを見ていると何だか水が苦手そう……。少しずつ風呂桶に水を入れたりしながら慣らしていっているようです。

生まれたての頃のちぃたん☆が、猫と一緒にいるところ。

今回投稿されたこちらの画像。カワウソの「ちぃたん」がベッドの上で寝てる合間に、お腹の辺りに指で7つの窪みをつけてみた結果、某北斗神拳伝承者のような七つの傷を持つカワウソとなったようだ。「北斗の拳」のケンシロウが持つ七つの傷は、元々宿敵であるシンから、ケンシロウが抵抗出来ない状態で付けられたものであるため、ちぃたんの状況と割りと似ているかもしれない。

「カワウソゥ選挙」開催!

いまやカワウソの人気は絶大で、日本で一番かわいいカワウソを決める「カワウソゥ(総)選挙」なるものも開催されました。
これは日本全国の動物園・水族館36施設で飼育されているカワウソ84頭の中から人気ナンバー1を決定するWeb投票で、2017年8月31日から2017年10月9日の期間で行われました。

生き物に特化したウェブサービス「いきものAZ」が主催し、36の動物園と水族館で飼育されている84頭が立候補したアツい選挙戦!

中間発表ではサンシャイン水族館の「やまと」が首位に立ち続けていましたが、最終結果では伊勢シーパラダイスの「ブブゼラ」の逆転勝利となりました。

サンシャイン水族館が10月15日に開いた発表イベントでは、9月3日に急死した、伊勢シーパラダイス(三重県)の「ブブゼラ」が3万2131票で優勝した。第1~3回の全中間発表で首位の座を譲らなかったサンシャイン水族館の「やまと」は、2万3769票の2位に。3位は、盛岡市動物公園の「カエデ」(1万9271票)だった。

1位になった「ブブゼラ」は、日本では飼育数が7頭(2017年11月現在)と非常に数がすくなく、貴重なカワウソ「ツメナシカワウソ」のオスで、下の画像のような「困り顔」で人気でした。残念ながら選挙期間中の9月3日に急死。1位の授賞式は彼の息子の「ゆるり」によって行われました。ちなみにゆるりも5位に入賞しています。

「ゆるり」による授賞式の様子

4月に生まれたばかりのブブゼラの娘「ひらり」と「きらり」(どっちがどっちかはわかりません…)

絶滅したはずのニホンカワウソが!?

琉球大学が長崎県対馬で発見

かわいいカワウソは皆を癒してくれる存在ですが、そのカワウソ、かつては日本に固有種がいたものの、絶滅したとされていました。しかし琉球大学がカワウソと見られる動物を長崎県対馬で見つけたことで、「ニホンカワウソは存続していた!?」と大騒ぎに。ニュースでこの動画を見られた方もいるかもしれません。

長崎県対馬にて、琉球大学がツシマヤマネコの生態調査のために設置した自動撮影装置によって、2017 年 2 月 6 日にカワウソの動画が撮影されました。
絶滅したと思われていたニホンカワウソかもしれないと話題になり、環境省も夏にかけて複数回の調査を実施。カワウソの糞や足跡を発見し、少数が河川や海岸を利用しながら生息していることを確認した。

2012年に「絶滅」したとされるニホンカワウソ

日本のカワウソは、明治時代までは日本全国に生息していましたが、毛皮や薬種を目的とした狩猟に加え、生息地の破壊によって、四国を除く地域では 1955〜1960 年頃には絶滅し、四国でも 1980〜1990 年代に絶滅したと考えられています。対馬にも江戸時代まではカワウソが生息していた記録が見つかっています。
1979 年の高知県での目撃を最後にカワウソの生息確認は無くなり、環境省では2012年にニホンカワウソ(本州以南亜種)とニホンカワウソ(北海道亜種)を「絶滅」に指定。

その正体は韓国からやってきた「ユーラシアカワウソ」か?

糞をミトコンドリア遺伝子分析したところ、いわゆるニホンカワウソには該当しないものの、「ユーラシアカワウソ」の特徴が明らかになった。ほとんどの糞が同じ遺伝子を示し、性別はオス。韓国とサハリンのカワウソと近縁だった。さらに分析を進めているが、結論を得るにはまだしばらく時間がかかるとしている。

日韓共同でカワウソ研究の動きも

カワウソが絶滅した日本と、カワウソが生息しているものの減少を危惧する韓国とで、合同の研究会が設立され、シンポジウムも開催されたのだそうです。

日本はすでに絶滅の危機に瀕していても、もしも見つかったときのために韓国のノウハウを学びたい。熊谷さんは動物園の飼育関係者らに呼びかけて「カワウソツアー」を実施して交流も重ねていく。そこで思い立ったのが「日韓カワウソ合同研究会」の設立だった。
そのためシンポジウムの開催を考案し、公益財団法人韓昌祐・哲文化財団に助成金を申請した。さらにNHKの動物番組『ダーウィンが来た!』が韓国のカワウソ復活の現状を放映し、大きな反響があった。折しも、東京動物園協会がユーラシアカワウソの飼育に力を入れようとしており、共催も決まる。

その他、カワウソに関するニュース&話題の動画

「かわいそう」カワウソ持ち出そうとした日本の女子大生拘束

カワウソ10匹を無許可で国外に持ち出そうとしたとして、タイの警察当局は10月31日、日本の女子大生を拘束したことを明らかにした。
報道によると、女子大生は首都バンコクのドンムアン空港で、10月29日に成田空港に向けて出国しようとしたところ、空港の職員によって、荷物の中から、カワウソが発見された。女子大生はバンコクの市場でカワウソが売られているのが「かわいそう」だと思い、1匹1000バーツ(約3400円)で購入したという。

ハリポタ作者、カワウソ写真をおねだり

「権力の中で役に立たないピエロ、そして、独我論的な性格に変わる反対勢力。ひどく落ち込んでいるの。だからカワウソの写真を送って」
呼び寄せ呪文の「アクシオ」を使えばいいようにも思えるが、それでも、かわいらしいカワウソの写真が、フォロワーから数多く寄せられ、ローリングは、それらの写真にたくさんリツイートしていた。

日本酒ではなく…カワウソの「獺祭」

熊谷さんが初めて晋陽湖を訪れたとき、早朝に2頭のカワウソが「獺祭」(だっさい)をしている光景に遭遇した。捕まえた魚を食べずに、岸辺に魚を一列に並べていく行動で、いかにも嬉しくて祭りをしているように見えることから「獺祭」と呼ばれている。

カワウソ似のカンバーバッチ

かなり古いニュースだったのですが、あまりにも面白かったので…

ベネディクト・カンバーバッチとジョニー・デップが出演したBBC『グレアム・ノートン・ショー』で、これまで何度もネタになってきた、"カワウソとシャーロックの完全一致画像"をカンバーバッチ本人の前で検証。その後カンバーバッチのカワウソ顔マネショーが展開され、世界中から「神回」と話題を呼んでいる。

話題のカワウソ動画

高速スクリューなカワウソ

おっさんみたいな食べ方のカワウソ

流しカワウソ

カワウソ握手会

カワウソのドヤ顔

雪の上をスイーッと滑るカワウソ

チョウチョに夢中なカワウソたち

カワウソに熱烈キス攻めを受ける美女

ワニを襲うカワウソ

カワウソの危機と問題点

SNSでも大人気、各地のイベントも大盛況なカワウソ。「私も飼ってみたい!」と思ってしまいますよね。でも、実際に飼うとなると、いろいろと注意点があるようです。

注意点1 多くが絶滅危惧種であり、非常に高額

カワウソは毛皮目的の乱獲や居住環境の悪化などで世界的にも多くの種が絶滅の危機に瀕しています。そのため、輸入も制限されている状況なのですが、近年のカワウソブームで需要と供給のバランスが崩れつつあり、ペット用の個体も非常に高額となっているのです。

かわいさにひかれてペットにしたいと思う人も増え、個体によって異なるが、ペットショップでは1頭100万円前後の高額で売り出されている。

注意点2 飼うのが大変

冒頭で紹介した、ちぃたん☆の飼い主さんは、カワウソ飼育の大変さから、実際におうちに迎える決意をするまで何十年もかかったんだとか。

食料や光熱費などの経済的な問題、水遊び場所の確保、トイレのしつけ、ニオイ対策、大きな鳴き声、誤飲の注意、カワウソをみてくれる動物病院探し……など、そのハードルは挙げればきりがない。

注意点3 日本人の過熱から密輸の温床に

「今年に入って密輸が連続して摘発されていることを受け、私が参加しているカワウソの国際的な保護グループ(国際自然保護連合 種の保存委員会 カワウソ専門家グループ)では、日本のカワウソのペットブームを非常に危惧しています。東南アジアでは、カワウソは漁業者に害獣扱いされており、あまり守ろうという機運がない。捕まえて売れるならラッキーという側面もあるんです。そのためか現地でカワウソを簡単に手に入れることができて、うまく日本に持って行けば100万円程度で売れる。

なぜ日本で絶滅したのか考えるきっかけになれば

カワウソはそもそもペット飼育に向く動物ではないので、「大人の対応」が求められるようです。私たちのカワウソへの愛が試されます。

「単にかわいい、飼いたい! という方向に行かずに、カワウソは世界的に数が減っている生き物であるとか、なぜ日本では絶滅してしまったのかを考えるきっかけにしてほしい」と、カワウソゥ選挙の背景について高宮さんは語る。カワウソを守るために何ができるか、ひとりひとりが考えなければいけないだろう。

人気者のカワウソですが、本文でも触れたようにニホンカワウソが絶滅したのをはじめとして、世界中で減少しつつあり、複数の種類が絶滅危惧種に認定されています。その原因はいくつかありますが、乱獲や居住環境の悪化など、人間の影響も少なくありません。できることなら、彼らが少しでも数を減らさないように、考えてみることも必要かもしれません。